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大阪の未来を問う!“都構想”生討論 ABC『キャスト』文字おこし(9月28日放送)

 ABC『キャスト』にて、2020年9月28日に放送された「大阪の未来を問う!“都構想”生討論」で大阪市廃止=「大阪都」構想の住民投票に関して各党代表による討論が行なわれました。放送動画はこちら

 この討論で弁護士の三輪記子さんと松井一郎大阪市長の間で、次のようなやりとりがありました。

三輪 知事と仲の悪い区長がいるところにはお金がいかないとか、そういうことになりかねないような構造をつくるっていうこと自体が、その分配としては、分配する構造としては良くないんじゃないかなっていうふうに思います。

 これに対して、松井一郎大阪市長は次のように応じました。

松井 あの、いま説明聞かれてなかったんかなあと思います。いま、大阪市が実施している事業を決算で出てきた数字ですから。あの、その好き嫌いで、その金額が上がったり下がったりという話ではありません。

 この次のやりとりで三輪さんが発言しようとすると、松井市長は遮り、「それ分かってるんですか。今まで府市が対立してきた、大阪府民なんですか、市民なんですか」と発言。

 
三輪さんが「私は大阪府民ではありません…」と言うと、松井市長は「じゃあ分かってないじゃないですか」「そもそも大阪のこと分かってないのにね」「大阪のね、状況をご存知ない」と3回にわたり、「分かっていない」と発言を遮ったのです。

 これには司会者からも「市民の方の一部の人も排除しちゃうことになるので、あんまりそういう言い方はなさらない方が良いと思いますと松井市長を批判しました。

 以下、討論の全容をメモしました。

※司会の発言など一部省略しているところがあります。放送を聞きながらメモしたものですので、聞き取り間違いがある可能性があります。太字は「残そう、大阪」の側でつけたものです。

出演者
維新:松井一郎・大阪市長
公明:西崎照明・大阪市会議員団幹事長
自民:北野妙子・大阪市会議員団幹事長
共産:山中智子・大阪市会議員団団長

解説委員・木原善隆さん
国際ジャーナリスト・小西克哉さん
弁護士・三輪記子さん


司会 ではまずは、大阪市民を対象に都構想に反対か賛成か、この週末に行った最新の情勢調査、結果ご覧ください。こちらです。
 最新のもので言いますと、「大いに賛成」という方が27.9%。そして「どちらかというと賛成」が19.9%。これ足すと47.8%の方、半分近くが都構想、賛成です。
 一方、「強く反対する」という方が26.4%。「どちらかといえば反対」が10.4%。これも足すと、36.8%、3分の1強が反対。で、「どちらでもない」という方が15%いるということで、今の段階では賛成が多いということになりますね。
 松井さん、先週ですね、都構想否決されたら市長やめるという風に発言されました。この結果を見ると、自信があるからそうおっしゃったわけではないですか。

松井 いや、そうではありません。いや聞かれたから言ったんですよ。ええ。記者の方から、否決されたら責任取るんですかって聞かれたんで、それは責任はとらないかんでしょ。だから、これは都構想を僕はこの10年間ね、先頭で旗振ってきたわけだから、やはり間違ってたということになれば、政治家として、けじめは必要ということです。

木原 市長はね、その政治家としての覚悟を示されたんだと思うんですが、ただ5年前の失敗をなぜ同じことをなぜ繰り返すのか。5年前、同じように橋下市長も当時、負けたら辞めると言って辞めたわけですけれども、結果として、住民投票が橋下さんの信任投票になってしまったのは維新が反省した点だと思うんですけど。なぜまた同じことやるんですか。

松井 いやだから聞かれなかったらそういうことを自分からは言いませんよ。でも、皆さんが、特にABC木原さん的な、人たちがね、「松井どうするんだ」と。ねえ。そういう形で、「政治家としてけじめもつけないのか」ということ言われるからね。

