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30代で有名なコンサルタントがいない理由を考える

今回のテーマは「30代で有名なコンサルタントがいない理由」というものです。

なぜこのようなことを書こうと思ったかというと、私自身が社会人10年目になった時、改めて自分の目標となる人物を探そうとしたことがきっかけです。その時私は32歳でしたので、同じ30代の中で活躍している方はどんな人がいるのかを調べたのですが、なかなか30代で活躍しているコンサルタントが見つけることができませんでした。

皆さんは30代で有名なコンサルタントと聞かれて、誰か特定の人物が浮かぶでしょうか?少し考えてみて下さい。
インターネットで検索してみても、見つけるのは難しいと思います。

もちろん、企業に勤めていて、とても優秀な経営コンサルタントの方は30代でも大勢いると思います。それこそ、マッキンゼーやボストンコンサルティング等の外資系コンサルティングファームで活躍されている方や、国内のコンサルティングファームで活躍する方もいます。

ここで言いたいのは、個人名で、日本全国に名前が知れ渡っている30代コンサルタントというのは、ほとんどいないということです。

なぜ、なかなか30代でコンサルタントとして有名な方がいないのかを、私なりに考えましたので、そのことについて書いていきたいと思います。

◆大きく分けると3つの理由があると考えます。

1.その1つがそもそも30代で経営コンサルタントと言う仕事を、個人でやってる人が少ないことだと思います。もちろん中小企業診断士の資格を取り個人で仕事をしている人も世の中にはいらっしゃいます。

率直に言うと、そういった個人で仕事をしている中小企業診断士の方は、お客様の企業規模が小さいケースがほとんどです。(中には例外もいらっしゃいますが)
そこそこの中堅企業を相手に個人で経営コンサルタントとして仕事をする人は少ないのではと思います。また、大抵の場合、1人でコンサルティングの仕事をする場合、5社程度の企業様と契約をすれば生活に困る事はありません。そのため、その影響力は自分のお客様だけの小さい範囲におさまるケースが多く、より多くの自分のことを知らない企業様へのコンサルティングをおこなうことがないのだと思います。

反対に、大手の企業や中堅企業になると、企業単位でのお取引が多いのだと思います。大企業で上場している企業であれば、いわゆる外資系の戦略コンサルティングファームとのお付き合いがあると思いますし、中堅中小企業であれば国内の大手コンサルティング会社が入り込んでいるケースが多いと思います。そのようにして、企業に所属していながら活躍しているコンサルタントの方は30代でもいらっしゃると思います。ただその方々でも、企業の看板に頼る部分が大きく、企業名を個人名が超えるところまではいっていないのではないかと思います。(企業の看板がなくても仕事が出来る場合は、個人でやっていけます。それにもかかわらず企業に所属し続けると言うのは、よほど所属企業のことが好きな場合か、やはり企業の看板がないとなかなか仕事が取れないということだと思います。)


2.経験値が少なく、経営者からの信頼を得られない

30代のコンサルタントで有名になるのが難しい理由の1つは経験値が少なく、企業の経営者から信頼を得るということが難しいからだと考えます。経営者の方は、日々実践を繰り返し、自分自身で実績を上げてきた経験のある方がほとんどです。その経営者相手に、中途半端な提案をしたり、中途半端な人間では信頼を得られることができません。

経営者は、知識を求めているのではなく、コンサルタントの経験に基づいた的確なアドバイスを求めています。仮に、30代のコンサルタントと40代のコンサルタント、50代のコンサルタントがいたとして、全く同じアドバイスをいした場合、多くの場合は50代のコンサルタントの話の方が経営者には伝わりやすいです。それは、50代コンサルタントの方が、同じアドバイスでも裏付けだれた経験値が異なるからです。(実際の経験値はどうであれ、年齢を重ねている方が、経験を積んでいるように経営者には見えます)

30代のうちに経営者へ自分のアドバイスをするには、自分の経験値ではない、別の何がなければ信頼され、アドバイスを聞いてくれことはないのです。
経験に代わる別の何かというのは、また別の時に書きますが、
例えば、企業の看板であったり、知人からの紹介であったり、その人の人間的魅力といったものだと思います。それらなくしては、基本的には30代のコンサルタントのアドバイスを、経営者がそのまま聞いてくれるということはないと思います。
※前提として、経営者の方が50代、60代を想定しての話です。年齢がコンサルタントに近い30代、40代であれば、話を聞いてくれることもあります。

3.30代でコンサルタントになる人がそもそも少ない

実際に40代や50代のコンサルタントで結果を出しているコンサルタントの方も、多くの場合は30代では事業会社に勤めめていた方が多い印象です。1つの分野として専門スキルの実績を積んできた方が、30代後半や40代になってコンサルタントへ転職するという話もよく聞きます。

そのように、実務経験がある方の場合は、自分がこれまで経験してきた仕事や業務についての部分のコンサルティングで経営者の方に信頼されていくことは多いと思います。例えば30代でトップ営業マンとして活躍してきた方が、まずは営業のコンサルティングからスタートしそこで信頼を得ることで、経営の話を聞いてもらえるようになったりします。同じようにメーカーに勤め、生産性の向上について長く現場でやっていたような方であれば、生産性を改善する分野でのコンサルティングを提案し実績を積むことで、その後は経営者へ経営の提案をすることがあります。

つまり30代で経験したことを自分の強みとして磨き、その分野からコンサルタントを始める人が多いということです。自分の経験がある分野の方が経営者から信頼されることも多いため、まずはそこで経営者の信頼を得ようとする方が大勢いるのだと思います。


結局経営コンサルタントになるには

①経営者・企業を良くするためのアドバイスをするための知識・経験が必要。

②経営者に話を聞いてもらうだけの信頼を築くことが必要。

という2つが揃っていることが大事です。

そして、その2つの要素である「企業を良くするための知識・経験」「信頼を築く」ということを30代のうちに兼ね揃えて、実績を出すことが、難しいのかもしれません。

実際コンサルティングの企業の中でも、コンサルタントという仕事をする前に事業会社で実務経験を積んだ方が良いと言う人もいます。

ただ私の考えとしては、「経営」と言うのは全く別の仕事ですし、経営コンサルタントと言うのも全く別の仕事です。なので30代からコンサルタントを目指し、若いうちからコンサルタントの修行を積んだ方が、経営コンサルタントとしてより良い成果を出せるのだと確信しております。大事なのはいかにして30代のうちから経営コンサルタントの仕事をさせてもらえるか、経験値を積むことができるかというとこです。

卵が先か鶏が先かではないですが

コンサルタントは、実績を積めば積むほど仕事をもらいやすくなります。
ただ、実績を積むためには、仕事もらえるようにならなくてはいけませんん。いかにして、実績のない時に仕事をもらうか、その第1歩がとても難しい壁なのだと思います。


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