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悩み多き12歳を生きるみなさんへ

思春期には悩みが多くなります。「生まれて初めてこんなにも悩んでいる。」という人も少なくないかもしれません。

そのような時期の子どもたちに向けてメッセージ(学級通信)を贈ったことがあります。

今回はその全文を載せたいと思います。

「悩み多き12歳を生きるみなさんへ」

今のみなさんの心は、とても複雑で、悩みがとても多くなります。なぜなら、大人になるにつれて、「あなたらしさ」がはっきりと表れてくることで、ほかの人との違いを意識しやすくなるからです。

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男・女、髪が長い・短い、優しい、おっちょこちょい、はずかしがりや、赤色が好き、やんちゃ、元気がいい、度胸があるなど、1000人いれば1000通りの「らしさ」があります。

ひとと比べてしまう気持ちは私にもあります。
「あの先生がこんなに面白い授業ができるのに、私にはなぜできないのだろう。」
「この人はこんなにも努力しているのに、私はサボってばっかりだ。」

ですが、よく考えてください。「あなた」はかけがえのない「唯一のあなた」であり、ほかの何者でもないのです。ほかの誰かみたいになろうと思わなくてもいいのです。

あこがれて他の誰かのようになりたいと思い、目指すことはいいことだと思います。例えばファッション雑誌のモデルは、読者のあこがれの存在ですよね。プロのスポーツ選手にあこがれを抱いている人も多いと思います。私にもあこがれの先生がいます。

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一方で、「今の私ではだめだ。」「みんなのようにできなければだめだ。」「これができてないなんて、みんなに笑われる。」「だからみんなみたいにならなければならない。」という考え方は、あなたの心を締め付けます。

「みんなが○○だから・・・」「みんな○○できているから・・・」という考え方から、「私は○○ができるようになりたいから・・・」「私は○○みたいになりたいから・・・」という考え方にチェンジしてみてください。考え方の出発点は、あなたのこころの中です。
それでもまだ人と比べてしまうという人は、「普通」の意味を考えてみてください。「普通のレベルまでできないとだめだ。」「普通このぐらいできるでしょ?」「普通にやったらできるよ!」など、日常の中に普通という言葉はあふれています。では、その普通って何ですか?
誰が決めたものですか?
家では靴を脱ぐことが普通ですか?
外国では靴のまま家に入る国もありますよ
字を書いたり読んだりできることは普通ですか?
世界には読み書き計算ができない大人もたくさんいますよ
子どもが学校で勉強できることは普通ですか?
毎日の食費を稼ぐために働いている子どもたちもいますよ

断言します。あなたが思っている普通は、しょせん「まわりの数人」の普通です。まわりの数人の髪の毛が黒色なら、「髪の毛は黒」というのが普通だと思ってしまいます。ですが、髪の毛の色なんて人によって様々です。

学校や教室という狭い世界の「普通」に惑わされないでください。縛られないでください。あなたが思うよりも世界は広くて優しいです。悩んだ時は、あなたが考える「普通」を一度疑ってみてください。

そして何よりも、誰かに相談してください。相談するということは、あなたが感じている狭い世界の「普通」を広げるということです。大人はみなさんよりも広い世界を知っていることが多いですが、仲のいい友達に相談してもいいと思います。その友達は、絶対にあなたと異なる「普通」を持っています。

最後に、私の好きなスヌーピーの言葉を紹介して終わります。
They say the best way is just to live one day at a time..
(最善の生き方はただ一度に1日ずつ生きること…)

ご意見があれば、いつでもご連絡ください。
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