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経営コンサルタントという仕事

近年様々な場面で、「コンサルタント」や「コンサルティング」という言葉が使われています。職業だけでみても、例えば、財務コンサルタント、人材コンサルタント、ITコンサルタント、キャリアコンサルタントなど多く存在しています。
では実際、コンサルタントという仕事はどのようなものをさすのでしょうか。元々コンサルタントという言葉は、英語の「Consult」が語源で、「相談する」という意味を持っています。
そこから派生し、現在では相談を請け負う会社をコンサルティングファーム、その仕事を担当する人がコンサルタント、と呼ばれています。

この文章の中では「コンサルタント」 = 「経営コンサルタント」とし、経営コンサルタントについて言及していきます。

私自身は20代後半からこの「経営コンサルタント」という道を歩み始め、今もまだ道半ばです。
このマガジンに書いていく文章が、これからコンサルタントを目指す人若い世代にの人たちに少しでも参考になれば幸いです。

◆コンサルタントとは
一番シンプルな言い方をすると、コンサルタントとは「経営者のコーチ」であり、その仕事は、「企業の様々な経営上の課題を明らかにし、解決する助言をすること」です。

また、以前勤めていた会社では、『コンサルタントとは常に客観的に経営の実態を見つめクライエントの成長発展に貢献するビジネスドクターである』と定義をしていました。

◆評論家とコンサルタントは違います。評論家は企業の結果に責任を持たないですが、コンサルタントは経営の結果、成果を生み出す責任を担っています。コンサルタントの価値は実践済みのもの体系化し、具体的な対応することにあります。クライアントの悩みや気づき、問題の本質を抑え解決への的確な判断を提供しなければなりません。
コンサルタントとは専門的な知識を持ち、お客様、クライアントの悩みや課題を解決する方法をアドバイスし具体的に成果を出す事を支援する人のことだと思います。単なる評論であったり意見を言うだけの人はコンサルタントではありません。

コンサルタントというのは、結果に責任を持ち、お客様・クライアントにプラスとなるアドバイスをすることが第一。そしてお客様・クライアント自身がそのアドバイスに基づいて行動を変えてもらうことで、初めて意味があります。

◆メーカーや小売店であれば自分の会社が扱っている商品やサービスがあり、その商品やサービスを売ることが会社の使命となっています。
当たり前の話ですが、コンサルタントは何か形のある商品を物を売っているわけではありません。
コンサルタントというのは自分たちの会社が扱っている商品やサービスが具体的にあるわけではありません。(セミナーなどの型決めされたサービスも中にはありますが)

なぜ具体的にパッケージ化された商品やサービスがないかというと、それは企業によって課題や状況が異なりそれぞれの状況によって最適な解決手法が違うからです。
全く同じ業界であったとしても、エリアや従業員数、またそこで働く社員の性格など一つ一つが異なるだけで課題も違いますしその解決策も変わってきます。

表面的には同じような課題に見えても、その課題が発生した要因は、企業によって異なることが多く、同じ解決策を試みても、上手くいかないことも多いのです。
そのため、お客様のこと、企業のことをしっかりと把握しその会社にとって何を今すべきなのか、この会社がさらに良い会社なるためには何が必要なのか、そしてどうすればそこの会社の経営者や社員の方にそのことを伝えることができるのかを考えなくてはいけません。どのような方法が最適か、そして経営者や社員に動いてもらうためにどうするのが一番良いかまで考えることがコンサルタントには必要です。

単なる研修やパッケージ化されたコンサルティング商品を販売してるのは、コンサルタントがなくただの営業マンです。コンサルタントの仕事は企業固有の課題を見つけその課題を解決するために自分での全身全霊をかけて支援するものです。決して楽ではなく、むしろ大変なことが多いですが、だからこそ面白くやりがいのある仕事だと私は思います。

◆経営コンサルタントとは文字通り企業の経営を支援するコンサルタントのことです。経営とは企業の方向付けをすること、資源の最適配分すること、人を動かすこと。の3つの要素に分けられます。
専門コンサルタントと違い、経営のアドバイスをするには企業全体を見る総合力が求められます。企業には様々な課題があります。課題がない企業はありませんし、また課題がたった1つしかないということもありません。様々な現場、複数の部門、複数の商品・・・・企業は様々な要素で構成されており、小さなことから、大きなことまで課題が数多くあります。その数多くある企業の課題の中で、どの課題が優先順位が高いのかを見極めて、正しい判断とアドバイスをしていくことがコンサルタントには必要な能力です。

コンサルタントの道は、とても厳しいものです。コンサルタントは知識を売るのではなく、「判断」でクライアントの悩みを解決します。すなわち絶えざる自己革新による深い洞察力と、豊かな経験と、鋭い感性が求められます。感性とは先見力、洞察力、行動力、独創力のスタートにもなるものです。
感性の鍛え方なども、また別の機会に書きたいと思います。

◆コンサルタントとしての仕事の手順

①コンサルタントの仕事のスタートは、クライアントの話を聞くこと。

まずは相手の悩み、課題を発見するために企業の状況を聞くことです。相手の状況を知らなくては、適切な判断ができません。自分の提案、自分のできることを伝える前に、相手の状況を聞くことを一番初めにしなくては、単なる独り相撲になってしまいます。

②現状を正しく分析する。総合的に課題を把握する。
話を聞いて、クライアントの状況が分かったとしても、すぐに課題を解決しようとしてはいけません。話を聞いていく中で、本当にその課題が今一番優先して解決すべき課題なのか・・・を考える必要があります。
企業の現状を総合的に把握し、いくつかの課題を羅列した後に、どの課題から解決しなくてはいけないかを決めていくのがコンサルタントの仕事です。

③課題の優先順位を付けたら、課題の根本原因を分析する。
解決すべき課題が決まった後は、なぜその問題が発生しているか、原因を分析します。
いわゆる、対処療法ではなく、対因療法をすることで、同じ課題が発生しないようにすることが大事です。また、中小企業・中堅企業の場合は、企業の本質的な課題を見つけ、それを解決すると、いくつかの課題が同時に解決されるケースが多くあります。
※多くの課題の原因が同じものである場合が多いということです。
例えば・・・「既存顧客からの安定した業績が作りだした、社員の受け身体質」ということが根本原因にある場合などは、これを解決するだけで多くのことが良い方向に進むことがあります。

④解決するための実行具体策を示し、解決した後の企業の状態をイメージさせる。

先述しましたが、最終的には企業の経営者、社員の方の行動が変わって初めて企業の結果が変わります。

状況を把握し、課題を整理し、要因を分析しても、解決策を実行してもらわなければ、コンサルタントとしての価値はありません。

その際に大事なのが、「経営者、社員が行動できるようになるまで、実行具体策を作り込むこと」と「実行することで、会社にどのような影響があるか、お客様へどのような影響があるか、そして社員(自分)にとってどのような影響があるかをイメージしてもらうこと」です。

自分達がどうなるかがイメージできなければ、やはり人は動かないものだと思います。

◆このように、今回はコンサルタントという仕事について書いていきましたが、今後このマガジンでは、コンサルタントという仕事をするためにポイントや考え方について書いてきますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。


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