見出し画像

空き寺から世界へ。

元空き寺を、
20代の貴重な時間を捧げ、
「年齢、国籍、性別、関係なく共に遊び、共に学び、共に挑戦する」
場に改造する
女の話、聞いてくれますか?

遡ること、2022年。
生まれも育ちも北海道で、大学を機に初めて上京したが、
コロナを機に大学の授業がオンラインになり、
世界は20カ国以上、日本は北海道から九州まで旅をした私。

その中で、人も自然も食も、熱くカラッととしている高知県が気に入り、住んでみたいと思った。

でも、

急に行っても仕事がない。
宿だって高い。
車がないと不便。

初めて住む場所は、なかなかにリスクが高い。
特に大学を卒業したてホヤホヤの私には…。

そうならば、オンラインでリモートワークができる仕事を見つけ、なるべく安く住める場所を探し、移動はひとまず公共交通機関およびヒッチハイクを使えば、なんとかなるだろう。

と言うことで、リモートワークができるIT企業に就職し、ノマドワーカー(インターネットを活用し、旅をしながら好きな場所でお仕事をするテック社員)として、住み始めた。

はじめは空港から車で10分のところにある野菜倉庫で、高知県産の野菜と肉と魚と一緒に冷やされながら生活させていただくことに。
直前まで毎日エジプトのビーチでタオル一枚で寝ていた私は、ベットや布団は手元になく、手ぶらで倉庫に到着してしまった。

四万十鳥のダンボール

倉庫の中で、高知県産の野菜と肉、魚も、私も一緒に冷やされる。

ぶるるっ。

寒いと思って起きたら、午前2時だった。

ぶるるんっっ。

また起きたと思ったら、午前3時半だった。

「明日こそ、寝袋くらいは注文するぞ」
そう決めて、目を閉じた。

午前9時になるとパソコンを取り出して、オンラインで仕事を始める。

お腹が空いたら、ある日はカツオのたたき、ゆずの風味がする卵かけご飯。高知県産の野菜たっぷりのお鍋を食べた。

移動手段がないことに気づくと、壊れた自転車を発見。修理すれば使わせていただけることに。

「どうしても自転車が必要なのです。修理していただけませんか?

昨日の夜は、シャワーを浴びに行くのに、ジムまで40分ランニングしました。帰りもその調子でランニングしたら汗だくになってしまって、シャワーに入った意味はなくなってしまいました〜」

そんな笑い話を、自転車屋さんとケラケラ笑いながら話す。

「じゃあ明日か明後日までには治しとくき」

と言っていたはずなのに、その5時間後には、

「もう修理終わった。ワンコイン、500円でいいき」

えええ?

そして、気づいたらご近所さんから布団が、1ヶ月後にはベッドが提供された。

明らかに寒かった倉庫生活が温かくなっていく。

あたたかい人に恵まれた居候。本当に感謝感激です…!

まとめると、
寝床は、
高知県産の四万十鶏の段ボール(1日目)
→高知県民から提供された布団(3日目)
→高知県民から提供されたベッド(1ヶ月後)

移動手段は、ランニング→自転車へとグレードアップしていった。

そんなこんなで、
温かい高知の倉庫で、3ヶ月間平和に生活していたつもりだったのだが、肝心な会社員の業務が合わず、気づいたら鬱になっていた。

「ずっと眠り続けていたい。そしたら夢を見続けられるから。」

外資系大手IT企業に入社し、毎日同じルーティンと脳死の作業に退屈した私は、ひたすら眠り続けた。何もしたくない。人に会いたくない。否定的な意見が頭の中をくるくる巡る。ベットに寝たきりの私がオンラインのミーティングに参加し、パジャマと寝起き姿でそのまま顔出しをする。そんなことを繰り返していたら、上司に呼ばれ精神科に行くことを勧められた。
結果は、「鬱」。
自暴自棄に陥り続ける辛い症状はその後半年は続き、会社はあっという間に入社8ヶ月で退職してしまった。まともに働けたのはたったの3ヶ月。いや、正直働いたに入らない。新人研修の真っ只中で辞めてしまったのだから。親は私に、我慢することを勉強しなさいと言う。我慢するくらいだったら私は好きなことに注力したい。

