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【不登園記録#6】3歳5ヶ月登園拒否。母、初めての心療内科

私に余裕がないから、それが子どもに伝わって保育園への登園拒否をしているの?

ワーママ暦2年半。自分の要領の悪さを認めるタイミングなのかもしれない。

仕事も子育てもどちらも上手くいかない。自己肯定感がぐんぐん下がる。子どもに対しても会社に対しても罪悪感が募る日々だった。


◇ 懇談会

子育て広場に行った日の夕方には、保育園の懇談会があった。

プロジェクターに映し出される日々の活動を見て、やっぱりこの園はいいなと思う。
自然の中で身体を沢山動かして、家ではできない経験ができる。

給食の試食もあった。地元のお店から仕入れているという、鰹節の厚削りを使ったお吸い物。家では汁物を全く飲まない彼は、保育園の汁物は全部飲む。

保育園を休んだとしたら私は彼に日中何ができるのか。遊び・食事。どれも今の質を担保できる自信が全く無い。

それにここ以上に良いところに今後出会えるのだろうか。


◇ 嘔吐・下痢

彼は毎朝吐くようになっていた。元から泣くとよく吐く子だったから、無理やりに連れて行っていた。

そのうち下痢をした。保育園に連れて行った。

「お母さん、年少さん以上の下痢は感染力も強いですし、赤ちゃんの時の下痢とは違うので預かれません。」担任の先生から言われた。

「あ!そうですよね。すみません。今日は帰ります。朝からバタバタと失礼します。」と比較的明るいテンションで返す。

そんな事、知っていたはずなのに。誰も求めていない、ただのパフォーマンスだった。

下痢が出たってこっちは連れていきますよ。弱い母親じゃないですから。とアピールをしたかった。

保育園に連れて行くたび、毎朝虐待をしているようだった。

よくある行き渋りから始まり、徐々に激しくなる。それが異常な状態になっていることに気づけなかった。

◇ 心療内科

上司に相談をした後、社内の保健師さんに繋いでくれた。その方と話す日がきた。

5つくらい年上の女性で、とても親身に話を聞いてくれた。

毎日泣いていた私の涙腺は壊れているので、優しい言葉をかけられるだけで涙が滴り落ちる。

今の就業規則上は子どものための休職はできない。
就業者本人の心身の問題が、休職できる条件だった。心療内科で私が診断書をもらってくることが必要だと言われた。

不安だった。この程度の状態で休職が可能となる診断書は貰えるのだろうか。

【心療内科・精神科】という世界は未知だった。

正直、大袈裟なことになりそうでなんだか怖かった。でもそんな事を言ったら、保育園を休むために仕事を停めることができない。

保健士さんとの面談が終わった後、最寄り駅の病院3件に電話をした。電話をしながら気づく。予約はどこも2,3ヶ月待ちだということを。

心臓がバクバクする。今直ぐに休めないとしたらどうしたらよい。
GoogleMapを開く、30件以上片っ端から電話をした。

「うちは、投薬前提ですけどいいですか?」と、当日に予約ができる病院から言われた。GoogleMapの評価は星1.4だった。

受付女性の威圧的な態度と投薬前提というワードが怖くなり、折角のチャンスを断った。

最終的には、開業2ヶ月弱の病院で3日後に予約が取れた。口コミはまだ1つもなかった。


前日。緊張して眠れなかった。スマホを手に取る。「心療内科 聞かれること」、「休職 診断書 貰い方」・・検索魔になった。

先生に聞かれたことに、うまく答えられるだろうか。診断書はもらえるだろうか。私にとって失敗できない戦いに明日はなる。と思った。

病院が開く5分前に到着した。もう院内には、入れるようだ。

受付の女性は二人。おしゃれなオフィスの一角のような内装に胡蝶蘭の植木鉢が2つ並ぶ。あの空気清浄機、デザイン性高いやつだ。と思いながら院内を見渡す。

診察室は2つ。L字型の病院だった。一面が窓の作りだったが、ブラインドカーテンで外の光は薄暗く調整されている。

受付の女性の声も小さくてありがたい。

直ぐに呼ばれる。フルネームがスピーカーで呼ばれた。番号呼び出しにしてほしい。GoogleMapに口コミを書くなら星1減点だなと思う。

診察室に入る。そこには優しそうな50代前後の男性が、大きめの椅子に座っていた。

絵本に出てくるなら、メガネをかけたカバのお医者さんだ。包容力のある体格と柔らかい表情に緊張がだいぶほぐれた。

そこから何を質問されたのか、あまり覚えていない。

20分くらい泣きながら話しをした。とりあえず育児と仕事の両立が困難であることを訴えた。

先生からは「一旦お仕事をお休みしましょうか。」と言われる。

「育児はお休みできないから、片方の負担を減らして様子を見ましょう。本当は3~6ヶ月くらいはお休みしたほうが良いけど・・」
私は流石にそれは大袈裟だと感じて、「1ヶ月でとりあえずお願いします。」と返事をする。

「適応障害と鬱の間で、うつ状態ですね。」とPCに先生が何やら打ち込む。すぐ横のプリンターから診断書が出てきた。
内容はこちらでいいですか。と見せられる。

待合室に戻るとお会計にすぐ呼ばれた。A4用紙に書かれた数行で5,500円か。と思いながら診察料と診断書のお金を財布から出した。

病院の自動ドアから身体を一歩外に出すと、緩んだ気持ちにまた緊張感が戻る。

あれ、私はこの病院の良いカモになったのか?と、実費の診断書の値段にもう一度腹を立てておく。

泣いた後の目に太陽の光が眩しくて頭がガンガンする。帰りに、UNIQLOで1,980円のサングラスを買った。

5分くらい付けたが、鼻パットの部分が痛い。
待っていた電車に乗り込むと同時に外してそれ以降は付けていない。

結局この日は、初めての心療内科に行くために1万円ほどを使った。


診断書を無事に調達し、職場に提出。
1週間の引き継ぎをしてからお休みをいただきますと上司に伝えた。

この1週間は、ゴールが見えている。どうにか乗り越えられそうだ。

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