司会 実際、木原さんが言ったわけではないですよ。

松井 木原さんが言ったわけじゃないけども、的な人。

司会 的な人。

松井 うん。そういう人たちが言うんで、木原さんタイプの人たちが。だからもうけじめはつけますよと、僕は。

木原 わかりました。何しろ中身で判断するのが重要ですよね。

松井 そうです。当たり前じゃないですか。

木原 はい、じゃあ中身の話。

司会 ではその住民サービスから今日まずいきたいんですが、こちらご覧ください。何が変わって何が変わらないのか見ていきましょう。まず変わるのは、四つの区になります。今は区長さんは私たち直接選びません。区議会議員はいません、選びません。けれども、今度は私たちは、都構想になったらば、四つの区の区長さんを選挙で選びます。また、議会ができるので、区議さんたちも選びます。
 そして、変わらないこと。~区役所っていま24区にありますけれども、その名前は変わりません。新しい区になっても阿倍野区役所という名前で、まあ、阿倍野区は無いんですけれども、阿倍野区役所という名前で住民サービスのうちの、窓口サービスなどは、まあ支所という形でしょうか、従来の区役所で行うことができる。
 で、どうなるのか。ここをね、皆さんで考えていきたいんですけど、今ある敬老パスや子ども医療費の助成、それから市民プールなどですね、これについては、特別区設置協定書のなかには、こういう住民サービスについて、「設置の際は維持する」という風に明確に書かれています。ただ、設置の日以後は「維持するように努める」とあるわけなんですよね。
 反対派であります、自民、共産の人たちは絶対維持できないという風にされてるんですが、山中さんにちょっと伺いたいんですね。反対派の立場から、なんで維持できないという風に思われるんですか。

山中 はい。これ、わざわざ大家族で暮らしているものを、四つに分けるわけですから、その分経費がかかります。でもこの制度は、「経費が増えてもその分はみませんよ」という制度ですので、収入は減るのに、コストは増えてしまいますから、結局、住民サービスに切り込まざるを得ません。
 私たちは、いま大阪市が独自でやっているもので副首都局が特別区の判断でやるって言ってるもの、子どもの医療費助成とか学校給食の無償化とか、そういうものは相当特別区で相談して、どれを切るかってことになるでしょうし、そういうものじゃなくても、教育とか子育てとか介護・医療などの非常にベーシックなものについても、ほかの市長村よりも一人当たり来てるお金が少なくなるわけですから、住民サービスは維持はできないという風に思います。

司会 財布の中身が減っていくんだから、当然できるわけないでしょうというふうにおっしゃるんですが、どうですか。

松井 財布の中身が減るという根拠を教えてもらいたいですね。僕は。

山中 ですから、国がこの自治体を運営するにはこれだけお金がいるって決めてお金をくれています。大阪市を四つに分ければ、当然よけいにお金がかかるんですけれども、この大阪市廃止・分割、大都市法っていうのは、お金は増やしませんよと。好きで割るんだから国は一切増えた分はみませんてことになってますから、経費が増えます、収入増えません。結局、お財布減ります。

木原 山中さんおっしゃってるのは、国からもらう交付税はおっしゃるように増えないんですが、ただたぶん、維新、賛成側がおっしゃりたいのは、その分は府から配るとおっしゃりたいんですね。

松井 これ財政シミュレーション計算してます。これが特別区になった時の財政シミュレーションです。マイナスにはなりません。今の大阪市の収入の範囲で。これがマイナスになれば、各サービスに影響起こします。当たり前です。そのプールだろうが、今の様々な子ども医療費助成だろうがね。財源があって初めてこれできてるわけです。特別区になった時に、財源はマイナスにはなりませんから、マイナスに。財源が確保できてますから、そのサービスは維持できるということなんです。

司会 これ実際に、特別区の財政シミュレーションがありまして、いま市長がおっしゃったのはこの黒字のところですよね。シミュレーションを行ったところ、ここがゼロのラインですけれども、ずっと一応黒字になってますよと。これが上がらない限りは市民サービスが切り捨てられるようなことはありませんというふうにおっしゃる。
 でこれ、一方で自民の試算では、そんなことないよと。ここだけちょっと黒になるけれどもあと全部赤やないかっていうふうなシミュレーションも自民は出してらっしゃいますよね。

北野 そうなんです。はい。大阪メトロの収支を非常に甘くみているということなんですね。今回、配当金もありませんでしたし、順調にインバウンドが成長していって、税収も配当も上がるであろうということ前提にしたのが自民(※維新の間違い)の試算ということなんですけど、もっと下に見る必要がありまして。

司会 えっと、維新の試算ですね。

北野 自民の試算が、ちょっとだけ黒になるけれども、そのあとは赤になるという試算。もっと私たちは、これ見ていただくと分かるんですけれども、もっと悪くなるというふうにみておりまして。

