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他人の不倫を叩くのは、自分の正義に酔いたいから

有名人の不倫をネタにした報道が多すぎる。

生活困窮者への支援情報や、国会のあり方への疑義、国外の政治状況など、もっと伝えてほしい大事なニュースは、いっぱいあるのだけれど。

それにしても日本人は、異性関係の話題になると、驚くほど食いつきがいい。政治や経済の議論になるとだんまりを決め込む諸君も、芸能人や身近な人物の不倫というネタになると途端に饒舌になる。

バラエティやワイドショーで不倫がテーマに上がると、出演者たちはまるで何かの専門家のように持論を語り始める。「不倫は何があっても許せない」「既婚者だとわかっていて付き合うほうも悪い」などと繰り返す。潔癖なイメージは関係者や視聴者からの好感度を上げるらしい。

個人的な正義で他人を断罪する人々。

他人の人間関係を外野が無責任に叩き、必要以上に制裁を加える行為にもかかわらず、それこそ倫にもとる言動だとは言われない。

人間どうしの距離感なんてのは、恋人にせよ、友人にせよ、同僚にせよ、当事者にしかわからないのだ。客観的に仲が良さそうに見えても、実際にはそうでないこともある。その逆もある。その熱さや遠さ、深さや曲がり具合などは、当事者にしかわからないのだ。そんなこと、誰だって、自らの体験として知っているだろう。

当事者の人生に責任を持てるわけでもないくせに、ああだこうだと非難するのは図々しいにも程があると思う。






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