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2021年間ベストアルバム

音楽好きのみなさんこんばんは、こんにちは、おはようございます。激動の時代を生き抜きながら今日このブログにたどり着いてくれた方々にまず感謝を伝えます。ありがとう。

今年を振り返ると本当に色んなことがありまして…いつまでも我慢しなきゃいけないこともあるし、出来るようになったこともたくもんあるし。月並みなことですが、そういった中で音楽や人との繋がりをより一層強く感じました。

「見えない未来なんかに負けないぞ!俺たちが未来そのものなんだよ!」って叫んでる音楽がたくさんあって、そこからどれだけ沢山のものを受け取ったかわかりません。特にSixTONESやDIALOGUE+のような新しい希望を見つけられたのはラッキーだったし…ずっと昔から音楽活動を続けてる人がちゃんと良い音と言葉を届けてくれたことも本当に嬉しいです。ありがとうございます。

などと考えながら、とりあえず本題に入る前に今心のうちにある一曲を紹介させてください。

残酷に過ぎる時間の中で
きっと十分に僕も大人になったんだ
悲しくはない 切なさもない
ただこうして繰り返されてきたことが
そうこうして繰り返していくことが
嬉しい 愛しい
(HERO/Mr.Children)

言うて昔の曲なんだけど、最近思うのはそんなことで…日々が続いていくことがなんだか嬉しくて。その先で君に「また会おうね」って言えるのが俺は好きなんです。そして色んな時間軸を辿りながら、これからも色んな音楽を聴きたいなあと改めて思いました。

音楽ってやっぱり調和だと思うんです。相互理解でも良いんだけど調和だよなって。俺と君はひとつになれると思うし、同じ音楽が好きなら友達になれるよなって…海賊漫画の主人公くらい単純な思考で生きてます。最近Twitter見てるとたまに悲しくて。みんながバラバラになりそうな空気に満ちていて…好きなものしか追えず(俺は浮気者なので素敵だし尊敬してます)、いやむしろ好きなものすら「好きだ」と言うのが難しい時代ですが。僕は音楽に夢を未だに見てしまう馬鹿野郎なんです。音楽にだけできることがあるって信じたい。

そんなわけで前説長すぎるので「今年聞いた中でいいアルバム10枚挙げてくよ!」ってやつをね、毎年やってる企画ですが始めようと思います。あなたの何かの力になれば幸いです。

⑩CHAI/WINK

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ガールズバンドにルックスが求められる傾向は、残酷だが暗黙の了解のように昔から存在する。キュートに媚びないといけない。それは様々な価値観を許容し自由を謳歌する2021年においても未だ存在する事実だと僕は思う。そう言った状況を逆手に取りながら好きな音楽を貫く4人がいる。彼女たちの“カワイイ”は誰かへのサービスではなく、自分たちが生きる上で貫きたい“カワイイ”なのだ。

国内の評価で語るよりかは全米ツアーなどを成功させながら勝ち取った実績に目を向ける方が明白だろう。レジェンドへの敬意を忘れずに海外音楽シーンをコラージュした上で鳴らされる音は他のバンドでは替えが効かない…的な話は難しい話ができる人に任せます。

とにかく最高にゆるくでグルーヴィンなくせにキメる所でキメながらピンクカラーで統一されたリズムが最高に心地よくて。何度も何度も通して聴いてきた。多分同じような音楽日本でしてる人いないでしょ…ZAZEN BOYSのような独特のリズム感、しかしながら日本語の良さを殺さない歌詞も好きだ。音楽は顔で聞くものではない。ルックスも全て含めて抱えてきたものと向き合いながら鳴らされるもの、それを全身で表現できるアーティストこそが音楽の化身なのである。フジロック配信も最高でしたありがとう(後俺は映像で見て結構かわいいじゃん…と思いました)

⑨ENDRECHERI/GO TO FUNK

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好きなことを貫くってすごく難しいよなと年々思う。ジャニーズというポジションにあくまで立ちながら、しかも自分のパーソナルなハンディキャップと向き合いながらこんなにも刺激的で豊かな音楽を奏でる存在に彼が成長したことは本当にサブライジングで喜ばしい事実である(サブスクちゃんとあります!)。敬愛するMr.Childrenにインスピレーションを受けながら拙いソロ活動を始めた頃から見てきたがここまで進化するとは思わなかった。

