【たんぱく質】で健康美を手に入れよう!
●はじめに
たんぱく質は、炭水化物や脂質と並ぶ三大栄養素のひとつです。生命活動に欠かせない栄養素であり、筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などの構成成分となるほか、ホルモンや酵素、免疫物質などの材料としても働いています。
このnoteでは、たんぱく質の概要や働き、種類、含有食品、サプリメントなどについて、わかりやすくまとめていきます。
●総論
たんぱく質(Protein)という物質は1938年に発見。
当時、生物に砂糖と油だけを与えると早死し、たんぱく質を与えると長生きすることから、ギリシャ語のプロティオス(Proteios)「もっとも大切なもの」という言葉から名付けられました。$
定義
たんぱく質は、アミノ酸が多数結合した高分子化合物です。アミノ酸は、炭素、水素、酸素、窒素、イオウの5つの元素から構成されています。
生理作用
たんぱく質の主な生理作用は、以下のとおりです。
筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などの構成成分となる
ホルモンや酵素、免疫物質などの材料となる
エネルギー源となる
体温調節や酸塩基平衡の維持に役立つ
食事摂取基準
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、成人男性の1日のたんぱく質の推奨摂取量は65g、成人女性は50gです。
過剰症・欠乏症
たんぱく質の過剰摂取は、腎臓への負担や、尿酸値の上昇、脂質異常症などのリスクを高める可能性があります。一方、たんぱく質の欠乏は、筋肉量の低下、免疫力の低下、成長障害などの原因となります。
[欠乏症]
血液検査上、蛋白質の欠乏の指標
・総蛋白(TP) 6.7-8.0g/dL 肝臓、腎臓機能の低下
・アルブミン(Alb) 4.0-5.0g/dL 肝機能障害、肝硬変、劇症肝炎などの疑い
分類
たんぱく質は、その構造や性質によって、以下の3つに分類されます。
単純たんぱく質:アミノ酸だけで構成される
複合たんぱく質:アミノ酸に加えて、糖や脂質、ヌクレオチドなどが結合した
変性たんぱく質:熱や酸、塩などによって本来の構造が変化した
消化吸収
たんぱく質の消化吸収は、以下の3つの段階で行われます。
食道・胃での消化:食物を噛むことで物理的に分解され、胃液中の塩酸やペプシンなどの消化酵素によって、タンパク質はペプチドに分解されます。
小腸での消化:小腸では、膵液中のトリプシンやキモトリプシンなどの消化酵素によって、ペプチドはさらに小さなペプチドやアミノ酸に分解されます。
小腸での吸収:小腸上皮細胞の細胞膜上の受容体によって、アミノ酸は小腸から体内に取り込まれます。
たんぱく質の消化吸収率は、摂取したたんぱく質の種類や、摂取量、消化酵素の働きなどによって異なります。一般的に、動物性たんぱく質の消化吸収率は植物性たんぱく質よりも高くなります。
含有食品
たんぱく質を多く含む食品には、以下のようなものがあります。
肉類:牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類など
卵
大豆製品:豆腐、納豆、豆乳など
乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズなど
サプリメント
たんぱく質のサプリメントとしては、プロテインやアミノ酸サプリメントなどがあります。
・植物性P 大豆・ヘンプ・ピー・その他
・動物性P エッグ・ミルク
コラーゲン
コラーゲンは、動物の体内に存在するタンパク質の一種で、皮膚や骨、軟骨、血管、歯など、さまざまな組織を構成しています。コラーゲンは、3つのアミノ酸、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンがらせん状に結合してできた構造をしています。コラーゲンの働きは、以下のとおりです。
皮膚の弾力やハリを保つ
骨の強度を保つ
軟骨の潤滑や弾力性を保つ
血管の弾力性を保つ
歯の強度を保つ
コラーゲンは、加齢とともに減少するため、肌のたるみやシワ、骨粗しょう症、関節痛などの原因となると考えられています。
コラーゲンを摂取することで、これらの症状の予防や改善に効果が期待できます。コラーゲンは、肉や魚、卵、乳製品などに多く含まれています。また、コラーゲンサプリメントを摂取することもおすすめです。
コラーゲンを適切に摂取することで、健康的な生活を送ることができます。
エラスチン
エラスチンは、コラーゲンとともに皮膚や血管、心臓などの組織に存在するタンパク質の一種です。コラーゲンが強度を担うのに対し、エラスチンは弾力性を担っています。
エラスチンの構造は、コラーゲンとは異なり、3つのアミノ酸、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンが不規則に結合してできたものです。この構造により、エラスチンは伸びたり縮んだりしやすい弾力性を獲得しています。