司会 あ、これよりもっと悪くなる。

北野 もっと悪くなります。というのが、今回のメトロさんが出された、この4、5、6ですね、第4四半期の決算におきますと、その62億の赤字だというふうに言われておりまして、それ39億になっていますけど。62億だというふうにいわれております。それをおりこんで横おきにしていきますと、私たちは完全に赤字であるというふうなことで、特別区は成り立ちません。財政的にやっていけないというふうな試算を出しておりまして、自民の試算はもっと下です。
 
司会 あ、自民の試算もっと下ですか。これじゃあ、これちょっとこれでも甘いよと。

北野 はい。メトロの業績によって決まってしまうということだけでなく。

木原 松井さんの反論の前に数字の説明だけしておきますと、この黒字の試算にはメトロからの配当などが今よりも70億くらい増えるというのが前提なんですね。

松井 うん。それメトロが言ってるからね。

北野 いや、メトロは知らいないっておっしゃってますよ。

木原 大甘ではないかと言ってるわけですが、いかがでしょう。

松井 これ2025年にね、メトロが、いまコロナの状況で全くお客さんがこないという、それはね、僕はありえないと思ってます。世界中がコロナに対応するために、今ワクチン発し、治療薬開発しているわけですから。それで世界からのお客さんも、このコロナが落ち着けば、今世界中のお客さん一番行きたいのは日本ですよ。そんな中で一番人気があるのも大阪です。伸び率ンバーワンですから。だから、この2025年以降ね、メトロの配当が全くないなんていうのは、これ恣意的な赤字計算でしょと。それやったらもっと昔にね、大失敗してきたじゃないですかと。

司会 あ、ちょっとその前にその話を聞きますね。コロナの影響っていうのは確かに、今年、来年ぐらいかもしれません。その後は克服するかもしれない。そのあたりはどう思われますか、北野さん。

北野 そうですね、やっぱりあの生活様式というものがコロナの影響によりまして、かなり変わってきております。当然のことながら回復はしていくでしょうけれども、完全にV字回復するのかといいますと、そうはならないと思うんですね。働き方が変わりますし、そもそもこの生活様式が変わっておりますので、V字回復はないと思っています。

司会 V字回復はないと思う。ただこれ、V字回復するのかしないのかというのは未来のことなので、ちょっとわからないところもあるけど、自民、共産の立場としてはもうV字回復はないってことで良いですか、山中さん。

山中 まあインバウンドだけじゃないですからね、メトロっていうのは。やっぱ働き方などが変わりますし、なによりもその一番甘いもので試算をして、やれる、やれるって言ってるのが、それが大問題だというふうに私たちは思っています。

司会 西崎さんはどう思われますか。

西崎 そもそもまず初めの質問なんですけれども、まあ住民サービスが。

司会 ちょっと、あれ戻しましょうか。住民サービス、はい。

西崎 まあ住民サービスを低下させないということなんですけどね、

司会 西崎さんも(フリップを)用意してらっしゃったんですか。

西崎 まあ初めの一枚だけですよ。公明党が今回の法定協議会に臨むにあたりまして、そもそもがこの四つの改善点を提案さしていただきました。その中の一番重要視しておりましたのがこの住民サービスを、まあ低下させないということなんです。でまあ、これは当然のことながら、この大都市制度を改革していくっていう中にあって、住民を置き去りにしてはならない。まして、住民目線で物事を考えていかなければならないということが、最大の根本やということを考えておりますので、その視点に立った場合、住民サービスは低下させないというような中から賛成したわけでございます。

木原 おっしゃるように公明党さんが要求したので、この「住民サービスを維持する」が入ったわけですが、公明党さん、ずっと維持しろといったんですが、さすがにそれは矛盾してしまうんですね。都構想は特別区によって変えれるっていうのが肝ですよね。なので、将来は維持に努めるということになったわけですが、なので、可能性としては良くなる可能性もあれば、悪くなる可能性もあると思うんですが、そこはいかがでしょう。

松井 それはでも特別区長が選挙で選ばれてるわけですから。選挙で公約で掲げて、選挙で選ばれるわけですよね。だから「維持する」という、そういう公約を掲げた区長を普通は皆さん選ぶでしょうね。これ選挙ですから。