今やサマソニ出演を夢ではなく現実に変え、ファンク愛好家の胸を撃ち抜く音楽家=堂本剛の最新作である。卓越されたセンスとリズム感、コネがあったとしても簡単には呼べないであろうミュージシャンたちを招いて奏でられる音楽は幸せの境地である。彼のセンスこそが人を引き寄せるのだと思う。

今作においては、アルバム前半はあくまで聴きやすいメロディラインに徹した印象が強く間口は広く設けている。ソロ活動初期を彷彿とさせるようなグッドメロディも飛び出す。後半、そこから彼や音楽の核にダイブするような流れも見事。音楽はどこまでも自由で美しく強い。そんな証明のような一枚を大衆レベルでついに100%果汁のファンクとして作り上げた堂本剛を僕は敬愛したい。どうか全てを取っ払って正当な評価を望む。

⑧豊崎愛生/caravan!

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「それでもさ願ってしまうんだよ」と言う歌い出しが柔らかなホーンに乗りながら聞こえてきた。泣く。田淵智也×ミト(クラムボン )×豊崎愛生が作り上げる音が優しく染み渡る。

「あいつに会いたいな」と思った。様々な我慢が当たり前になってしまい、それを繰り返した先に“あの日の当たり前”を手にすると決めたはずなのにそれでも願ってしまうのが本音であった。そんな気持ちをあと1段階上向きにさせてくれる音楽が並ぶ。完璧な3曲の後に聞こえてくる都会的キュン死ポップス『cheers!』も素敵だが、遊牧民のように気ままな旅の果てに見知らぬ大地を目指す『ランドネ』を聴くとどこへでも行ける気になってくる。日曜の朝に聞いて全部を始めたくなる。

話は変わるが2021年は「どこまでやれるのか?」、「そこにトライできるか?」が全てだったと思う。つまりこれまでの常識とは何かを問う場面がたくさんあった。そこにダイレクトに疑問符を投げかける『ライフコレオグラファー』を聞いた時、このアルバムの核が見えた気がした。

前例無い事NGです
余計な事しちゃダメなんです
成功者の後ついてけば良いんです
そのままコピって踊れって
言う事聞いてりゃ良いんだって
なんか世の中世知辛いわ

僕らは今一度自由に生きながら踊らなくてはいけない。ラスト、それらを反映したセカオワ某曲の意思をまっすぐに受け継ぐようなEDMが最高のフィナーレを飾る。音楽と生活、何度でもループする習慣にハニーのような甘さが欲しくなる時に僕はまたこの作品に手を伸ばすだろう。

⑦ゴスペラーズ/アカペラ2

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ゴスペラーズのことをね、めちゃくちゃ評価してるんですよね。誰も語らないJ-POPみたいな枠で少し寂しいんですが。特に今回は1枚聴き終わった後に「やりやがったなあおい!!」…と言う達成感がすごかった。簡単に人と会えない期間がしばらく続き、今もなかなか難しい場面もある。だけどそうして集まった人の声だけでほぼ作られた音楽がこの心にありえなくらい響くのが嬉しかった。強い。声が強い音楽っていいよね。

かっこいいおじさんたちなんですよね。僕は酒井雄二さんの歌声(一番右の人)が本当に本当に好きです。

じっくり聞かせるバラードやミディアムチューンで固めながら、メロディが立っててアップテンポなもの、声の殴り合いのようなバトルを思わせる曲もある。それに飽き足らず最終曲ではメンバーへの想いを打ち明けながらクスリと笑わせてくれる。アカペラって、声ってこんなにすごいのか…と聞いた者を唸らせる技術と音楽を楽しむ心がやっぱり彼らには人一倍あると思う。

また本作では、アカペラクリエイターとして注目のとおるすや、新世代のアカペラグループ・Nagie Laneのメンバー松原ヒロ、シンガーソングライターとして活躍する傍ら海外の人気アーティストへの楽曲提供も行っているMayu Wakisakaなどとコラボしながら文化の発展と継承及び新規開拓を目指す姿も確認することができる。生きる伝説、さすがの傑作でした。

⑥坂本真綾/Duets

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一般層は声優と歌手を両立してる代表として水樹奈々さんを想像すると思うが、実はもう1人別ベクトルの天才がいることを知らない。坂本真綾さんである(両者とも尊敬しております)。デビュー25周年を記念してリリースされた初のデュエットアルバムが素晴らしいのである。

