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部屋探しの条件

 建築設計を職業としている人あるあるで、部屋探しが難航しがち。

 というのは最近、僕が勝手に思ったことなのですが(でも割とその傾向はあると思うw)、ちょうど今、Obarと2人で活動の拠点とできるような場所(僕は実際にそこに住む)を探していて、思うような条件だったり、間取りだったり、自分の理想に近い物件がなかなか無いからです。

 自分の理想というと単に理想が高いだけに聞こえるかもしれませんが、仕事で1cm、1mmという寸法を扱っていると、なんでこの部屋はもう少し広くしなかったのかとか、どうしてこの無駄なスペースがあるのかなど、設計者の意図が見えないことが多々あり、もやもやした気持ちになります。これまた最近、同業の友人が中古マンションを買って内装を全部自分でやりかえてフルリノベーションしたのですが、その気持ちがとても良くわかります。

 とはいっても、細かいところは気にしないぐらいの許容力は持ち合わせているつもりなので、かなり極端に絞り出すと、僕がもっとも重点を置いて考えている条件は、

① 十分な広さのリビングスペース(ワンルーム)があること

② 十分な広さのベランダや庭などの屋外空間があること

 この2点です。ところが築年数の古いマンションなど(家賃が安いw)はこの2つの条件を持ち合わせている物件があまりなく、現在、部屋探しに難航しているという訳です。

 話を少し斜めから差し込みますが、僕が建築を学び始めた頃に、同じ大学の先輩に自分が作った設計案を見せた時、「君はただ部屋を作っているだけで、”空間”を作れていない。」と言われ、とても衝撃を受け、それから大きく思考が変わったのを今でも覚えています(語感は多少違ったかもしれませんw)。四角い部屋をただ並べるのではなく、そこに暮らす人がどう動いてどう食事したりするのかをイメージしろと、そうすればおのずと作りたい空間が生まれてくるだろと。その時から建築を考えるのがとても楽しくなり、日夜を忘れて(実際は作業室で結構寝ていましたがw)設計課題に打ち込んでいました。

 言葉にするのは少し難しいのですが、先輩の言葉の僕なりの解釈は、単純に壁で分断して部屋を作るのではなく、それぞれの生活の要素を複合的につながりを持つように空間化することで、生活のスタイルに多様な幅を持たせることができるということです。

 その多様な生活スタイルを築ける条件というのが、賃貸住宅で言えば前述の2つの条件だと考えています。

 1つは、十分な広さのリビングスペース(ワンルーム)があること。一つ一つの行動を分断せずに、複数人で暮らすならお互いの適度なコミュニケーションが取れるような、そんな広さがある空間がリビングだと良いなと思います。

 2つ目は、十分な広さのベランダや庭などの屋外空間があること。家の中だけでの活動だとどうしても限度があります。晴れた日には外にテーブルを出して夕食を食べたり、本を読んだりしてもいい、それだけでとても気持ちが良いのです。

 多様なライフスタイルの幅を持つことで、生活にゆとりができ、体にも心にも余裕を持って暮らすことが可能になるのではないかと考えています。

 これからまた新しい物件を内覧にいく予定ですので、もし決まればまたそのことは書きたいと思っています。今度の物件はけっこう理想に近いのではないかと睨んでいます。

 これを読んだ人の、お部屋探しの参考に少しでもなればと思います。

Nomy

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