初めて買ったのは、同人CDだった(前編)

れをるの『No Title+』と『No Title-』。2015年夏。

現在はシンガーソングライター「Reol」としてYou Tubeでのチャンネル登録者数は日本の女性のソロアーティストの中でトップを誇り、数々の曲でCMとのタイアップを果たしているアーティストだが、当時のアーティスト名はひらがなの「れをる」であった。

二枚のCD両方に同じ曲が収録されているが、『No Title+』はボカロ歌唱版、『No Title-』はれをる歌唱版という変わった造りのアルバムだ。

ニコニコ動画とYouTubeで歌い手として活躍していた「れをる」のことは、当時そこまで強く追いかけていたわけではない。かのあっぱれなボカロ曲「ギガンティックOTN」の歌ってみた動画や、「一心不乱」「LUVORATORRRRRY!」といった、よく伸びていた動画のみ見ていた気がする。

もともとはギガPの曲が好きで新曲投稿のたびに追っていたため、「+♂」「Drop Pop Candy」などの同時投稿でギガPとれをるの共作を行う関係性をはっきりと認識したかもしれない。

それにしてもなぜ、その程度の熱量のアーティストの同人CDを購入するまでに至ったのか。

考えてみれば、『No Title±』はクロスフェード動画がとんでもなく魅力的だったのだ。当時からよく一緒に活動していた動画クリエイター「お菊」の作成するクロスフェード動画がとにかく好きで、好きで、あのクロスフェード動画が投稿されてから、そればかりを見ていた。

動画の入りから音楽マッチしたビビットな動画。クロスフェード動画の中では通常一曲あたり十数秒程度が流れるが、「+」と「ー」の二枚同時発売だったため、その十数秒のうち半分がボカロ歌唱、半分がれをる歌唱となっている構造も好きだった。

ギガPのインスト楽曲「BWW Scream」での音の遊びっぷりにも衝撃を受けた。

ああ、このCDが欲しい。全曲をフルで聴きたい。しかし、どうやらこのCDは、第86回開催となるかの有名な同人イベント「コミケ」、すなわち「C86」で販売されるらしい。

ちょっとちょっと。CDショップで売ってくれんと。それかITunesストアよ。

そうじゃないと買えないじゃん。


後編へ続く

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