見出し画像

📘️ Book Club:シニア・プロダクトデザイナーのマインド・セットとは?UXデザイナーの考え方のシフト

ジュニアからシニア・デザイナーへ

キャリアがジュニアからシニア・デザイナーに進化し移行するにつれて、さまざまなことに注意を払い、以前と考え方が変化します。キャリア開発は役職ではなく、考え方が変わることだと思います。

速く仕事をする代わりにタスクを減らす

まだプロダクト・デザイナーを始めたばかりの頃は、できるだけ早く物事を成し遂げようとしていたのを覚えています。

今では、私は問題を理解したり、問題を定義したり、それについて研究したりすることにもっと時間を費やし始めました。さまざまなことごとの決定を下す前に、さらに詳しく調べてます。

例えばアクセシビリティの適用や、使えるコンポーネントはないか?などなど…この作業によって、プロジェクト全体の時間を実際に節約できるようになりました。

全体像について考え始める

私がまだUIデザイナーだけを担当していた頃は、1つの小さなインタラクション・デザインや特定のビジュアル・デザインの問題に焦点を当てる傾向がありました。

たとえば、一つのUIコンポーネントをデザインするときに、その要素が他の場所で適用できるかをあまり考えることができませんでした。

このデザインは、別のコンテキストで機能するだろうか?

経験を積むにつれて、物事を全体的に見ることがより重要であることに気づきました。

  • この小さなコンポーネントはどのようにデザイン・システムに適合するだろうか?

  • このデザイン・パターンをアプリケーションの他の場所で再利用できるだろうか?

  • 異なるアプリケーション間で一貫性を保つことができるか?

チームを巻き込んでデザインをする

さまざまなプロジェクトに携わる上で、デザインに取り組んでいるのは私だけではなく、一緒に取り組んでいるチームだと気づきました。

そこで、デザイン・スプリントやブレーンストーミングのセッションを使用し、チームのパフォーマンスを向上させる方法についてもっと考え始めました。またチームのコラボレーションを絶えず改善するために、フィードバックを多くもらい、レトロスペクティブ・セッションを実行し、反省会を何回か実行しました。

💡レトロスペクティブとは、振り返ることです。 アジャイル・ソフトウェア開発プロセスでは、毎回の反復プロセスの最後に行われる振り返り活動のことをレトロスペクティブと呼びます。

コラボレーション

シニア・デザイナーとして、私は常にデザイナーチームの枠を超えたコラボレーションを改善することを考えています。私はデザインのフィードバックをエンジニアに先にしてもらうようにしています。そうするとそのデザインが実装可能か、または他にいい方法があるかなど、さまざまな感想がいただけることに気づきました。

エンジニアとデザイナーはパートナーシップのようなものであり、私たちは一緒に仕事を知っています。私たちは同じ目標に向かって取り組んでおり、優れたユーザー・エクスペリエンスを生み出しています。

カウンターパートと交渉できることも、シニアデザイナーにとって必要なソフトスキルです。

💡カウンターパートとは?共同作業などを行う際、現地での受入れを担当する人や機関を指して「カウンターパート」と言われることがあります。日本語では「受け入れ担当者」などと言い換えるのが分かりやすいかと思います。

エンジニアは、「ファンシー」機能を構築することを望んでいません。プロダクト・マネージャーは、プロジェクトを細かく管理し続けます。

デリバリーリードとエンジニアを説得するために、デザイナーは常にユーザーの観点から議論を提示します。ユーザーは人をつなぐ鍵です。私のデリバリーリードとエンジニアには、ユーザーの調査セッションを提示したり、アクセシビリティの視点からフィードバックしたり、デザイン思考ワークショップに参加してもらったり、調査レポートの共有したりしながら作業を進めています。

デザイン作業は全体の20%

プロダクト・デザイナーの役割が成熟するにつれて気が付いた大きな変化の1つは、クライアントとのミーティング、ユーザー・リサーチ、デモのプレゼン、ユーザビリティ・テスト、インタビューの視聴など、デザイン以外の仕事に時間を費やすことです。

他のチームとのクコラボレーションや、ワークショップで、デザインの意思決定に必要なすべての情報を収集するので、ザインの方向がはっきりとしているため制作時間は減り、リサーチや洞察に時間を使うことが増えました。

なぜ?のフィードバックが増える

シニア・プロダクトデザイナーの考え方を身に付け始めると、パディング、色、配置、およびすべてのインターフェイス関連をあまり重要視せず、デザインの根拠、またはソリューションを思いついた理由に焦点を当てることに気付くことがあります。

あなたの解決しようとしている問題は何ですか?
デザインが機能したかどうかをどうやって知ることができますか?
このような質問が増えてきます。

ビジネスと戦略について考える

UXデザインは、物事を美しくすることだけではありません。企業のビジネスでは、会社のビジネスモーダル、つまりどのようにお金を稼ぐかについても考える必要があります。

デザインはビジネス目標にも役立ちます。そこで、プロダクト・マネージャーに成功指標、KPI(Key Performance Indicator)重要業績評価指標を尋ね、これを使用して、デザインがどのようなビジネスに影響を与えたかを確認します。意思決定チェーンの最初にデザイン思考を導入できることは、UXがより大きな影響を生み出していることを示すもう1つの指標です。

デザイン・リーダーシップ

シニア・デザイナーとしてハードスキル、また同時にソフトスキルを築き上げていく必要があります。

  • 説得力:チームにミーティングに参加してもらい、プロセスなどを調整する

  • プロジェクト計画:やること、タスクを計画し、それを実践する

  • 管理:キャリアパスを計画し実行する

  • 影響力:会社でUXを広める

頻繁にレトロ・スペクティブをする

シニアデザイナーはUXプロセス、コミュニケーション、デザインソ・リューションについて積極的にレトロ・スペクティブをするように勧められています。

自分の失敗を認め、それから学び、自分の成功を認め、それを続けていくことの利点を理解しています。

このように、デザイナーの自己啓発を上手く繰り返していることを実感し、プロとしてのキャリアを本当に伸ばしていきます。

私も色々勉強中なので、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

[参考資料]


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?