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25歳旅人が、なぜ世界中の路上で歌い続けるのか。

世界中旅をしながら、多種多様な民族と、お互いの気持ちを重ね合って、一つの音楽を完成させることが大好きだ。

私はプロの歌手でも、作曲家でも、楽器を弾ける人でもない。

でも、証明したいんだ。

異なる価値観、異なる人生を歩んでいる人がクロスした時に、

信号がない交差点のように、

ときには激しい衝突事故が起きたり、
あるいは
交差点上で譲り合って笑顔をふりまきあいながら、

未知の領域へ共に冒険を始め、
何か新しいことや自分にしかできないことを
達成する喜びに満ち溢れるということを。

異文化交流とはそういうことで、
衝突や混乱という予想不可能なリスクで溢れている

一方で、

予想外の感動や歓びをみんなで掴み取ることもある。

私はエジプトのSINAI半島にいた。
砂漠と海に四方八方を囲まれた、ミュージシャンの聖地だ。
ろうそくの灯りを15人ほどで円になって囲みながら、お互いに演奏をし合う、特別な空間だった。

一人また一人と演奏をし終え、
私はあまりの美しさ、強さ、しなやかさに圧倒されていた。

すると突然、イスラエルから来たミュージシャンに聞かれた。

君は、なにか音楽をやっているの?

特に楽器を触ったりしたことはないよ。

じゃあ、歌ってみてよ。

私はプロじゃないから、歌えないよ。

大丈夫。君は、確実に美しい声を持っている。
声が武器になるよ。

いや、そんなことない。
私はあなたたちみたいに、プロのアーティストとして毎日訓練しているわけではないし、日本語の歌しか歌えないよ。

私たちが君の歌声を聴いてみたいって思っているんだ。
お願いだから、歌ってほしい。

そこまで願われるのなら…
自信があるわけではないけれども。

おそるおそる
大好きなMISIAの”逢いたくていま”を

歌いはじめた。

日本にいる家族と友達に逢いたいという気持ちで、この歌を選んだ。

もちろんプロではないのだから、たまに音も外すし、ブレスの方法も知っているわけではない。

でも、心だけは確かだ。
私には、なにか潜在的に伝えたいと思うことがある。

何なのかは形がはっきりしていないが、
24歳の日本人の女性なりに、
エジプトの地で、何か伝えたいことがあるのだ。


だから、心の底から湧き出てくる得体の知れない確かな想いを胸に込めて、
サビまで歌い上げた。

一瞬、沈黙が走る。

その僅かな沈黙をも破るように、
長い白い髭を生やしたバイオリンアーティストが、口を開いた。

歌というものは、自分の心から歌うものなんだよ。内からでるものなんだ。
それを改めて感じられる歌声だ。

すると次々に、予想しなかった声がミュージシャンたちの中からでてくる。

私たちは君が何のことを歌っているのかはわからない。でも、何か大切なことを伝えたいということがわかった。その想いが、言葉の壁を超えて、私たちの心にしんみり伝わるよ。

毎日歌ってほしい。僕とコラボしてほしい。

届いた。
確実に届いたんだ。
わたしの想いが。

歌を歌うことで、文化や言語の壁を超えて、
確実に混ざり合える。

嘘じゃない。
素人の私が言うのだから、本当だ。

それ以降、私は、

歌をいろんな人の前で歌うことが大好きになった。

この上なく。

知らない人と急遽ゲリラライブをしたり、
私が日本語の歌を歌って、それに合わせて即興で音楽をつけてもらったり。

音楽はもっと自由でいいんだ。

もっと自由に表現しようよ。

完璧を目指さなくていいんだ。

その時の気持ちを表現できればいいんだ!

アメリカのカリフォルニア州バークレーという街のバーで、Lady Gagaの Born this way を歌った。初対面のイギリス人が一緒にアコースティックギターを弾いて伴奏してくれた。

ニュージーランドのクイーンズタウンの路上で、
MISIAのEverything を歌い、コロンビア人が急遽カホンを叩いてくれた。

ニュージーランドのウェリントンでは、
ブラジル人のお家に招いてもらって、エチオピア人とシンガポール人と、その日聴いたばかりの曲に合わせて一緒に音楽を夜まで永遠に作り続けた。
そして、真夜中になると、
午前5時に乗る飛行機を待つべく、
午前2時に飛行場に行き、
駐車場でギターを片手に Lady Gaga & Bradley Cooper の Shallow を歌い続けた。

表現に正解なんてない。

確かなのは、音楽で世界が一つになれるということ。

これからも小さな経験を積み重ねて、証明していく。

そのために、私は一生歌い続ける。

声が枯れ、しわがれるまで。







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