【回文〆日記】 #32 春の見世物

前回の日記も
桜のことを
書いたのだけど

時節がら
また桜のこと。

4月の
2週目である
今週は

生活圏内の
そこここで
ソメイヨシノが
爆発するように
咲きくるっている。

たしかに
みごとで
きれいだけど

あまりにも
体積がでかく
茫漠としていて

毎春

直視したいのか
したくないのか
よくわからない
気持ちになる。

せっかく
咲いているのだからと思って
意識的に見ようとすると

焦点が合わないような
へんな感じになる。

この感覚は
子どものころから
ずっとだ。

そんなら
見なければいいのだが

開花している以上
スルーすることは難しく

気がつくと
立ち止まり
写真をたくさん撮っている。

見たいのに
見たくないのは
どうやら

こんな
あの世っぽいものを
この世で見てしまって
どうしよう

という思いが
深いところに
あるみたいだ。

などと
きれぎれに
考えつつ

結局
長い時間
どっぷり
花見。

満開の花々の
ボリュームは
やはり
とてつもなくて

すこし
びびる。

いい！もこもこも、いい！

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