エラスチンの働きは、以下のとおりです。
皮膚のハリや弾力性を保つ
血管の伸縮性を保つ
心臓の収縮と拡張を円滑にする
内臓の位置を保持する
エラスチンは、加齢とともに減少するため、肌のたるみやシワ、動脈硬化、心臓病などの原因となると考えられています。
エラスチンを摂取することで、これらの症状の予防や改善に効果が期待できます。エラスチンは、肉や魚、卵、乳製品などに多く含まれています。また、エラスチンサプリメントを摂取することもおすすめです。
エラスチンを適切に摂取することで、健康的な生活を送ることができます。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、体内にもともと存在する物質で、水分を保持する働きがあります。皮膚や関節、眼球などに存在し、さまざまな役割を担っています。
ヒアルロン酸の働きは、以下のとおりです。
皮膚の保湿やハリを保つ
関節の潤滑やクッション機能を保つ
眼球の潤いを保つ
ヒアルロン酸は、加齢とともに減少するため、肌の乾燥やシワ、関節痛、ドライアイなどの原因となると考えられています。
ヒアルロン酸を摂取することで、これらの症状の予防や改善に効果が期待できます。ヒアルロン酸は、動物性食品や植物性食品に多く含まれています。また、ヒアルロン酸サプリメントを摂取することもおすすめです。
コンドロイチン
コンドロイチンは、軟骨の成分であるグリコサミノグリカンの一種です。水分を保持する働きがあり、関節の潤滑やクッション機能を保ちます。加齢とともに減少するため、関節痛や変形性関節症の原因となると考えられています。
コンドロイチンを摂取することで、関節の潤滑や炎症を抑える効果が期待できます。コンドロイチンは、サプリメントや健康食品として摂取することができます。
コンドロイチンの特徴をまとめると、以下のようになります。
軟骨の成分であるグリコサミノグリカン
水分を保持する働きがある
関節の潤滑やクッション機能を保つ
加齢とともに減少する
関節の潤滑や炎症を抑える効果が期待できる
なお、コンドロイチンの摂取は、関節の痛みや腫れを軽減する効果が認められていますが、軟骨の再生や変形性関節症の進行を遅らせる効果については、まだ十分なデータが得られていません。
グルコサミン
グルコサミンは、軟骨の成分であるアミノ糖の一種です。加齢とともに減少するため、関節軟骨の摩耗や変形性関節症の原因となると考えられています。
グルコサミンを摂取することで、関節の潤滑や炎症を抑える効果が期待できます。グルコサミンは、カニやエビの甲羅や殻から抽出されたり、人工的に作られたりしています。
グルコサミンの特徴をまとめると、以下のようになります。
軟骨の成分であるアミノ糖
加齢とともに減少する
関節の潤滑や炎症を抑える効果が期待できる
なお、グルコサミンの摂取は、関節の痛みや腫れを軽減する効果が認められていますが、軟骨の再生や変形性関節症の進行を遅らせる効果については、まだ十分なデータが得られていません。
プラセンタ
プラセンタとは、哺乳類の胎盤のことです。胎盤は、母体と胎児をつなぐ器官で、母体から胎児に栄養や酸素を供給し、胎児の老廃物を排出する役割を担っています。
プラセンタには、さまざまな栄養素や生理活性物質が含まれています。主な成分としては、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、成長因子などが挙げられます。
プラセンタの健康への効果としては、以下のようなものが期待されています。
美容効果(肌のハリや弾力、シミやシワの改善など)
疲労回復
免疫力向上
更年期障害の改善
プラセンタは、サプリメントや化粧品、医薬品などさまざまな形で摂取することができます。
●アミノ酸
アミノ酸とは、カルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)を有する有機化合物の総称です。タンパク質を構成する最小単位であり、20種類のアミノ酸が存在します。
アミノ酸の働きは、以下のとおりです。
タンパク質の構成
エネルギー源
ホルモンや神経伝達物質の合成
免疫機能の維持
アミノ酸は、食事から摂取することができます。主な供給源としては、肉、魚、卵、乳製品などが挙げられます。
アミノ酸をバランスよく摂取することで、健康的な生活を送ることができます。
生理作用
アミノ酸の主な生理作用は、以下のとおりです。
たんぱく質の合成
ホルモンや酵素の合成
免疫物質の合成
エネルギー源となる
構造
アミノ酸は、アミノ基とカルボキシル基を有する有機化合物です。
アミノ基とカルボキシル基は、脱水縮合反応によって結合してペプチド結合を形成します。ペプチド結合によって結合したアミノ酸の鎖をポリペプチドといいます。
ポリペプチドは、そのアミノ酸配列によって、さまざまな構造や機能を示すようになります。