声優という仕事がカバーできる範囲、その可能性を証明したアルバムとして高く評価したい。コラボやfeatではなく、まるで肩を組むように坂本真綾と言う天才シンガーと主役7人+αがジャンルを飛び越えて共存している。まるで音楽や現代の多様性そのものを表現するように豊かに響く。デビュー以降全く色褪せない美声に何度も驚かされるが、それが様々な化学反応を起こしていく様を堪能できる35分の幸せがここにはある。

世間は声優が音楽を選択する事は暇潰しくらいに思ってそうだけど、本作を聞くと声優だからこその幅広さに気づく。土岐麻子さん(ガールズトークみたいな掛け合いたまんねえ!)もバンアパもいるし堂島さんはキンキなどにも提供してるし、元school food punishmentの内村友美さんもいるし、和田弘樹さんもいるし(久々の歌唱とは思えないほど美声!)、ミュージカルの関係で井上芳雄さんもいるし、ラブコールが叶って小泉今日子さんもいる。普通にすごい。すごすぎる。マジで多くの人に届いて欲しい。

⑤平井大/Life goes on

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サーフミュージックはおそらく“オタク”から最も遠い音楽な気がした。サーフィンをやってる知り合いなどいないから当然な気もする。しかし何故か彼の歌はまっすぐ届く。2021年にもなって…ある限定的な文化の住人だと自分のことを決めつけて、新しい音楽へ向かう気持ちを奪われるのはごめんだ。

ある意味では馴染み良いK-POPのように、またある時は着うたでミリオンDLされた時のような懐かしさを含み、またある時はキャンプ場で自然と溶け合うためのBGMとして響く。それはサーフミュージックを現代解釈、拡大解釈した上で僕のような人間にも届けてくれた懐の深さがあったからである。抱きしめられる。焚き火を見ながら彼の音楽を聴く時、僕は全てから解放される。海を愛した彼の歌が地平線と空に繋がり、山を越え、街を闊歩しながら沢山の人に届いていく。生きとし生ける物全てに根付くような音楽が聞こえてくる。

そんな彼の名曲が並ぶ最新アルバムはジュークボックス、あるいはサブスク的に単純に良い曲が並んだ楽曲集だと捉えてもらって問題ない。この懐の深さこそが音楽の豊かさなのではないか?と僕はアルバムを聴き終えた時に感じた。今まで好きになったことがないタイプの音楽に戸惑いながら、それでもこの好意を止められない。

波の音を聞けば全てを思い出す。僕は海に帰る。平井大は全てを許す。今最も現代に接近したシンガーソングライターの1人と言っても過言ではない彼の歌にどうか偏見を捨てて向き合える人が増えれば…そう願って止まない。何はともあれ紅白出場おめでとうございます。大好きです。

④AJICO/接続

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浅井健一とUA、2人の天才を軸にする伝説のバンド=AJICOが20年ぶりにリリースしたEP『接続』を抜きにして今年は語れない。

昨日Mr.Childrenの『深海』を久々に再生した時のような危うさが流れる。あのアルバムがいいのは危なくて狂ってるけど、あるがままの心で生きられぬ弱さを正直すぎるくらいに吐露してるからである。そういう時代の空気を真空パックできている。音楽はもっと危なくていい。この質感をずっと探していた。

何よりUAの存在が大きい。浅井健一は類い稀ない才能とボーカル、ギターテクニック、世界観を持っているが普段使いとして聴くには少々尖っている。その危うさも含めて彼の魅力でありロマンであることに異論はないが突っ走りすぎるイメージもある。しかし今作においてはそれをアネゴ肌のUAがコントロールできている。この構造が所謂浅井健一ソロにはない魅力だと思う。そんな過程を経て構成された音世界は、一瞬の淀みすら許さないまま全てを包み込んでくれる。

もう右も左も関係ない
トンネルは終わり
意識をぶって 親密に行こう

右とか左とか話すのは好きじゃない。そんなことで人の価値や印象を決めることはない。ただ、いつまでも続くと思った暗闇が終わった時に誰もいないのは悲しい。だから同じ音楽を聴いたりして想いを共有することで繋がっていたい。

