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学校に行けなくなってから半年、ベランダから見た景色。

私は中学一年生の秋からまともに学校に行けなくなってしまいました。
いわゆる「不登校」という状態でした。

このことについては以前、「拝啓、十五の君へ」というエッセイ漫画で触れたことがありました。


ただ、私の場合その時の中学生からの状態はただの「不登校」という状態ではなく、のちに今現在でもお付き合いすることになる持病の始まりだったのだと認識しています。

当時とても、とても辛かったです。
昼夜逆転の生活。学校関係の物(スクールバッグ、プリント、etc…)は目に入るのも辛くて自分の部屋に居られなくなり、リビングに布団を敷いて寝ていました。

秋から冬になり、学校が冬休みに入ると、なんとなく「きっと、冬休みが明けたら私はまた学校に行ける」と思っていました。

しかし、その希望は見事に打ち砕かれ、冬休みが明けても私は学校に行けませんでした。

「ああ、私終わった」

悲しみを通り越して、私の心は静かで白い…まるで冬のしんとした雪のように冷たくなったように何も感じなくなっていました。

それから、3ヶ月ほど経った頃。
暖かくなってきて、季節が春を迎えました。私はその頃も生活リズムは変わらず、昼夜逆転していましたが、ある時私にしては早い時間に起きられたことがありました。
その頃は自分の部屋にも入れるくらい私の心も一時落ち着きを見せていていました。

私はずっと閉めていた自分の部屋のシャッターを、ガラガラガラと開けました。

隣の畑には菜の花。そして春を告げる明るい少し高い空。春の匂い。
私はベランダに出てみました。心が感動を隠せないでいると、ちょうどそこに近くの公園からか、桜の花びらがベランダに舞い込んできました。

「春が来たんだなぁ…」

不思議なことに不安や憂鬱感は薄れて、少しの間春の温かさに包まれていました。

あれから今年で十三年。
この時期になると必ずあの景色を思い出します。

2022/12/14
追記:最後の文「今年で十四年」でした。一年間違っておりましたm(_ _)m