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「花束みたいな恋をした」のオダギリジョーとか

先日、「花束みたいな恋をした」を観た。
脚本家の坂元裕二さんが好きでとても気になっていた。
カルテット、問題のあるレストラン、最高の離婚…
数々の坂元節の虜になった一人である。
虜というか、鑢で撫でられたような感覚が近いかも。
そんな感覚に虜になってたんだろうなぁ。
ということでまた鑢で撫でられてきました。

感想

良かった。シンプルに良かった。
号泣はしなかったけど、過去の痛みによって泣いたのを思い出した。
きっと誰もが経験したことのある痛みなのかなと。

私が一番「いってぇぇ〜〜」ってなったのは、オダギリジョーのシーン。
このちょっと大人の色気、余裕、彼氏にはない悪い感じ。
無い物ねだりなんだよなぁ。
あの頃の自分にも彼にもない、あの要素、雰囲気、経験値。
比べることじゃないとは思ってるけど、比べてしまう。
わからないけど、私はあのオダギリジョーの登場が結構な分かれ道じゃなかったのかなぁと。
オダギリジョーがいてもいなくても、結局別れを意識した時点で答えは決まってるわけなんだけど、加速させてしまった感あるよね。
でも、オダギリジョーのちょっとクズな役ってなんであんなに色気あるんだろう。
今回はあからさまにクズな役ではないんだけど、醸し出す元クズ感(現在進行形かも)が最高に良かった。
私の経験にもあんな場面あったなぁ〜と思い出して、まんまと鑢で撫でられました。強すぎず弱すぎずないい塩梅で。

きっとこの映画は、物語全て100%共感って人より、
どこかしらのシーンで誰かが過去を思い出す、古傷を痛ませる、曇りのち晴れみたいな映画だと思う。
降水確率は60%くらいなのかな〜(なかなか降りそう)。

他にも色々、「うぅっ」ってなるシーンはあったな。
スリーファイブオーエムエルとか、3カット1000円とか、30分歩いて帰るところとか、本屋のシーンとか、かさぶたの話とか。

あ、あと電車で帰ってる時のお揃いのタトゥーは入れたくないよねって話。
これってまだ映画の中で結構恋愛楽しい時期に、話すんだけど、とてもリアルだった。
いくらお互い好きでも漠然とした未来を考えたときに、一生を考えてはない感じ。お互い微妙な気持ちになるのわかってるのについ話しちゃう感じ。痛いし苦いし大人ぶってるしで、また鑢で撫でられた。

映画の公式サイトのコピーにもあった「最高の5年間」って言葉。
「最高」か。最も高い。これ以上はないのか。とか思うと、
自分自身の最高の恋はもう終わってしまったのかもしれない。
というどこか切ない気持ちになってちょっと落ち込んだけど。
最高を更新して行く気持ちでまた恋愛して悩んで傷ついてを繰り返していくんだよな。結構勇敢。

割と一人で語ったけど、誰かとこれを話してみたいなぁ。
いろんな人の古傷を知りたい。
あと、年代によっても感じ方変わりそうだし。
いい映画に巡り会えた。

ちなみに、私の前の席にいたカップル。
最初の他の映画の告知の時から肩枕してポップコーン食べながらいたけど、どういう会話しながら帰ったんだろう。無言で帰ってたけど。
エンドロールまで見ていこうな、今度から。


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