司会 つまり、今回の都構想の肝の一つは、区によって特色あるサービスをつくることができるっていうのもあるわけですよね。

松井 そうです。僕は大阪市長になってね、大阪府域270万、各エリアによってすごく特色があります。もうその全くね、やっぱり高齢者の多いエリアもあるし、子育て世帯のエリア、多いエリアもあります。その区で一番身近なところで物事を決定していく。予算編成をしていく。これで一番ニアイズベターじゃないですか。

司会 山中さんどうですか。

山中 だから、それを身近なところで判断するのが、どれを削るかということを判断するしかないような財政状況、お財布の状況になるということです。でね、東京は特別区でも、すごくお金のある特別区はいろいろ独自のことはできますけれども、ほぼほぼ、ほんとに都からもらうお金でやってるところなんかは、去年・一昨年、私たち大阪市議会の財政総務委員会でうかがって聞きましたけれども、「特色のあることなんてできません」て。やっぱり、「もういっぱいいっぱいでやってますから無理です」っていうふうに言ってました。

松井 あのね、いま、ちょっと良い?

山中 大阪市の場合は、みんながそうなるわけですから、どれを削るかということになります。

松井 あのね、今いっぱいいっぱいで、山中さん、ちょっとルール守ってくださいよ。今いっぱいいっぱいでね、

司会 40秒くらいですけど、まだ。

松井 やってきてね、やってきたその一番の原因はね、これでしょと。自民党も共産党も何してたんですかと。この府市合わせて二重行政やって、大失敗やって、ビルだけで2000億ほど、赤字を当てて、だから、僕は、もうこの制度を変えようとしてるんです。

山中 市長、それ(に賛成した)自民党にいたんでしょ。私たち反対したじゃないですか。一緒にしないでくださいよ。

松井 だから、僕は反省してるからこの制度変えようとしてる。皆さん、反省しないんです。

司会 確かに、この府市合わせがあったのは事実ですよね。

松井 そう。

司会 反対した人も、賛成した人もいるのかもしれませんが。

松井 だから僕は反省してるからもう二度とこういうことをしないためにやってるんです。

司会 お金の話してから、もう一回、山中さんいっていいですか。

山中 はい。

司会 今の大阪市の税収、8500億円。これこのままだと、その後もずっとこれキープだというふうにちょっと仮定します。仮定します。そうなったときに都構想になったらどうなるのか、まずですねこの8500億円のうちの2900億円については、これちょっと配分が違いますけれども、それぞれの区が独自で取っていくわけですから、それぞれまあ差は出ますけれども2900億円は今までの大阪市の区が取っていくと。
 で一方で、5600億円に関しては、いったん大阪府に入ります。で、3600億円は、そこから特別区に分配されますが、これ、もし、それぞれの区長さんが「いや、うち少ないねん」ていうことになったら話し合いになりまして、知事さんと区長さんたちの5者で話し合いが行われます。
 あれ、残りの2000億は?といいますと、府のインフラ整備などに使われる。これ「府の」って書いてありますけれども、一応、旧大阪市の発展に寄与するといいますか、ということで良いですよね市長。

松井 これはね、大阪市内でいま大阪市が行っている広域のインフラ整備、大阪市がいま実施している事業、それを決算で毎年いくら使ったか、これはもう決算で出てきてますから、その数字を3年間平均をとった金額が大阪府にいくわけです。だから大阪府が、市が今やっている仕事を、大阪府が代わりにやるわけですから、それに対してのお金です。

三輪 すみません、上田さんいいですか?

司会 いま、三輪さんから質問です。

三輪 すいません、別室からすいません。あの今、構造としては、もしこの都構想が実現したら、この3600円を分配して、

司会 億円を。

三輪 はい。不服なら話し合いっていう構造になるっていうふうなお話があったと思うんですけれども、これその、大阪府がどんどん、どんどん成長していくならまだいいんですけれども、さっきもメトロの試算がどうなるかっていうのはすごく立場によって、すごくばらつきがありますよね。そうすると、少ないパイを奪い合うっていうような構造になるんじゃないかなっていうのがすごく心配なんです。

松井 あのね。

三輪 そうすると、知事と仲の悪い区長がいるところにはお金がいかないとか、そういうことになりかねないような構造をつくるっていうこと自体が、その分配としては、分配する構造としては良くないんじゃないかなっていうふうに思います。

司会 なるほど。となると、知事と同じ政党の人を選んだ方が得だよねとか、そういうことにならないかと。

三輪 そう。

松井 あの、いま説明聞かれてなかったんかなあと思います。いま、大阪市が実施している事業を決算で出てきた数字ですから。あの、その好き嫌いで、その金額が上がったり下がったりという話ではありません。