たった4曲、15分のEPが僕を魅了する。ただのひとつも無駄な時間も音もここには存在しない。まるで1時間強のアルバムを聴く時と同様の濃さ、満足感を与える。時代と隔離されながらも密接に関係するようなドラムが遠くで聞こえる。やがてヒリヒリとした痛みが走り、クラヴィネットの音色と意識が繋がる。正体不明のスリルが僕の体を支配する。ここからは逃げられない。逃げたくない。全身がそう叫ぶ。

この服 格好いいね 襟元が大きめでさ
袖にはイーグルの 刺繍がほどこされてる
足元に目をやれば 靴下左右違う

最終曲“L.L.M.S.D”、冒頭で「もう右も左も関係ない」と歌ったメッセージを「靴下左右違う」というジョークで回収…笑い飛ばしながら極上のメロディに乗せる仕掛けに感服せざるを得ない。おそらく浅井健一ワークスの中でも最高傑作。こんな短くて素敵なアルバムがあったらいいのに…を形にした傑作として後世に語り継ぎたい。

🥉③SixTONES/1ST

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ジャニーズ事務所から昨年デビューした6人組のアイドルグループの1stアルバム。アイドルの意義が時代と共に様変わりしていく中でその可能性を最大限に今年感じさせてくれたアーティストである。サブスクにないのだけが残念でならない。ラップ担当兼まとめ役の田中樹はNHKFM『MUSIC LINE』に出演した際に熱い思いを語ってくれた。

そんな想いを反映させる活動を続けてきた1stアルバムには実にボーダレスで職人気質な楽曲が並ぶ。全てを聴き終えた時、彼らが今の音楽のトレンドを捉えながらアイドルという立ち位置を良い意味で悪用し、音楽シーンを席巻する未来を容易に想像できた。

1曲目“ST”はKAT-TUNの系譜をなぞるようなバンドサウンドに始まり、creepy nutsお墨付きの田中樹のラップが決まる。続く2曲目“NAVIGATOR”では一本の針を小さな穴に通すような緊張感を奏でるストリングスと高速ビートが快楽をもたらす。いずれもジャニーズのパブリックイメージからは遠い距離に思える。

他者に向けたラブソングや応援歌というよりかは自らを自らの音楽でブチ上がらせるようなパーソナルな内容が多い。誰かのためではなく自分たち6人の為に歌うことを軸としている。それが誰かのためになることを彼らは知っている。自分を自分の力でブラッシュアップしていく存在、だからSixTONESは憧れなのである。

直後レイヴパーティのようなイントロから一気にクラブサウンドに傾倒していくと、以降もとにかく「曲がいい」の一言に尽きるラインナップが並ぶ。後半、X JAPAN:YOSHIKI作曲のデビュー曲“Imitaion Rain”から溢れ出すジャポニズムとロックの親和性に古典的なジャニーズが持つ魅力が光る。しかしそれを凌駕するほどヤバいのは通常盤11曲目“うやむや”の存在である。

ボカロ直系の歌い回しとリズム感を乗りこなしながら、まるで一筆書きのように繋いでいくマイクリレーには興奮さえ覚えてしまう。当初からアニメソングへのタイアップなども行いながら色んなファンを取り入れてきた彼らの真骨頂を感じた。ラスト、ボーナストラック“Telephone Call”でニヒルに笑いながら去っていく6人の姿を見た時、僕は1人きりの部屋で降参した。

気がつけばファンクラブにも加入してしまった僕をもはや止める術はなく、毎週のラジオやYouTubeを心待ちにしている状況である。男子高校生のようなノリがクセになる。推しは田中樹ですよろしくお願いします。きっと未来のSMAPや嵐になっていく存在、エンターテイメントのトップになっていく。これは過言ではない。その目と耳で真実を見極めてほしい。

🥈②w-inds./20XX“We are”

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かっけええええええ!!もう無敵じゃん!!って唸りながら泣きじゃくりました。これ全部本人がプロデュースしてるってマジ?懐メロじゃなくて今のw-inds.聞かなきゃダメじゃん…ってなりました。

そう、BTSが世界を征服しその影を追うダンスグループが乱立する中、日本には古くからその精神を受け継ぎながら踊り続けてきた2人がいる。w-inds.である。

ついにここまで来たか…と言うバランス、クオリティが34分の中で炸裂している。近年の彼らの音作りが国内外問わず高く評価されていることは周知の事実であるが(名盤INVISIBLEから入るのがオススメです)、今作において特筆すべき点は2つある。

