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小説

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夢のような時間のこと。
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2023年9月の記事一覧

古本屋めぐり

 電車に40分ほど揺られて金沢に向かった。古本屋でも思い当たった次第。朽木は小雨の中歩き始めた。平日にもかかわらずそれなりに人がいた。人々はどこかに向かって歩いている。それぞれに目的地がある。同じ方向に人が向かう事もあれば、そうでない場合も多い。殊に現代はそうじゃないだろうかと朽木は思う。通りを見ながら朽木はそのようなことを考えていた。《俺が歩く道、いや俺の向かう先、同じルートで行く人はいるのか?

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