三輪 もちろん聞いてましたよ。

松井 ありません。ね。ちょっとちゃんと聞いてくださいよ。

三輪 聞いてます。

松井 それで、あと成長がね、えー、しなくなったらどうなんのと。我々は大阪をね、成長させない一番のこの原因は、府市の対立にあったんです。これが事実なんです。これまでの大阪の。

三輪 それは、それが事実かどうかは、

松井 それ分かってるんですか。今まで府市が対立してきた、大阪府民なんですか、市民なんですか。

三輪 私は大阪府民ではありませんし、大阪市、

松井 じゃあ分かってないじゃないですか。今まで対立してきたのが府市の対立、これが成長を阻害してきたんですよ。

三輪 松井さん、松井市長、

松井 これを成長させるために広域を一元化させようと言ってるんだから。そもそも大阪のこと分かってないのにね、

三輪 松井市長、私が大阪のことを、

松井 恣意的は発言やめてください。

三輪 いえいえ。

木原 松井さん、大阪府民以外の方も見てらっしゃるので、府民以外なら分からないっていうのは、ちょっと問題があると思います。

司会 そうそう。ちょっと。

松井 大阪のね、状況をご存知ないから言ってるんです。

三輪 いやいや、大阪にはこういう風に、

松井 大阪が成長してこなかったのが府市の対立ですから。

司会 それは、大阪市民の方でも知らない人はいるかもしれないので、

松井 うん、だから僕は伝えてるんです、それを。

司会 そうなっちゃうと市民の方の一部の人も排除しちゃうことになるので、あんまりそういう言い方はなさらない方が良いと思います。三輪さん大丈夫ですか。

三輪 あ、いやあの、私、聞いたうえでの質問ですし、そういう風に大阪の人じゃないと分からないっていうような、そういうふうな考え方で政治をやってらっしゃるっていうふうに聞こえましたけど良いですか。

松井 いや必死で大阪のことを考えてやってるんです、僕は。いま大阪市長として。

司会 ちょっとこのお金のことに関して。この不服なら話し合いをしていく。じゃあ北野さんどうですか。

北野 結局ね、今あの府と市が同じ方向を向いているから上手いこといっているとか、あるいはですね、これから市長を無くして知事が一本化されれば司令塔が一本化されてうまいこと行くんだという風におっしゃいますけれども、このお金の配分一つめぐっても、結局は話し合いをしないといけない。つまりね、制度的に担保するっていう風に、この都構想のことおっしゃるんですけれども、今度は知事さんと4区長さん、4特別区長さんが誕生するわけですから、その間の人間関係なんかこの制度では括っていませんよ。

司会 なるほど、今は知事さんと市長さんでうまく話し合えてると。

北野 つまりね、そうなんです、つまりね、その区長さんは口を挟むなというような体制であると、私は思います。

司会 松井さん。

松井 あのこれ比較優位の話でね、今は、

北野 何ごまかしてるんですか。

松井 僕と吉村知事で話し合いしてますよ。これ5年前思い出してもらいたいんですよ。自民党は、話し合いで二重行政解決できると。大阪会議というものを提案されたんですよ。我々は負けたから、その大阪会議をやろうよということを言ったんですよ。でもボイコットです。出てこないんで、会議は終わってしまいましたよ。ここに対しての説明、一切ないんですよ。北野先生、どうですかこれ。

北野 はい、答えます。

松井 だからこれきちっとね、やっぱり話し合いで解決ができなかったという事実をもって二度目に挑戦してるんです。

司会 はい、山中さん。

山中 あの大阪会議は、もう木原さんもよくご存知だと思いますけれども、もうなぜか突然、住民投票をもう一度やりたいと思い立って、潰すためにつくらせて潰しにかかったということで、そんな古いことをいつまでもね、おっしゃってるのはどうかなと。

松井 いや、古いことって事実を言ってるんです。

山中 それでね、それでね、話し合いのことなんですけど、だから一般の自治体だったら、もうルールに基づいて国からちゃんともらえているお金を、府と話し合って府からもらわないといけない、お小遣いのようにもらわないといけないという仕組みそのものが、もう半人前だというふうに思います。

司会 木原さん、今の山中さんのお話をちょっと解説していただいて良いですか?