分類
アミノ酸は、その生理作用や構造によって、以下の3つに分類されます。
必須アミノ酸とは、人間の体内で合成することができず、食事から摂取しなければならないアミノ酸のことです。
必須アミノ酸は、9種類あり、そのうち8種類は体内で合成できないため、毎日の食事から摂取する必要があります。必須アミノ酸は、タンパク質の構成に欠かせないだけでなく、エネルギー源やホルモン、神経伝達物質の合成にも関わっています。
必須アミノ酸をバランスよく摂取することで、健康的な生活を送ることができます。
具体的には、必須アミノ酸は以下の9種類です。
バリン
イソロイシン
ロイシン
メチオニン
リジン
フェニルアラニン
トレオニン
トリプトファン
ヒスチジン
これらのアミノ酸は、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など、さまざまな食品に含まれています。
必須アミノ酸をバランスよく摂取するためには、さまざまな食品を組み合わせて食事をすることが大切です。
非必須アミノ酸:体内で合成できるアミノ酸。11種類ある。
非必須アミノ酸とは、人間の体内で合成することができるアミノ酸のことです。
非必須アミノ酸は、20種類のアミノ酸のうち、必須アミノ酸を除いた11種類です。非必須アミノ酸は、タンパク質の構成だけでなく、エネルギー源やホルモン、神経伝達物質の合成、免疫機能の維持など、さまざまな働きを担っています。
非必須アミノ酸は、食事から摂取する必要はありませんが、体内で合成するために必要な栄養素を摂取する必要があります。
具体的には、非必須アミノ酸は以下の11種類です。
アルギニン
アラニン
アスパラギン
アスパラギン酸
システイン
グルタミン
グルタミン酸
グリシン
プロリン
セリン
これらのアミノ酸は、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品、野菜、穀物など、さまざまな食品に含まれています。
非必須アミノ酸をバランスよく摂取するためには、さまざまな食品を組み合わせて食事をすることが大切です。
なお、ヒスチジンは、ヒトでは胎児期までは必須アミノ酸ですが、成人になると体内で合成できるようになるため、非必須アミノ酸に分類されています。
条件的必須アミノ酸:条件的必須アミノ酸とは、健康な成人では体内で合成できるが、病気やストレス、加齢などによって合成能力が低下し、必須アミノ酸となるアミノ酸のことです。
条件的必須アミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、システイン、タウリン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリンの9種類です。
これらのアミノ酸は、さまざまな食品に含まれていますが、病気やストレス、加齢などで体調が悪いときには、積極的に摂取するようにしましょう。
アミノ酸代謝の臓器差
アミノ酸の代謝は、主に肝臓と腎臓で行われます。肝臓では、アミノ酸の合成や分解、エネルギー産生などの代謝が行われます。腎臓では、アミノ酸の再吸収や老廃物の排泄などの代謝が行われます。
アミノ酸の臓器間輸送
アミノ酸は、血液中に溶解して全身に運ばれます。アミノ酸の血液中での輸送は、血漿蛋白質によって行われます。血漿蛋白質は、アミノ酸を結合して運ぶ働きがあります。
たんぱく質の「質」に関する指標
たんぱく質の「質」は、そのアミノ酸組成によって評価されます。たんぱく質の質を評価する指標としては、以下のようなものがあります。
アミノ酸スコア:必須アミノ酸の含有量を評価する指標。
消化率:たんぱく質が吸収される割合を評価する指標。
生物価:たんぱく質の利用効率を評価する指標。
サプリメント
たんぱく質のサプリメントとしては、プロテインやアミノ酸サプリメントなどがあります。
プロテインは、たんぱく質を濃縮したサプリメントです。筋肉量の増加や、体重管理などに効果があるとされています。
アミノ酸サプリメントは、たんぱく質をアミノ酸単位に分解したサプリメントです。体内のたんぱく質の合成を促進する効果があるとされています。
●学んでどう活かすか?
たんぱく質の知識を活かして、健康的な食生活を送ることができます。たんぱく質をバランスよく摂取することで、筋肉量の維持や、免疫力の向上、成長促進など、さまざまな健康効果が期待できます。
また、たんぱく質の知識を活かして、運動やダイエットなど、さまざまな目的に応じた食事やサプリメントの選択を行うことができます。
●まとめ
たんぱく質は、生命活動に欠かせない栄養素です。たんぱく質の働きや種類、含有食品、サプリメントなどについて理解することで、健康的な食生活を送り、さまざまな健康効果を期待することができます。
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