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スタートアップとして解く「問い」を言語化する枠組み

事業に関するピッチを聞いた際に、「ターゲットユーザーについてもっと詳しく教えてください。」という質問をさせていただくことが少なくありません。

これに対して、例えば「XX業界のSMB企業」といった粒度での回答をいただくと、この情報量だと、聞き手としては、なかなか視覚的・映像的なイメージがわかなくて困ってしまいます。(さすがにここまで粗いケースは現実にはありませんが。)

なので続けて、「SMBといっても、どういう規模のどういう会社のどういう部署のどういう役職でどういうミッションを負っていて普段どういうことを考えている人ですか?」というやりとりに発展したりします。

あるいは、「そのターゲットユーザーは何に困っているんですか、いつから困っているんですか、なんでずっと困ったままなんですか?いままではどうしてたんですか?」という質問をさせていただくことも少なくないです。

初期のステージのスタートアップの経営陣としては、プロダクト・ソリューションの開発にリソースの大部分を割くので、「誰に対して、どういう変化をもたらして、幸せにするのか」という点は暗黙の前提になっており、あえて言語化していないのだろうと推察します。

しかし、社会に現存するどのような「問い」(Agenda)を解くのか、という点を常に言語化しておくことで、社内でのコンセンサスもとれて、事業やプロダクトの指針もブレずに済むのではないでしょうか(特にシード・アーリーステージは)。また、きっちり言語化しておくことで、投資家とのコミュニケーションもスムーズになるはずです。

おぼろげながらも確かに起業家の頭の中にあるはずの「問い」(Agenda)を言語化するためのディスカッションを重ねているうちに、ターゲットユーザーや、彼らが求めているBefore-Afterの変化、これまではどうしていたのか(代替手段)の話など、一定のパターンやフレームワークがあることに気づきました。

であれば、一度枠組みとして整理してみなさんと共有したほうが、何かしらの助けになるのではないかと思い、仮称「Startup Agenda Framework」のこちらのスライドを掲載させていただきます。今後もアップデート予定で、あくまでもβ版です。

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基本的にはTargetにはじまり、順番に下に移行しながらストーリーを固めていくという使い方を想定しています。

要素間のつながり(ストーリー)を明確にするため、一部の文字を蛍光カラーでハイライトしています。例えば、青色の蛍光カラーは、ターゲットユーザーが何かしらの特徴を備えているからこそ、(その他大勢が満足しているであろう)代替手段が「帯に短し」で不満を抱えているし、逆に「襷に長し」の部分もあるからトレードオフで提供価値を削ることができる、という話につながっていくことを表現しています。

ぜひ一度、この枠組みに沿って言語化をしてみてください。

とはいえ、この記事の説明だけだと使いにくいと思いますので、このスライドを下敷きにした1on1ディスカッションも大歓迎です。まだまだ過不足あり改良の余地だらけなはずなので、スライドに対するフィードバックもいただきたいです。

https://twitter.com/nmtryh まで、ご連絡お待ちしております!

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