木原 まあ要するにね、自分で集められるお金はこんだけになっちゃうわけですね。で、ちゃんとお金がもらえれば問題ないわけです。それで松井さんがおっしゃったように、これは仕事と同時に来るんだからね、ここについては問題ないと思うんですが、じゃあ本当に未来永劫にわたってきちんと配分されるのかっていうのはね、その担保はないと思うんですがいかがですか。

松井 これでも東京都のじゃあ特別区ね、自治体としてね23区あるんですけど、自治体として成り立ってませんかね。東京特別区は、それぞれの区長のもとで様々な独自の政策やってますよ。ええ。で、この東京都以上にね、このオープンな中で、あの特別会計の中で、このお金の管理をしますから。見える化をして。これは、大阪府に行く分を、今の仕事に見合して入ってきますんで。これはあの話し合いもスムーズに。

司会 東京だったらちゃんとできてるやないかと。

松井 できてます。

司会 北野さん。

北野 はい。あの東京は当然のことながら不交付団体です。地方交付税をもらわないでもやっていける自治体ですよね。

司会 つまり国からお金もらわなくても独自でやっていけてると。

北野 はい。ところが大阪府も大阪市も、交付団体であるのにもかかわらず、都構想ということでこういう風にお財布を一個にするということは、調整財源にその交付金を入れないといけないということなんですよ。ですから、その東京はやっていけるとしても、この2000億円のこの会計ですね、こちらの方は歳出の方です。歳出の方に関しましては、いわゆる特会、特別会計を組んできちんと予算決算組んでやっていくのかということをぜひ市長にお聞きしたいです。

松井 いや、予算決算組んでもちろんやっていきますよ。

北野 いや、それは勘違いですよ。

松井 当然の話じゃないですか。

北野 それは、それは歳入の方ですよ。歳出の方は、

松井 歳出も当然じゃないですか。決算というのは歳出ですよ。

北野 とんでもない。

松井 いや、そうじゃないですか。

北野 決算で、決算で3年間の、それを配っていって、78対22に分けるというのは、それはきちんと特会組んでやれるでしょうけれども、

松井 いやあの、もちろんやってきます。

北野 こちら2000億のことに関しては、それはそうじゃないと言っています。

司会 山中さん。

山中 東京はちゃんとやってるとおっしゃるけれども、東京の特別区長さんの多くが、やっぱりこの制度はどうやっても一人前の自治体にはなれないということで、もう特別区という制度を廃止したいというふうにおっしゃってるわけですよね。

司会 まあ再編したいという話が出ているのは確かですよね。

山中 そうです。だから、その一人前じゃないという仕組みをなぜ今さら大阪で真似をしないといけないか。しかもお金がないわけですから。東京よりももっと矛盾だらけになるというのは。

木原 西崎さんが首かしげていらっしゃいます。これどう思われますか。うまく機能すると。

西崎 あのー、やはりですね、こう、ちゃんと表に出て見える化させてですね、議論をするわけですし、まそこで当然、この区長、民から選ばれてくる区長ですのでね、ですから当然公約も掲げ、やってきますので、まあここに関してはちゃんと見える化で意見はやはり、ここの5人だけで決まるというふうなことではなくてですね、やはり住民の意見も反映されたわけですから。

司会 それぞれがちゃんと、市民、市民というか区民の信を得てきてる人じゃないかということですよね。ちょっと時間がなくなってきたんですけど、いまコロナ禍でやるのはどうなんだという話もありますので、そっちの話もしていっていいですか。
 えー、保健所の話できますかね、はい。コロナ禍で職員不足だと言われている保健所がどうなっていくのか。この話も私たちしなきゃいけません。現在は大阪市で1カ所です。医師や薬剤師、保健師など、いま335人いらっしゃいます。それが特別区だと4カ所に増えるんです。で、さらに今後、人員も増やす予定だということです。
 じゃあメリットはどういうところにあるのか。4つの区、それぞれにできますから、区ごとの感染状況に合わせて対応できるということになります。こっちの区はすごく感染者が多い、こっちの区は落ち着いてきた、そういう対応ができる。
 一方、デメリットは何なのか。いま、大阪市の感染症対策課は専門職25人で成り立っていまして、コロナ対策とはまた別個ですけれども、感染症の対策課、医師7人、薬剤師2人などで成り立っている、この25人の人たちはバラバラになります。四つの区で医師7人ですから、ひょっとしたら1人しかいらっしゃらないような区もできるかもしれない。
 松井さん、いかがですか。

