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コミュニケーションロボットのメーカー開発者がもらす高齢者のテクノロジー化における「落とし穴」

<この記事でわかること・得られること>
1.在宅高齢者にはコミュニケーションロボットが導入できない理由3つ
2.高齢者が取り入れるべきコミュニケーションツールは、テレビの延長線上がいい
3.〇〇があれば高齢者にテクノロジーを導入できる。

現在私は、介護保険外サービス専門の事業において年間500人以上の高齢者と5000件のサポートを対応しています。地域包括ケアとケアマネから問い合わせ月間平均300件。コミュニティビジネス講師、介護・福祉・地域づくり領域ついてビジネスや経営発想で開拓中という状況です。

コトのきっかけ<ゴミ捨て依頼をする高齢者の特徴>

ここ半年ほど、月に10〜20件程度ゴミ出しの依頼がきます。しかしながら、確かに、どれだけ介護保険外サービスなのに1時間1500円、破格の料金でも、5分で終わるゴミ捨てにその金額を出すのは・・・費用面でなかなかサービスが提供できません。

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そこで具体的にいま進めている方法は、宅配牛乳・新聞屋さん、自治会と連携で、1時間の間に近場エリアで10件程度まとめてゴミ捨ての依頼を受け付け、1件あたりのコストは300円程度でも合計するとそこそこの報酬になる設定。サービス自体は提供できる状況ですが、気になったのは、ゴミ捨てを依頼してくる利用者の客層、特徴です。

・お金にシビア
・在宅での生活を選んでいる
・近所にあまり友人がいない
・孤立、孤独の傾向

そしてもう一つ気になったのが、ゴミ捨てを依頼してくる人で

コミュニケーションロボットを持っている人が20人中4人もいた

ということ。


在宅高齢者にはコミュニケーションロボットが導入できない3つの理由

確かに、想像以上にゴミ捨てを依頼してくる方の中にコミュニケーションロボットを持っている人は多いようにみえましたが、やはり在宅の高齢者にはコミュニケーションロボットの導入は進まないと思います。

なぜなら、

理由①:リーチできない
理由②:ネット環境が整っていない、初期設定が想像以上にできない
理由③:メーカーはアフターフォローがない、コールセンターじゃダメ

そもそも、コミュニケーションがネイティブなロボットの価格はとんでもなく高いんですよね。コミュニケーションロボットのメーカー5社くらいに直接聞いてみましたが、会話の時間差を無くしたり、より動きにこだわった場合、1体50万や100万程度すぐに超えてしまいます。

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高齢者が取り入れるべきコミュニケーションツールは、"テレビの延長線上"がいい

周りとの関わりが薄れて、家に閉じこもりがちな高齢者にとって、なんらかの形での社会への参加、関わりは絶対必要

↑これは絶対間違いないと思います。

高齢者にとってコミュニケーションツール自体の必要性は、かつてないほど高まっていると思います。ですが、今の生活からできるだけ離れない方がいい、なぜなら高齢者にとって「順応」は、みなさんが思っている以上にハードルが高いんですよね。

バーチャルでもなく、親みを感じる形じゃなくてもいいから

「いままでの習慣の中で」
「簡単に使えるものがいい」
「TV的な感覚でみれて」
「ネットで外部と繋がっている形で十分」

イメージとしては・・・アマゾンのファイヤースティックにビデオ通話がついて、画面の中で他人と集まれる様になっていればOKです。

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2次元の中で、手元でリモコンで動かせて、テレビにカメラがついた程度のもで、つまり
=Zoom + Amazon Fire Stick
をイメージしています。


〇〇があれば高齢者にテクノロジーを導入できる。

そしてキーになるのが、直接使い方を教えてくれたり、わからないことがあったら使い方を教えにきてくれる「カスタマーサポーター」の存在です。

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テクノロジーはそもそも人間の生活を快適にするために発展してきたのに、テクノロジーに順応するために人間が苦労するのって本末転倒。

もっともっとテクノロジーを人間が使いやすい様に、人間側に寄せて行く必要があって、まさにそのアナログ的な補助の部分を担うのが「人の手」だと思います。

これはあるコミュニケーションロボットのメーカーの方が言っていたことですが、

高齢者が快適に暮らせるテクノロジーを開発してきたが、そのテクノロジーを使うためには結局「人の手」必要だった。

作り上げたものがどんなに素晴らしくても、実用化されるに至らなければこれほど残念なものはないですよね。まさに、コンコルドの失敗・・・

つまり、コンコルドの様な理想のサービスを実現するために、なくてはならないのが実は「人の手のサポート」というアナログそのものだと思います。そして、そのアナログ式が高齢者のテクノロジー化の鍵を握っているんじゃないでしょうか。


長々話してしまいましたが今日は、

1.在宅高齢者にはコミュニケーションロボットが導入できない理由3つ
2.高齢者が取り入れるべきコミュニケーションツールは、テレビの延長線上がい
3.〇〇があれば高齢者にテクノロジーを導入できる。

の3点について話してみました。

こんな記事も書いているのでぜひ読んでみてください!


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