「せっかく入社したのに辞めるなんて勿体無い。」
「お給料いいのに、なんで?」
「会社員を脳死で続けたら、だんだん慣れてきて楽になるよ」

色々な意見をもらって勿論聞いてみたいとも思ったが、心も身体もイマイチ言うことを聞いてくれないので、もう諦めることにした。

働きがいのある国内企業ランキング上位の会社に入って、こんなにも社会人がしんどいならば、人生終わったと思った。もう私に生きる道はないのではないか。

そして、家族にもあまり理解してもらえず、心配されてばかり。こんなのはもう嫌だと思った。

リモートワーク辞めたらどうなるの?
どうしよう。こんなに高知県好きなのに、どうしたら生きていけるのだ!!これは、もしや起業するしかないのでは…。

そうならば、高知県で求められている事業をするしかない!
高知県では何が求められているのか?

ふむ。正直、全然わからない!

ほぼ倉庫の中でリモートでお仕事をしていて、
移動手段も自転車しかなかったし、
お出かけをあまりできてなかったのだから、当たり前だ!

じゃあ、高知県で様々な場所を巡って、色々な人に十分なヒヤリングをするためには、移動手段と滞在できる宿が必要だ。

お世話になった倉庫を卒業することを決意。

高知の山奥にある大川村から、Ek sportという軽自動車を知人の伝手でいただくことに。

走行距離22万キロ越え

高速道路を乗った後は、エンジンオイルのところから、天ぷらを揚げた時のような”パチパチ”という音がする...

-3度の日もあった。高知って南国だと思っていた…。

が、車中泊生活に切り替えた。

贅沢は言っていられない。

一泊およそ5000円(須崎のお宿の相場は最低でも4500円)を払って宿に泊まるほどお金はない。

当時の私にとっては、車を入手しただけで感謝感激だった。

ダンボールを貼って、寒さを凌いだ。

地元民へのヒヤリングを通して、
高知県の雄大な自然と食を堪能しながら、様々な素敵な人々と出会い、心身ともに助けられ、3ヶ月かけて少しずつ元気になりつつある私。
この高知の感動を、もっとみんなに広めたい!

一方で、たくさんヒヤリングを重ねて気づいたこと。
高知県はどんどん人口が減り、元気を失っているとみんなが言う。いや、高知だけじゃない、日本の地方はどこもそうらしい。

暗い話ばっかりしても仕方ない。
じゃあ、日本が最先端の分野って、なんだろう?

日本は、少子高齢化が最先端の国。

だからこそ、その社会への解決に向けて努力をすれば、世界中に貢献する事業ができる。

ノマドとして旅をした背景から、ヨーロッパやアメリカ、中国も一極集中、過疎化、少子高齢化の問題があることを知った。

日本で最先端の事業をして、日本発少子高齢化社会解決の成功事例を作って、輸出をし、世界中で貢献できる人材になる!

そもそも、ノマドとは?

ノマドとは遊牧民という意味を持ち、
現代では特定の場所に縛られず、定期的に場所を変えながら生活をする人のこと。

コロナがきっかけで、インターネット一つでどこにでも働けるようになり、
世界中でノマドの生き方、働き方が注目されている。

私が考えるノマドの存在意義

  • クリエイティブ人材:
    世界中の多種多様な面白い文化/人を、持ち込む宝

  • デジタル人材:
    デジタル技術を活用して、地域の会社/産業に貢献する力

  • エンターテインメント人材:
    既存の価値観をワクワクぶち壊すクレイジーな人ばかり

と思っているから、それは地域活性にとって必要な存在。
個性を捨てるのではなく、生かす。

一度きりしかない人生だからこそ、ふらふらしているノマドこそ、

情報が錯乱する現代社会で輝く!

