見出し画像

「秋平ついに1周年!…だけど」

営業開始10分前まで水が出ない問題や、スープを焚いている最中にガスがなくなる問題、そしてお客さんがラーメン食ってるのに停電して闇鍋ならぬ“闇ラーメン”をさせてしまう問題などなど、様々な困難を乗り越えまくって、我が、いや、“みんなの秋平”がついに1周年を迎えた。

ここまでの道のりは想像を絶するほど過酷で、壮絶で、楽しくて…社長と僕(と拓とアッサムズ)で必死に走り抜けた1年だった。こんなに中身がぎっしり詰まった1年は今までにはなかった。

この一年の間に、映画の撮影も数回行われた。本格的な日本の雰囲気を持ったレストランはチェンナイには珍しく、大物女優が実際にラーメンを食べるシーンなどが撮影されていた。女優の名前はSanchita Shetty。

Facebookのいいね数なんと12万越え。これで秋平も一流の仲間入り!と思ったが、映画の名前も公開日も結局分からずじまいだった。撮影終了から一切の連絡が来なくなったのだ。That's Indiaって感じ。今でもこの映画のエンドロールには、人知れず秋平のロゴが流れ続けているだろう。

また、常連の日本人のお客さんにもめちゃくちゃお世話になった。毎週のように通ってくださるお客さんや、出張者が来たら確実に連れてきてくれるお客さん。出張でチェンナイに来て「いやーずっと食べたかったんですよー!」と声をかけてくれるお客さん。一人一人に支えられた秋平だった。

「よし!感謝祭やろう!」

ということで、1周年を記念してお客様感謝イベントを開催することにした。内容は「全ラーメン250Rs均一」である。普段は600Rsくらいで提供しているので半額以下の大出血サービスだ。いや逆だ。出血大サービスだ。しかし結果として我々は大出血することとなる。

いざ、当日。この日のためにFacebookや口コミや貼り紙等で告知をしていた。どれくらい来るだろう…今までの最高売上杯数は144だからそれくらいは行くよな。じゃあ麺もチキンもたくさん発注かけておこう。そんな風に準備を進め、完璧な体制で迎えたイベント当日だった。

蓋を開けてみれば、オープンと同時にポツリ、ポツリ、と人が来るくらい。

「あれ!?日付間違えたかな!?いやそんなことない!なんでだ!」

不思議なくらい人が来なかった。いや、もともとそんなに人でごった返すほどの客入りではないのだが、でも、今日は秋平の1周年だ。何度も言うが、“みんなの秋平1周年”だ。

後日、友達に会った時に聞いてみた。

「なんで秋平来なかったの?」って。

こんなプライドを捨てた質問はない。普通に考えたらめちゃくちゃ恥ずかしい質問だ。通常の答えは「いや、美味しくないから」とか「いや、予定あったから」などだろう。どんな反応を期待しての質問だったのか、今思えば甚だ疑問である。しかし返ってきた答えはこうだ。

「今日行ったら混んでると思って。普通の日に行けばいいかなって」

『これぞ常連!』と言うお手本のような回答。きっとみんなこうやって思ってくれてたんだ、、とポジティブに捉えることにした。

しかし、お客さんはゼロだったわけではない。ゆとり会のメンバーも数人きてくれて、そのうちの一人がこんだけ食べてくれた。

ラーメン4杯に替え玉2つ。さらに抹茶プリンまで。一人で5人分くらい。


秋平がこの後、割引キャンペーンをやることはなかった…。



See you next No Joke...

戴いたご支援金は書籍化するための費用に遣わせていただきます!サポートよろしくお願いします!