まずメンバー構成が3人から2人になったことで喪失感を抱かせるのでなく、より一層シンプルになった音がその影と光を色濃く映し出しているのが魅力的である。狂気の如くハイトーンを披露する橘慶太の歌声だけが可能にする音楽があるからこそ、現代音楽におけるw-inds.の価値は大きかったと僕は考える。しかし勿論当初から彼を支えてきたコーラスワークのひとつであった千葉涼平が前に出てきたことも本作ではプラスに働いている。いい声してますよね。

そして何より音の良さありきで語られてきた近年の彼らの音楽に日本語としての説得力を持たせた歌詞が光る。EDM的にドロップを多用してきた彼らだったが、そこに力強い歌詞をハメることで最高のパズルを完成させることに成功している。

自分自身を嫌いになるなんて
それなら誰かに嫌われる方がまだマシだろう?(Strip)
勝ち負けのその先に
得られる優越感なんて
消えゆく時間と共に
ほら何も残らない
お互いの正義論ぶつかって
否定はしないで   理解しあって 
争いはもう見たくないから
(Show me your love)

序盤、いつもとは違う手触りの歌詞が並ぶ。しかしナイフのような質感とは違い、どこか優しく肩を叩かれたような気分になる。突然2人になってしまった彼らだったが、その心配が杞憂に終わるほどブチ上がらせてくれる。自分たちの音楽に自信があるこそ書ける言葉が伝わってくる。

失った物を幾つ
数えても戻らない
無いものは無いよな
何度も見返しても
時はいつも無常に
想いを置きざりに進む
必要な事は 今どう生きるか
(With you)

喪失してしまった何かをしっかり受け止めてきた姿勢こそが、その強さを可能にしていることを3曲目で確信させてくれる。ここまで直接的な言葉で緒方龍一を描くとは思わなかった。全てがあの時終わってもおかしくなかった。生きてれば僕らにだって、そんな瞬間は何度でも訪れる。だけど今ここから立ち上がったw-inds.の姿を見た時、僕は諦めちゃいけないと強く感じた。

気づけば僕ら背伸びしすぎてた
小さな幸せ見逃す様な人間 
どこかで起きた出来事 読み上げ
また議論して 見えてたはずの幸せを
見過ごしていない?
(Little)

こんな時代だからこそ伝えたいと立ち上がり優しく歌う2人を素敵だと思った。それはまるで日本語の力でしっかり僕にエールを送りながら鼓舞してくれたあの頃のw-inds.の姿と重なった。そう、これもまた彼らの魅力。あの頃を受け取った橘慶太が書く歌詞に今の僕の心は震え上がる。

箸休めのようなクリスマスソングも可愛らしく、緒方龍一やファンとの距離が今も変わらないことを伝えるラブバラードに大粒の涙をこぼしながら…ラスト2曲には最高速度のダンスチューンを用意しているのが素晴らしい。どうしてこんなにかっこいいんだろう?惚れる。

w-inds.はまだここから変わろうと願いながらさらに大きな世界に羽ばたこうとしている。中学生の頃から素敵だったけど今の方が何倍もさらにかっこいい。自分たちの音楽をどう足掻いてでも全うしていく姿勢で人々を魅了、その生き方を投影したような音に改めて拍手を送る。最高だぜ。


👑①DIALOGUE+/DIALOGUE+1🥇

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2019年にデビューした8人組声優アーティストユニット=DIALOGUE+の奇跡のような1stアルバムを君は耳にしただろうか?聞いて欲しい。

物心ついた頃から音楽を聴いてきた。サブスクありきではなくチャートありきだったからこそ色んな音楽を聴いた。そこに壁はなかった。「こんなのクラスの誰も聴いてないだろうな」って思わざるを得ない音楽もたくさん聴いてきたし、クラスの人気者が好きそうな音楽も好んで聞いてきた。その全てが糸のように束ねられ力強いベクトルになり、今DIALOGUE+に向かっていく気がした。この作品に出会うために生きてきた。そして音楽を聴いてきた。聴き終わった時に大袈裟なことを思った。

多くは語らない。この音楽こそが2021年なのである。単純に最初から最後までずっと気持ちが高揚するアルバムでもあった。この勢いは奇跡としか言いようがない。まるでシングルだけを並べたようなベスト盤と聴き間違うほどの名曲集である。数々の素晴らしい1stをアルバムを聞いてきたが、ここまで完璧にデビューから物語を描きながら全方位のリスナーに届けようとした作品を知らない。

