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Slack整理の技法〜中華メニュー的Slackチャンネル整理とルール〜

こんにちは、ACESの久野(@nokuuun)です。新しく入ってきた方のオンボーディング時に、「Slackが綺麗ですね」と言われることがよくあります。

これまでさほど気にも留めていなかったのですが、日々のやりとりの多くをSlack上で行っていることを考えると、Slackが整っているかどうかは業務の効率性やモチベーションを左右しますし、オンボーディングのしやすさにも直結するように感じます。

そこで本記事では、昨年チャンネル整理を行った経験をもとに、Slack上でのコミュニケーションをより円滑にするための整理・運用のtipsについてお伝えします。

綺麗なチャンネルは構造的

冒頭で述べた「Slackが綺麗ですね」という文言。
なんだかポエティックな響きですが、ここでの「綺麗」とは「構造化されている」という一言に尽きます。

では、構造化されたSlackとはどのような状態を指すのでしょうか?

構造化とは、波頭亮さんの著書『思考・論理・分析』から引用させてもらうと「ある事象の構成要素と、それら構成要素間の位相(繋がり方/関係性)を明らかにする」ことと定義されます。(『思考・論理・分析』 p156 から引用)

つまり、「どういった個別要素に分解できて」「その個別要素がどういった関係性で組み合わさっているのか」が重要になっているのですが、Slackにおいては

・どのような塊(セクション/チャンネル)に分割出来るのか
・塊(セクション/チャンネル)はどういったグループ/個人で構成されているのか

を考えることが構造化の第一歩と言えるでしょう。

構造化のやり方

塊をつくる際は、まず大きな意味のまとまりをつくって細分化(階層化)していくのが王道です。
もともとACESでは{3桁の数字}_{チャンネル名} という形でチャンネルをつくっており、3桁の数字が大きな意味のまとまりを示していたのですが、なぜか百の位が0に統一されていて実質二桁になっていたのと、同じ番号の数字のチャンネルが複数存在していたため、まずはPrefixの定義から行いました。

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現在は、階層化が必要なチャンネルは以下のようにPrefixをつけており、百の位を一番大きな意味のまとまりにしています。

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その上で十の位→一の位と細分化していくのですが、一例として私が特に使うことが多いCorporateのチャンネルを一部お見せしましょう。

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↑のように、4xxはCorporate関連のチャンネルなのですが、十の位によってさらに枝分かれしており、さらに一の位も枝分かれします。

たとえば、
410_fulltime(正社員の勤怠管理)
411_parttime(インターンの勤怠管理)
412_holiday(休暇の管理)
のような要領です。

一方で、階層化が不要な場合もあります。同レイヤーの塊が並列でたくさんできていくイメージですが、そのような場合は数字で要素間の関係を把握する必要がなくなるため、数字のPrefixをつけていません。

たとえば

・times-{name}:個人の分報チャンネル
・club-xxx:クラブ(趣味)のチャンネル、テニス、サウナ、漫画etcetc
・project-xxx:クライアントさんとのプロジェクトチャンネル

などがそれに該当します。以上のような規則性を持つことで

・新しく入った人が組織の構造をキャッチアップしやすい
・新しくチャンネルをつくる際の命名を迷わない、間違えない
・不要なチャンネルが生成されない

といったメリットがありました。

塊はどういったグループ/個人で構成されるか

塊の整理と同様に大事なことは、各塊はどういったグループ/個人が属するべきかの定義です。ここを定義することで、private/publicチャンネルの線引きが明確になり、オープンかつ闊達な議論が生まれます。

私が入社した頃は、誰がどのチャンネルに入るのかの明確なルールがなく、またprivateなチャンネルを認知できない(見れないものは検索にもひっかからない)といった課題がありました。
そこで、社内のチャンネルを一覧化し、それぞれの雇用形態に応じて

◯ = マストで入る
△ = 基本的に入らないが職種によっては入る(個別に定義)
✕ = 基本的に入らない

を定義しました。
合わせて、各チャンネルの目的やpublic/private、デフォルトで入るチャンネルについても記載することで、存在しているチャンネルとその目的、自分が入るべきか否かが誰でもわかるようにしています。

privateチャンネルの存在は、一見するとオープンなコミュニケーションから遠ざかるように思われるかもかもしれません。しかし、チャンネルの目的と個々人の責任範囲が明確になってはじめて各々の心理的安全性を保ちセキュアな状態での自由な議論が成り立つように感じています。

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この一覧シートが社内で共有されているおかげで、

・新しく入った人でも各チャンネルの目的や使い方がわかる
・入るべき/入る必要のないチャンネルがわかる

といったメリットがありました。

スケーラビリティの保つための運用ルール

ここまででかなり綺麗になったかと思うのですが、常に変化が起こる中でも秩序を保ちながらスケールするための運用ルールについても記します。

ACESでは「Gemba first, verify quickly」というバリューがあるのですが、現場基点で素早く改善を進めるためには自立分散的にSlackが管理される必要があります。そこで、以下のようなルールで必要に応じて増減してもらっています。

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その他にも、

・コミュニケーションを行う上での基本原則
・timesの使い方
・DMの原則禁止
・社外の方との共有チャンネルの作り方

をはじめ、様々なルールがありますが長くなってきたので割愛します。

最後に〜中華料理のメニュー的構造化技法〜

Slackにせよドキュメントにせよ書類にせよ、この手の類のものは年を経るごとにサクラダファミリアのようになりどんどん整理の難易度が上がるので、人が増える前に早めに着手するのが吉です。

とはいえ、すでにある程度構築された何かを整理するのは結構頭を使います。(ここまで、簡単そうに書いてしまいましたが、実際私もうんうん唸りながら考えました)

そこで最後に、Slackに限らず構造化したり整理したりといった作業が発生した際に、よく私が思い浮かべるものについて共有させて下さい。

私、東海林さだおさんの本が大好きなのですが、東海林さんのとある本の一節(丸かじりシリーズの一つだったと思うのですが多すぎてタイトル特定できませんでした…)に、中華料理屋さんのメニューへの愛を語ったエッセイがあります。

「中華料理のメニューは物語があって読んでて楽しい」というような趣旨だったと思うのですが、確かに中華料理のメニューは美しいなと感じます。

あれだけ様々な種類があるにも関わらず、どの辺のページを開けばお目当てのメニューに行き着くかなんとなくわかります。
たとえ初めて行くお店でも、ゴマ団子(点心)を頼むときに初めのページを開くことはないし、中華クラゲ(前菜)を頼むときに後ろのページを開きません。
たぶんバンバンジーはチャーハンよりも前にあるし、杏仁豆腐はきっとエビチリより後ろです。

行き詰まったら、このメニューはどこにあるとわかりやすいかな?なんてことを考えながらやってみるとよいかもしれませんね。

皆様のお役に立てば幸いです。

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