松井 これはもう今、えー、この決定した、各特別区に保健所の行政をこの担える人員配置をその間に募集して人を増やすという、そういう計画を進めていってます。

司会 増やしていこうということです。北野さん。

北野 はい。あの、これまでの医療保健行政も見直していただきたいと思うんですけれども、大阪市はこれまでですね、こんな大事な医療保健体制、減じてきました。

司会 スミトモ市民病院ですね。

北野 いえいえ、住吉市民病院です。

司会 住吉市民病院です。ごめんなさい。

北野 これを考えますとね、やっぱり今、一つある大きなケーキを四分割するような、これをやっぱりやってしまうというのは、高度でかなり多岐にわたる専門職がたくさんいるわけですから、こういったものを四つ作ることが本当に良いのかどうかということを真剣に考えなくちゃいけない。なぜなら、コロナの感染症はですね、地域間格差ってないんですよ。地域差がほとんどない。そういうものを四つに分けて、まあ今一つでやってるからできることでも、四つに分けちゃったらできないこともいっぱいあるわけですよね。
 こうした医療保健体制のことを、しっかりとこれまでのことを反省しながら進めていくことがとても大事だという風に考えています。人材確保も無理ですよ。

松井 だから、北野先生も何もご存知ないんだなと。コロナは、地域間格差ありますよ。感染状況の。だから、僕たちは中央区、あのミナミエリアで、えー、の、エリアでのPCR検査の拡充をやり、あのエリアの感染拡大を抑え込むという体制をやってきたわけですから。ですから、その辺のね、やはり、ご存知がないのが僕は残念ですねえ。

司会 ごめんなさい、今ちょっとここで小西さんから質問です。小西さんお願いします。

小西 あ、松井さん、あの、伺いたいのはね、僕もあの大阪府民じゃないのでまた松井さんに怒られそうなんで、怒らないでくださいよ。

松井 いやいやすいません、ちょっと言い過ぎたかもしれませんね。

小西 あのね、えっと、日本記者クラブの会見聞きました。大阪府民やったら、まあ期待感と不安感と二つあるんですよね。

松井 はい。

小西 期待感はね、あの東京の政府から金を分捕る仕組みとしては、これは結構ええのかなと。で、やっぱり副都市と、副首都になるということ自体は、それはやっぱ期待感があると思うんですね。だからそれはいわゆるインフラの部分だと思うんですよ。道路どうするとかね。いわゆるそのモノに関しては金をかなり分捕れるんじゃないかなと思うんですが、心配なのは、やっぱりね人間なんですね。
 つまり、さっきの病院のお医者さんや看護師さん、それから僕もあの秋田の公立大学で働いてる者としてね、公立大学、これあの大阪も公立大学法人大阪というのをつくって、2割削減してますよね、教員とか先生を。これ削減するということは、つまりその本来の21世紀の大阪がですね、知的集約産業やる場合に、やっぱり非常にやっぱりマイナスになるんじゃないかなと。成長戦略があるんだったら、人員を削減する必要はないんじゃないかと思うんですけど、どうなんですか。

松井 あの、今この削減しているというか人を減らしてる部分というのは、例えば総務だとか庶務だとか会計だとか、そういう事務的に重なってるところです。両大学の事務の中で。ここは、ここは、

小西 いやでも教員も減らす、2割ぐらい減らすことになってます。

松井 いや、教員の皆さんは、いきなりこれ、先生もご存知のように、いきなりあの、ようはクビにはできませんからね。でこれは、

小西 そのうちクビになるんでしょ。

松井 いやいや、それは重なり合ってる、例えば、重なり合ってる学部の先生ですよね。重なり合っている。

小西 だけどグローバル化の中で大学大きくしていくということもおっしゃってたわけだから、それ力つけるためには大学教員は非常に大事な戦力ですよね。

松井 そうです。だから、重なってるところの学部については、そういう見直しもするけれども、新しくつくる学部もあるんです。そういうところには、やはり手厚く人員を配置していこうと。これ今もう大学法人の理事長中心にいま考えてくれてます。

小西 特別区が非常にやっぱり力をもって、僕まあ東京の世田谷なんだけど、世田谷独自にPCR検査もやったりするという、そういう独自なことをね、大阪の特別区ができるんだったらいいんだけど、そのためにはやっぱりねマンパワーが必要だと思うんですね。減らして新自由主義的なことをやるんだったら意味がないと思うんですよ。