今を生きる人全てが「今が好き」と心の底から言えるために作られた音、言葉が並んでいる。この名盤が多くの人に届く未来を僕は信じている。

もっと読みたい人向けには、上の記事に僕の思いを全てを置いてきたのでご参照ください。音楽人生の全てを懸けてこのアルバムが好きだ。おめでとう。最高のアルバムをありがとう。


総括

①DIALOGUE+1/DIALOGUE+
②w-inds./20XX“We are”
③SixTONES/1ST
④平井大/Life Goes On
⑤AJICO/接続
⑥坂本真綾/Duets
⑦ゴスペラーズ/アカペラ2
⑧豊崎愛生/caravan!
⑨堂本剛/GO TO FUNK
⑩CHAI/WINK

色んな音楽を聴きたいなあと言いながら、気がつけばDIALOGUE+とSixTONESと平井大ばかり聴いてる年でした。それ故「新譜を積極的に追えたのか?」と問われればここ10年の中で1番イエスとは答えられない年にもなりました。でもこの感覚って音楽を初めてちゃんと聞いた中学生の時みたいに懐かしくて…他が見えなくなるほど強い推しに出会えたことが今年はすごく嬉しかったです。逆に言えば、好きなものしか見えない状況でもちゃんと耳に飛び込んできた作品はちゃんとベスト10に残りました。

ちなみに洋楽は今年全然聞かなかったので除外しましたがポーターロビンソンのアルバムはめちゃくちゃ良かったですね。自分のイベントで凪あすのOP流すくらいオタクな癖して本当ずるいなあと。あとweezerとno romeも良かったですね。

それと、アルバムとしては整理し難いけどUVERworldがめちゃくちゃ良い曲を出したので聞いてくれると嬉しいです。

マジでDIALOGUE+がアルバム全体で表現した2021年をたった1曲で語ってしまった名曲で震えます。100人中99人が「暑苦しい無理」と思ったとしてもたった1人に届く音楽、やっぱり僕はこう言うのが好きなんですよね。頑張ってれば必ず報われるわけじゃないけど、成功する奴はやっぱり頑張った奴だなと思うので…良い曲を作れば必ず届くわけじゃないけど、ちゃんと届くのは良い曲だと思うんですよね。

別に自分だって本当に全部追えてるか?と問われたら全くですが。絶対に声優アーティストを聞かない、絶対にジャニーズを聞かない、絶対に洋楽を聞かない人間は存在してて。そのあたりもっとフラットにならなきゃいい加減やばいよと思います。

物申したいんじゃなくて明らかに今空気がおかしいんですよね。中華料理とフランス料理が手伸ばしたら同じ値段で楽しめるところにあるのに頑なに和食だけ食べる人はいないと思うので。音楽は飯だと俺は思ってます。色んなの食べたいし、来年は自分も色んなものを食べることを目標にします。

最後にはなりましたが、特別賞的なポジションとして神田沙也加さんがやっていたバンド=TRUSTRICKの名曲を置いておきます。突然のことすぎて整理できません。だけど本当に良い音楽やってたし、当時からそこは伝えていたつもりだけどまだ足らない気がしたので紹介しておきます。このバンドの後も自分の好きな音楽や生き方を貫いた1人の女性として尊敬しております。

結局…音楽ってやっぱり「俺は今ここに生きてるんだぞ」って記録だと思うんです。それを手に取る人、聞く人がいつの時代を生きてても「ああこの人はこの時代に生きて、こんなことを思ってたのかあ」ってわかる資料だと思うんです。その思いの束がオリジナルアルバムだからこそ、時間をかけて聞いて受け取る価値があるなって僕は思います。だから一曲目から通して聴きたい。

来年もそんな風に「今を生きてるんだぜ」って叫んでる音楽にたくさん出会いたいと思います。もしそんな音楽を知ってたら君から僕に教えてください。それを良いと思えたら、思えなくても何かを共有できると思うから。その先でまた会いましょう。

来年は34歳になります。俺はでもひとつだけずっと続けてる趣味があります。今の音楽を聴くこと、それだけはやってます。胸を張って。

音楽が大好きです。ありがとう2021年。








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