「持ち物」について
「貴方は自分の「持ち物」を数えたことが、ありますか?」
「自分のものをですか?」
「ええ、そうです。」
「言われてみたら、ない、ですね。さほど、持ち合わせているものが多いとも思えませんので。」
「そうでしょうとも。だから、声を掛けたのですよ。」
「と、おっしゃいますと?」
「持っているものって、意外とあるものなんですよ。貴方、数えてみなさいな。」
「へえ、わざわざですか。」
「あっははは。そう、わざわざ、です。だまされたと思ってやってみてください。」
「近いうちに、きっとそう