📘️ Book Club ＃ブック・クラブ – AirbnbのDesignOps デザインを効果的に、大規模に管理する方法

DesignOpsとは?

👉 DesignOpsとは、「デザイン運用（Design Ops）」とは、組織としてデザインのクオリティを担保するプロセスを含めたインフラのことです。

海外ではGoogle、Netflix、Dropbox、Airbnbなど、 webサービスで新しい時代を切り拓いている企業が、デザイン経営の次のステップとして採用しています。

今、ビジネスにおいて「デザイン」の重要度が増しています。プロダクトなどの見た目をデザインする事から、 そのプロダクトの魅力をユーザーに伝える為のコミュニケーションのデザイン、 そしてビジネス全体にデザイン思考を活用する領域まで、今やデザインが企業の活動全体や イノベーションを支えているといってよいでしょう。デザイン経営を行なっているデザイン先進企業・組織では、 デザインの価値を最大化する手段として「Design Ops（operations）＝デザイン運用」 の取り組みが行われています。

DesignOpsは、以下のような課題に対する取り組みの総称になります：

→ デザインチームの成長と進化
→ 適切なスキルをもつ人材の発掘と採用
→ 効率的なワークフローの作成
→ デザインアウトプットの品質と影響の改善

DesignOpsの目標は、これらの課題に対するスケーラブルなソリューションを支援するプロセスと手段を確立して、デザイナーがデザインと調査に集中できるようにすることです。

今日は、AirbnbのDesignOpsデザインを効果的に、大規模に管理する方法という記事をまとめてみました。

DesignOps at AirbnbDesignOps at Airbnb

AirbnbのDesignOps

1. 効果的な設計を大規模に管理する方法

現代のプロダクト開発はとても難しいです。大規模に成功するデジタル・プロダクトを構築するために必要な役割と役職の多さは、驚くべきものです。反対に、これまで以上に明確な専門分野がありますが、これらの線はぼやけており、ほとんどは通常、これらの少なくとも2つにまたがって仕事をしています。エンジニアリングからプロダクト管理、リサーチ、コンテンツ戦略、および一連のデザイン専門分野に至るまで、非常に多くの分野にわたって毎日作業しています。スキルの継続的なスペクトルとして見られるように、今日の現代の組織で成功するには、誰もが複数のバンドにまたがって仕事をする必要があることは明らかです。

これが、プロダクト分野間だけでなく、ますます複雑化するプロダクト・デザインの世界間でも、コラボレーションを簡単にし、効果を高めるためにDesignOpsを作成した理由です。

2. 統合の重要性

この記事のライターのエイドリアンは15か月前にAirbnbに参加し、デザイン・オペレーションチームの創設を引き受けました。彼が入社して以来、複数の分野を持つデザイン・チームは3倍になりました。 DesignOpsチームを構築することにより、成長するチームのネットワーク全体および分野内での作業を合理化することができました。

出版、DTP、GISの初期のバックグラウンドで、彼はデジタルへの移行を受け入れました。純粋にデジタル・エージェンシーであるSideshowを共同設立した後、インタラクティブな開発者からUXデザイナー、プロダクト・リードまで、多くの役割を担いました。エンジニアやプロダクト・マネージャーの目を通して世界を見ることができることは、大規模な組織でそれらの分野を橋渡ししようとするときに貴重な洞察を提供するので、これは彼にとって役立ちました。

プロダクト・デザイン組織が小さかった頃は、デザイナーとエンジニアが協力し、誰もがお互いを知っていて、ほとんどの人は同じ階で働き、1日に数回ホールですれ違うといった感じで仕事ができていました。彼らは常に成長し、学ぶように駆り立てられました。変化は当たり前のことであり、彼らはプロダクト組織がそのような途方もない成長を経験している間に行う通常の困難のすべてに直面しました。

この段階では、個人の才能と、人々が小さなグループ間で簡単に情報を共有できるようにする関係に大きく依存していました。チームが成長し続けると、彼らは物事が突然難しくなる転換点に到達しました。チーム全員が同じフロアに収まることができなくなり、以前はペースを維持することができた緩い構造は、スケーリングするにつれて安定せず、新しい課題が発生しました。情報へのアクセス、デザイン標準、ワークストリームの衝突、品質の問題はすべて非常に現実的な問題になりました。