モラトリアムこそ、多動力の根源。

私たちは、このノマドの生き方がZ世代のライフスタイルの一つであり、
日本の未来の可能性であると信じている。

だから、

世界中からノマドワーカー/起業家を高知県に誘致したい!


そんな思いで、最初は収益化に関しては考えず、ひたすらできることから始めた。

最初に来たノマドワーカー/起業家は、なんと車に誘致

軽自動車で、3人で鮨詰めで寝ることに。

それは大変だったので、今度は5〜7人用のテントを購入し、テントにノマドワーカー/起業家を誘致することに。

張り切って7人を誘致したところ、実は軽自動車が4人乗りということに気づき、汗。

急遽助っ人を呼び、車2台で移動。

テントの貼り方を知らないので、地元の方々に教えていただきながら設置をし、
キャンプを始め、地元でお世話になった皆さんとノマド起業家たちで夜遅くまで地酒を飲み酌み交わした。

肝心の薪割りは、高知県須崎市の市長さんと協力して行った。

よくよく見ると、5~7人用のテントは、4人までしか快適に寝られないということに気づき、3人はテントの外で寝ないといけないことに。市長さんにも、安心して過ごせる場所を確保しなければと言われた。翌朝、ノマドワーカーからも全然寝れなかった、寒かったなどフィードバックをいただいた。私はその日も心地よく寝たんだけど、価値観は人それぞれなんだね。もうこうなった以上、地元民とタッグを組んでみんなで空き家を探す。なかなか理想通りの良い場所は見つからない。

そのまま、2ヶ月が経過した。

ある日、来てくれたお友達の中に、「お魚が大好き」とキラキラした顔で言う女の子がいたので、一緒に高知県須崎市の野見湾にあるカンパチの養殖業と釣りを体験することになった。他にも2名のノマドが一緒に来てくれた。

海の上で、はじめましての漁師さんと釣り竿をもちながら、今後目指している未来について語らい合う。君は何をしたいのと聞かれた。「空き家探し中です。世界中からノマドワーカーを誘致できる、大きくて海が見える、須崎/日本らしさ全開の空き家を探し中です!」「え、それなら、あそこの山の上に、でかい家見えない?」漁師さんが指を刺した先にあったのは、山の上にある大きな瓦屋根。

周りの家の5〜6倍のサイズ?
はあるように見えるが、気のせい?

船で一緒にその空き家目掛けて、波と風を切り開きながら、一気に突き進む。

陸にたどり着くと、みんなで一斉に駆け出し、坂を駆け上がる。

鍵がない扉を開けると、

信じられいないほど青く、暖かく、心地よかった。

扉を開けると、目の前に海が広がっていた。


元神社の空き家。

「やった〜〜!見つけた!ここに住もう!」

「わーい!やっと見つけたね。私たちのお家!」

「ふぉ〜〜」

「ここに住む〜〜」


みんなでハイタッチと歓声が沸き起こる。

本当にたまたま、その日は大家さんも近くにいて、その場に駆けつけてくれた。

「ここに住みたいです!お願いいたします!」

大家さんの回答は、既にイエスだった。

その次の日には、地元の大工さんと起業家の3名が心配して、空き寺が住む上で心配がないか確認に来てくれた。
「これは立派なもんだ」とお墨付きをいただいた。

その数日後、改めて大家さんの事務所に訪問し、空き家を使ったノマド誘致事業をやりたい!という思いをプレゼンテーションをした。

返ってきた言葉は、
「家賃ではなく、リノベーション費用をコツコツ貯めるようにしましょうね」

確実に、想いが伝わった。

船の上から、空き寺を見つけた時の光景。


年齢、肩書、国籍、性別関係なく共に学び、共に遊び、共に挑戦し生きていこう、という想いを胸に、

日本人としての誇りを持ちながら、地球上に価値を発揮できる人間になることを決意した。

2023年6月15日。
この空き寺を利活用し、世界中のノマドが泊まれるシェアハウスを始動した。

さらには、

この空き寺で法人登記して、起業。

ありがたいことに、地元メディアにも多数取り上げていただいた。

2023年6月。よさこいケーブルネット提供。
2023年9月。RKC高知放送提供。
2024年6月。よさこいケーブルネット提供。

とまり〜なの日常はどんな感じ?

