【ミネラル】があなたの健康を守る!
●はじめに
ミネラルは、私たちの体にとって重要な役割を持つ五大栄養素のひとつです。炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのことです。この五大栄養素は筋肉や血液など体の部分を作ったり、生きていくために必要なエネルギーを生み出したりと、ヒトの体に不可欠な働きがあります。
そんなミネラルの正体は、岩や土に含まれる「無機質」と呼ばれるものです。無機質とは、地球上にある118種類の元素のうち、水素、炭素、窒素、酸素を除いた元素のことです。カルシウムや鉄などたくさんの種類があり、現在では114種類もの成分が発見されています。
【定義】
生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称。無機質とも呼ばれる。
【生理作用】
ミネラルは、骨や歯の形成、神経や筋肉の働き、ホルモンの働きなど、さまざまな生理作用に関与しています。
具体的には、以下の働きがあります。
骨や歯の形成:カルシウム、リン、マグネシウム
神経や筋肉の働き:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄
ホルモンの働き:鉄、ヨウ素、亜鉛、銅
ミネラルの欠乏や過剰は、それぞれ健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、食事からバランスよく摂取することが大切です。
【種類】
ミネラルは、体内で合成できない必須ミネラルと、体内で合成できる非必須ミネラルの2種類に分けられます。
必須ミネラルは、16種類あり、骨や歯の形成、神経や筋肉の働き、ホルモンの働きなど、さまざまな生理作用に必要です。
非必須ミネラルは、48種類あり、体内で合成できますが、食事から摂取することで健康維持に役立ちます。
【分類】
ミネラルは、体内における存在量の違いから、多量ミネラルと微量ミネラルに分類されます。
多量ミネラルは、体内における存在量が100mg以上で、骨や歯の形成、神経や筋肉の働き、ホルモンの働きなど、さまざまな生理作用に関与しています。
微量ミネラルは、体内における存在量が100mg未満で、代謝や免疫、生殖など、さまざまな生理作用に関与しています。
●食事摂取基準
日本では、厚生労働省が13種類のミネラルについて、成人1日の適切な摂取量を「食事摂取基準」として定めています。
ミネラル1日の摂取基準(成人男性)1日の摂取基準(成人女性)カルシウム1000mg800mgリン800mg700mgマグネシウム370mg320mg鉄10mg18mg亜鉛11mg9mg銅1mg0.9mgマンガン2.3mg1.8mgヨウ素150μg110μgセレン55μg40μgクロム35μg25μgモリブデン50μg45μg
【欠乏症と過剰症】
ミネラルの欠乏や過剰は、それぞれ健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
欠乏症
ミネラルの欠乏症は、食事からの摂取量が不足することで起こります。欠乏症になると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
過剰症
ミネラルの過剰症は、サプリメントの過剰摂取や、食品の摂取量が多いことで起こります。過剰症になると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
なお、ミネラルの欠乏症や過剰症は、個人差や年齢、性別、健康状態などによって、症状が異なる場合があります。また、ミネラルの過剰症は、慢性的な摂取が原因となることが多いため、注意が必要です。
●吸収を阻害するもの
ミネラルの吸収は、他の栄養素や食事中の成分によって阻害されることがあります。
カルシウム:リン、鉄、亜鉛、食物繊維
鉄:カルシウム、亜鉛、タンニン(コーヒー、紅茶、ほうれん草など)
亜鉛:鉄、タンニン、フィチン酸(穀類、豆類など)
●サプリメント
ミネラルサプリメントには、以下の種類があります。
単一ミネラルサプリメント:特定のミネラルのみ配合されたサプリメント
マルチミネラルサプリメント:複数のミネラルを配合されたサプリメント
単一ミネラルサプリメントは、特定のミネラルの不足を補うのに適しています。例えば、貧血の予防や改善のためには鉄サプリメント、甲状腺の働きを正常に保つためにヨウ素サプリメントなどがあります。
マルチミネラルサプリメントは、さまざまなミネラルをバランスよく補うのに適しています。例えば、健康全般の維持や、スポーツや妊娠・授乳中の栄養補給などに役立ちます。
ミネラルサプリメントを摂取する際には、以下の点に注意しましょう。
自分に必要なミネラルを把握する
摂取量を守る
飲み合わせに注意する
副作用の可能性があるため、医師や栄養士に相談する
ミネラルサプリメントは、食生活の改善につながらない可能性があるため、サプリメントだけで健康を維持することはできません。食事と併せて適切に摂取することが大切です。
以下に、ミネラルサプリメントの代表的な種類と、その働きについてまとめました。
●有害ミネラル
有害ミネラルは、体内に蓄積することで健康被害を引き起こす可能性のあるミネラルです。
代表的な有害ミネラルには、以下のようなものがあります。
水銀
鉛
カドミウム
ヒ素
これらのミネラルは、環境汚染や食品の汚染、工業製品の使用などによって体内に取り込まれることがあります。
有害ミネラルの過剰摂取による健康被害としては、以下のようなものが挙げられます。
神経障害
腎臓障害
骨粗鬆症
ガン
有害ミネラルの摂取を減らすためには、環境汚染や食品の汚染を避けること、工業製品の使用を減らすことが大切です。また、サプリメントを摂取する際には、有害ミネラルの含有量に注意しましょう。
●各論
●まとめ
ミネラルは、体内で合成できない必須栄養素の1つです。骨や歯の形成、神経や筋肉の働き、ホルモンの働きなど、さまざまな生理作用に必要です。
ミネラルは、体内における存在量の違いから、多量ミネラルと微量ミネラルに分類されます。
多量ミネラルには、カルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、塩素が含まれます。これらのミネラルは、骨や歯の形成、神経や筋肉の働き、ホルモンの働きなど、さまざまな生理作用に関与しています。
微量ミネラルには、鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロム、モリブデンが含まれます。これらのミネラルは、代謝、免疫、生殖など、さまざまな生理作用に関与しています。
ミネラルの欠乏症や過剰症は、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があるため、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
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