エイドリアンが最初にAirbnbに加わった時、彼らのデザイン言語システムは比較的新鮮でした。その目標は、プラットフォーム間でデザイン言語を統合し、デザインと開発のプロセスを加速しながら、デザイナーとエンジニアがより大きな全体の一部としてソリューションを構築できるようにすることでした。 DLSは現在確立されており、彼らの素晴らしいチームによって十分に文書化されています。

DesignOpsが誕生したのはその時です。

デザイナー、リサーチャー、コンテンツストラテジストの大部分が部門の枠を超えたチームに組み込まれると、運用上のギャップが生じました。高度に統合された効果的なデザイン組織の運営に専念するチームが必要でした。実行の速度と品質を向上させる一元化されたツール、システム、およびサービスを通じて、プロダクト組織全体に俊敏性を提供することです。彼らの機能には、デザイン・プログラム管理、デザインツール、ローカリゼーション、生産デザイン、チームコーディネーターが含まれます。マーケティング、プロダクト、デザイン、エンジニアリングと緊密に連携して、可能な限り最高のユーザーエクスペリエンスを作成します。

3. DesignOpsの定義

AirbnbのDesignOpsチームは、DevOpsの動きに大まかに触発されました。成熟したテクノロジー企業でさえエンジニアリングとデザインのギャップを見て、文化の転換、コラボレーション、自動化というDevOpsの概念は100％関連していると感じました。当時、さまざまな企業がこれのさまざまな側面に個別に取り組んでいました。

一部には新しいツールチームがあり、その他にはデザイン・プログラム・マネージャーがいて、多くはプロダクション・デザイン部門と翻訳チームを商品化していました。これらを補完的な機能の単一のチームに統合して、デザインの運用面を一元化し、他の人にも活用を提供するものはありませんでした。急成長している企業でペースを維持する必要がある高性能デザインチームを拡張して実行するために必要なことを検討するとき、このアプローチは非常に理にかなっています。

この新しいチームのビジョンが成熟するにつれて、いくつかの質問と課題が浮かび上がりました。私たちは自分自身に次のようなことを自問し始めました：

•DesignOpsの一部である必要がある分野の基準は何ですか？
•新しい役割をどのように識別して定義しますか？
例えば。デザインツール
•サイロでの作業を避け、デザインとエンジニアリングのパートナーの意見に耳を傾けるにはどうすればよいですか。
•この新しいチームとどのように交流し、意識を高め、相互作用を定義しますか？
•新しいプロセスとツールの教育と採用は難しいです。
•最も重要なことは、成功をどのように測定するかです。

彼らのデジタルプラットフォーム全体のユーザーエクスペリエンスに影響を与えるチームが含まれるようになると、新しい分野が追加され、新しいチームが作成されました。彼らが従ったガイドラインは、プロダクトの機能に直接対応していない運用に重点を置いたチームは、部門の枠を超えたプロダクトチームを拡大し、力を与えるという私たちの使命をサポートできるため、DesignOpsの有力な候補でした。

現在、DesignOpsは5つの異なるチームで構成されています。

1.デザイン・プログラム管理
運用戦略を推進し、全体的なデザイン・プロセスを所有および進化させます。

2.デザイン・ツール
デザイナーに力を与え、増幅し、分野を橋渡しするためのツールを構築します。

3.ローカリゼーション
Airbnbの言語が本当に国際的で根本的にローカルであることを確認します。

4.プロダクション・デザイン
デザインがプロダクトおよびマーケティング・イニシアチブ全体で最高品質で実行されることを保証します。

5.チーム・コーディネーター
チームの管理、リーダーシップ。

4. まとめ

もちろん、思ったほど簡単ではなく、すべてが完全に実行されているわけではありませんが、小さな効率が複合的に見られる限り、正しい方向に進んでいることがわかります。コアチームが設立され、目標が設定され、誰もが何に向かって取り組んでいるのかを知っている段階にあります。各チームとその相互作用について詳しく投稿し、コミュニティとして一緒に前進し続けることができることを願って、学習、ツール、リソースを共有します。

彼らは進化し続けるにつれて、プロセスとツールが背景に消えていく段階に到達することを望んでいます。情報を見つけやすく、人を見つけやすく、プロトタイプをすばやく作成して作業できる世界を作り出そうとしています。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にビジュアル・デザイナー、UXスペシャリストとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。