今後の活動について
私が「炎上は不当なリンチである」と主張し始めて数年経ちます。
最初の頃から比べると、ネットユーザーの価値観や炎上に対する考え方も随分変化してきました。
例えば所謂「オタク学級会」に対する考え方です。注意喚起を騙った告発や特定個人に対する非難がかつて横行しており、大勢で一人を激しく糾弾する様子に私が「それはネットリンチだ」と指摘しても耳を貸す人は殆ど居ませんでした。それどころか諫める私を異常者扱いし嘲笑するものや、攻撃の矛先を私へ向けるものも後を絶ちませんでした。
いつしかオタク学級会は見苦しい、みっともないという風潮が何となく広まり、発生頻度も大幅に少なくなりました。稀に告発者や糾弾者が現れてもその主張に迎合せず、距離をおいて客観的に意見する人が増えました。これは大変喜ばしいことだと思っています。
最近目に余ると感じているのはフェミニストとアンチフェミ(オタク)の諍いです。彼らが建設的な意見交換を出来ないのは双方に問題があるからで、決してどちらかの非ではないことは明らかです。
フェミニストは「男女の平等」を求めている訳ではなく、「私」の価値観を何よりも優先すること、その為に支障となるものは全て排除することを社会や他者に求めます。
自身の判断や行動を決めるものとして自分の価値観を最優先にすることは寧ろ当然の事ですが、他者の判断や行動についても「私」の価値観に従うように要求する。それがフェミニストの問題であると言えるでしょう。
彼女達(便宜上そう呼びます)と全く真逆の価値観を持っている人にも、勿論その人自身の価値観に基づいて判断・行動する権利があるのですが、彼女達はそれを決して許しません。
「他人も、社会も、私の価値観に従うべきだ」と、恐らく自覚が無いまま何年も何年も彼女達はそう叫び続けているのです。勿論そんな要求を受け入れる義務は誰にもありません。
アンチフェミは大多数がオタクによって構成されています。おそらく大半が男性向けの、美少女キャラクターなどを扱った二次元コンテンツを愛好する人達です。
何故そのような傾向があるのか、最早言うまでもないことですがフェミニストがそういったコンテンツを目の敵にし、幾度となく攻撃を繰り返してきたからです。
フェミニストによる被害を受けたのはあくまでもコンテンツそのものであり、またその権利者です。ところがいち愛好家に過ぎないオタク達は何故か「燃やされた」と噴き上がり、あたかも自らが攻撃されたかのようにフェミニストに反撃しようとします。
しかし実際彼ら(便宜上そう呼びます)は被害者ではありませんので反撃する権利なんかありませんし、本人達は反撃だと勝手に思っていますが実際のところは一方的な攻撃です。決して「やりあっている」訳ではなく、他人を攻撃している者を別方向から攻撃しているだけなのです。
「これは反撃だ」と何故誤認してしまうのでしょうか。それは彼らの自他境界が曖昧だからです。コンテンツが受けた攻撃を「自分が攻撃された」と勘違いしてしまっているのです。
もともとオタクはネットで他者を攻撃することを好む傾向にあります。
(勿論全てのオタクがそうではなく、中には良心的、常識的なオタクも存在します。いたずらに他人を傷つけることなく、健全にコンテンツを楽しんでいる人も沢山居る筈です。)
コンテンツが攻撃された事を勝手に自らが受けた被害と置き換えてしまうのも、もしかしたら攻撃する大義名分を得る為かも知れません。
おそらくネットにおける起源は「2ちゃんねる」だろうと思われますが、その頃から陰湿な叩き行為・粘着・ネットハラスメント行為を繰り返し、素性の詮索や晒し行為など、相手の身の安全をも脅かすような事さえ平気で行われてきました。
動画上にコメントが表示される「ニコニコ動画」においても誹謗中傷は散見されましたし、イラストSNSのpixivにおいても、これまで多くのトラブルが発生してきました。こういったプラットフォームのユーザーの大半がオタクです。
オタクはどうして叩き行為やネットハラスメントを好むのでしょうか。それが所謂「オタクコンテンツ」を好む事とどう因果関係があるのかは全く不明ですが、オタクはそうでない人達と比べて内向的な人、人とのコミュニケーションに対してネガティブな人が目立ちます。好きなものに対するポジティブさと反比例するように現実社会において必要なこと(=社会生活・人間関係の構築)に対して後ろ向きで、そういった事を拒絶したがる。
オタクを自称し叩きやネットハラスメントを娯楽としている人達の何気ないツイートなどを見ていると、そういった傾向が見られることが多々あります。
彼らは、自らのそういった傾向を客観的に認識し、自分が他人を攻撃してしまうのはそれが原因であると自覚しなければなりません。そして他者への攻撃をやめる為に、自分自身の問題を解決しなければならないのです。
私はその自覚を促す目的でネットハラスメントの加害者に接触し、価値観や考え方を聞き出そうと試みた事が何度かありますが、当然彼らにとっては自分の内面と向き合うことは不都合でしかないので、これまで私の問いかけに素直に応じた人は一人も居ませんでした。
私の問いかけに応える義務などありませんのでそれは別に構いませんが、最低限自覚と改善は必要であると言えるでしょう。
「あいつはこれまでコンテンツを散々燃やしてきたから俺はそれを罰しているのだ。向こうが謝るまで決して許さない」などという主張は自他境界が完全に欠落した人間が、自らの権利の範囲外にある制裁行為を独善的な価値観に基づいて不当に実行しているにすぎません。そんなことをする権利を、彼らはそもそも持ってはいないのです。
与えられてもいない権利を行使しようとする者同士の衝突。これがフェミニストとアンチフェミの諍いの実態なのです。実に下らない話だと思いませんか?双方が「権利の範囲」について正しく認識した上で建設的な対話をしようとしない限り、彼らの抗争は永久に馬鹿げた茶番から進化することはないでしょう。茶番のくせに他人を傷つけ苦しめる事だけは一丁前なので極めて質が悪いと言えます。
これはどちらか一方が自覚をして改善しても解決しない問題です。双方に謙虚に自分を見つめ直すことが求められます。
これらの問題をはじめ、あらゆる炎上・ネットリンチ・ネットハラスメントの問題に関して、私は今後言及することが少なくなると思います。
こういった事案に関わることが、私の心身に悪影響を及ぼし始めたからです。
無くすべきこれらの問題は偏に加害者側の問題であり、燃やされ、叩かれ、攻撃される人に罪はありません。愚かで、浅はかで、悪質な攻撃者達が一方的に悪いのです。
そういった手合いのせいで心を削り、身を削り、苦しむ為に私は生きている訳ではありません。
ですので大変不本意ですが、私は今後こういった事から少し距離をおくつもりです。
幸い始めに述べた通り、炎上・ネットリンチに対する社会の価値観は変わりつつあります。飽れる程本当に少しずつです。しかもその過程にはそういった被害によって命を落とした人達が存在します。
そこまでの事態にならないと多くの人間は現状を問題視しない。本当に嘆かわしく、情けない話です。
それでも少しずつ前に進んでいると思います。ネットリンチ・ネットハラスメントの無い社会に向かって。
私は決して絶望することなく、社会の、人々の持つ良心に期待したいと思います。
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