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マヤカシの海。

一目惚れだったな。

湘南の海で、微笑みかけたの。

サーフボードを片手に、彼は誰よりも輝いてた。
背景にきらめく波よりも一層と強く。

思ってもみなかったな
微笑み返してくれるって。

2人で抜け出して見た、穏やかな夕方の瀬戸内海。
色々な青のグラデーションを作っていた波、覚えてる?

すっと落ち着いていて、静かに包み込まれるよう。

気付かないうちに、するすると流れていく時間。

ずっと続いたらいいのに。
遠くの方に船があって、一緒に冒険したいなって思う。
夕日が静かに沈んでも、
この世界が真っ暗になったとしても、

あなたがいたら私は怖くない。

きっと
帰りのどしゃぶり雨が、私たちを近づけたの。
お別れの車の中で唇を重ねた。

もう乱れてもいい。
泣いてもいい。
壊れてもいい。

どしゃぶりの雨に打たれ
濡れゆく私。

身体はいつも正直。

あなたにとって、ただのいい思い出になりたくない。
それならばいっそ消えてしまった方がいい。

ただでさえ、あなたを愛することが怖いと思っていたのに、

あなたも本気だって言ったでしょう。
私も本気になっていいんだって思った。

私の想いが強くなったら、あなたは距離を置いた。

私との思い出がただのうっすらとした記憶になるくらいなら、
抹消して。
高知空港に置いて行って。

身体はやけに正直。
もう一度唇を重ねたいと思う。

でも。

主張が見え隠れしている
あなたの抱擁なんて、
もう要らない。

一目惚れだったな。

太平洋に、ざぶん。

今日も、お天道様が私たちを見守ってくれているね。






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