松井 いや、これはね、減らすだけじゃないんです。拡充するためにもやってるわけです。そういう、拡充するためには、まず成長する大都市でないと拡充できませんから。

司会 成長すればこの拡充もできると、山中さん、市長はおっしゃってますが。

山中 あの保健所について言いますとね、少々の増員なんですよ。今度の制度設計で言っても。それで、まさに専門性が確保できるのかと。それから最初に申し上げましたように、保健所四つ分のお金が来ませんからね。今まで通りの計算でしか来ないので、増やしたところで人材とか財源が続くのかっていう点でいえば、やっぱり続かなくなって、命そのもののリスクが増えてしまうのではないかっていう風に思います。
 今でも大阪市の保健師さんて少ないんですよね。だからやっぱり増やしながら、人口で言うと30万に一カ所というのが国の方向なので、大阪市保健所として体制増やしながら保健所の箇所数を増やしていくっていうのが私たちは一番だと思ってます。

司会 それ、市だったら増えるんですか。

山中 だって特別区になって増やせるんだったらいま市のままで、一つずつ増やしていけば良いと思いますよ。で、市全体であれば、別にバラバラにはならないわけですから、専門性は。はい、大丈夫だと思います。

松井 これね、あの、山中先生も長く市議会やられてるんだから、大阪市の歴史ご存知だと思いますけど、今なぜ専門職が少ないかと。大阪市がほんとに二重行政の無駄なお金の使い方して、お金なかったんですよ、財源が。それで、そのある一定期間、ある一定期間専門職を採用止めたんです。ご存知ですか。

山中 それでね、

松井 それはお金がなかったからです。

山中 いま、その借金返しなんかがやっと一息ついて、

松井 それ返してきたの我々じゃないですか。

山中 違いますよ。それはずっと返してきましたよ。そんなん急に返せるわけじゃありませんからね。

松井 だから、今のね、保健所の体制をね、

山中 もう無駄なことをしなければホッと一息つくわけですから、

松井 いや、強化するにもこれ財源が必要になるんです。

山中 この力でこれから増やしていくっていうことですよ。

松井 これからずっと増やしていきますよ。今その準備もしてます。いま大阪市としても、やっぱ保健所体制は強化していこうという方向で今専門職を募集してます。

司会 西崎さん、これについてどう。

西崎 これあの議会でも市長に対してね、質問さしていただいて、まあ各特別区に一カ所つくってくと。ここでやはり先ほども出ておりましたけれども、やっぱり人材なんですね。人材。人材がやはりどうしても必要になってきますので、そこのところはこれからまあ4年半かけてですね、育成していく。はい。

司会 北野さん、人員の確保についてはどう思われますか。

北野 ちょうどいい資料を用意しました。実はこれ公文書でありまして、平成30年に出された、人事室意見というものがあります。これによりますとね、特別区になってしまったら職員が全く足りないというふうな試算が出ております。これ公文書です。はい。行政文書として出ているものでございますけれども、

司会 足りなくなるよと。

北野 足りなくなるよと。で、それはどういうレベルかというと、住民サービスが低下するレベルですというふうにおっしゃってるんですね。なぜかというと、ご存知だと思いますけど中核市の奈良市とか、そういう平均をとってこの職員数を割り出してるからなんですね。中核市並みのことをやるから、中核市平均をとって職員数を割り出していると。積み上げで割り出してきた職員数でないということなんですね。

司会 市長、これどうですか。

松井 あの、中核市はその職員数でやりくりを今してるわけです。特別区なるのは2025年ですから、2025年までに、いま、今のサービスを提供できる特別区の職員数にもうすると。これは法定協議会でも公明党さんの指摘も受けて、その計画をきちっとつくっております。だから、そのことをもって今のサービスが低下するにはならない。

司会 ちょっとね、首振ってる山中さんにもお話うかがいたい。やっぱりこれ時間が、全員しゃべり足りないまま終わっちゃいましたね。

木原 あともう来月12日告示ですけど、今のコロナの状況だったら住民投票やるんですね。

松井 やります。はい。

司会 もう一回来てもらって良いですか。

松井 いやもちろん。やらしてください。

司会 もう一回ちょっとお話聞きたいです。すいません。今日は本当にどうも皆さん忙しいなかありがとうございました。

〔文責:残そう、大阪〕
※記事中画像は、番組画面より。

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