単刀直入に言うと、

年齢、国籍、肩書き、関係なく、

須崎市で挑戦したい人々が、
安心して共に楽しく生活できる拠点、
さらに、
それが次の世代にしっかり受け継がれていくことを目標に自他共に楽しく活動している。

とまり〜なでできること

あるもの

  • 徒歩2分で、海と漁師町とプライベートビーチ

  • 穴と埃と虫だらけの元お寺(天理教)のリノベーション

  • 起業家たちとのリモートワーク

  • 地元の野菜、魚、肉、米、豊かな食事

  • アクティビティ: キャンプ、釣り、サウナ、温泉、サーフィン、ボルダリング、ハイキング、和紙、竹細工、DJ、VJ、アーティスト活動なんでもできる。

ないもの

  • コンビニ、便利な交通手段、ドンキホーテ

地元アーティストとコラボしたVJパーティー

気になる料金システム

滞在費/利用費:募金

食費 : 募金

車レンタル代:募金

→全額とまり〜なの修繕に当て、
次世代のために過ごしやすい拠点を創造し続ける。

募金制度の理由:
目に見えないありがとうの循環を大切にしたいから。

海を眺めながらノマドワーク。

ぶっちゃけ、元空き寺。

住み始めたばかりの時、虫がたくさんいた。

”むかで”がブレスレットのようにたくさん手すりに絡まっていた。

畳の上で寝ていると、ラブラブしている虫がいっぱいいた。

蛇もヤモリもハロ〜。

仏壇の下の扉を開けると、こうもり発見。

埃とアレルギーで咳くしゃみが止まらない。

家の中なのに、マスクをつけて生活する人も出てきた。

害虫被害で、全身ぶつぶつができた人も多数。

よく、虫に刺されて大変なことになる。

それでも、

起業家やノマドワーカーを、車やテントに誘致するわけにもいかないし、
屋根があって、お布団もあって、お風呂もあるところに、ちゃんと誘致したい。

私のように、須崎にせっかく来たのに、宿を長期で借りられず、車で生活する必要がある人を増やしたくない。

みんなが年齢、国籍、肩書き関係なく、快適に、
衣食住安心して、須崎の事業に没頭し、
挑戦できる場所を作りたい🥰

そんな想いで、諦めず、挑戦を続けている。

アメリカ、フランス、台湾、高知から集まったメンバーで議論

このお家は、誰か1人の所有物にはなるわけではなく、

今の世代と次の世代が高知に来た時に困らない拠点を、

時代と共にみんなで作り変化し続けるだけ。

そして、世界中のノマドを日本の田舎に集めることは、

前例も正解もない、

未知の事業だからこそ面白いです。

是非、一緒に0→1を作っていきませんか!?

と呼びかけ続けて、

2024年6月15日。

この元空き寺に住み始めて、はや1年以上が経ち、今まで100人以上の方が泊まりにきてくださいました。大感謝です。

国内だけでなく、フランス、アメリカ、インド、台湾、香港、など色々な国の方々にも楽しんでいただけて本当に嬉しいです。

これからも年齢、国籍、性別、肩書関係なく、共に遊び、共に学び、挑戦を続けます。

発展途中ですが、その段階を書籍化したいし、映画化したいなーと思って、最近は、毎日少しずつ文章を書いています。

応援よろしくお願いいたします。

#創作大賞2024 #エッセイ部門



私の夢である空き家活用×ノマド誘致事業のために使わせていただきます🌎🐞