父と娘の記録 vol.3

2024.1.31
私は35歳の誕生日を迎えた

私は少し前から、外反母趾気味と行きつけの整体師さんに指摘され、足の痛みに悩まされていた
そんな姿を見かねた父は、「ちゃんと足に合う靴を買いなさい」とオーダー靴を誕生日に買ってくれた
もちろん父は入院しているので、その命を受けた母が買ってくれたのだが

出来上がった靴を見せて、誕生日を迎えたことを父に報告すると、「うん」と一言
分かっているのかどうか、父の反応では分からないことが増えてきた
とはいえ、父の変わらない愛情に切なくなった

2024.2
毎日父の病室に行くことが自然になってきた頃、父の食事は「常食」から「軟菜食」に変わっていた
噛む力や飲み込む力が衰えているため、飲み込みやすい食事にするとのこと
2月に入ってからは、自分で食事をとることが難しく、家族で食べさせるようになっていた
日を追うごとに食べる量が減り、食べること自体に疲れを感じているように見えた
このときにはもう言葉を発することができなくなり、目線や眉毛の動きでかろうじて反応を理解することができる程度だった

もうすぐ父の誕生日を迎える
なんとかその日までは…と願わずにはいられなかった

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