推しのMtGデッキ「Vパウパー」を作る、その4。過去と未来編

前回の記事から4か月経ってしまった。パウパーだけではなく統率者やモダンも通っておく必要があって間があいた事や、これまで作ってきたVパウパー周りに変化があったりしたのが原因だが、いずれ、書き続けなければならない。これはシリーズにしていくべきなのだから。

そもそもVパウパーってなんだ?という話

は、過去回を参照してほしい。
第1回:推しデッキでマジック・ザ・ギャザリングを遊べ
第2回:夢は終わらない ~マジック・ザ・ギャザリングで推しデッキを作るその2~
第3回:マジック・ザ・ギャザリングVtuberファンデッキ、通称Vパウパーの話その3

まずはひよクロのVパウパー

第2回であにまーれとシュガリリ(龍ヶ崎リン+ゲスト)を作っていたし、第3回でハニスト(堰代ミコ+ゲスト)を作ったので、緋翼のクロスピース(以下ひよクロ)も作らなければならないとは思っていた(Vアパはちょっと見てないので後回しにしようと思っていたら解散されてしまった)。しかしひよクロは6人いて、色もバラバラだ。散々悩んだ結果以下のようなデッキを作った。

〇クリーチャー
隠れ潜む名射手(ビジュアルも含めて、これ以上家入ポポなカードあるのか?)
火付け射手(とか思ってたら人を煽るポポとしていいカードがあった)
偉大な詩人(一応吟遊詩人なので橙里セイとして)
茜の狼(わんこな茜ならカンナだろう)
憤怒の乗り手、アヴナントのトーリ(名前として使わざるを得ないぞ橙里セイ)
新月の忍者(ねもたのホクロ、あれ実はアイコンとしては新月である)
暁輝きの発動者(琥珀ユリとして)
骨呼びのクレリック(琥珀ユリとして)
石繋ぎの導師(案外ひよクロはコネクトフォーをやってたぜ…!実はアヴナントのトーリと相性がいい)
エイトグ(紫水キキの人形)
マネキン人形(紫水キキの人形)
火翼のフェニックス(ひつばさ、ではなく「ひよく」と読みたい)
村の鐘鳴らし(村の猫ななし)
〇インスタント・ソーサリー
猛火の斉射(ポポ。隠れ潜む名射手とのポポコンボを見せたい)
陰惨な運命(不憫な橙里セイ)
不正相続(コネクトフォーで)
墨汁召喚学(ねもた、ようやくホクロを召喚できるな!)
養育する存在(琥珀ユリ)
生命の危機(生命のキキー!(激うまギャグ))
戦闘復帰(若干肩が茜音カンナっぽいけど、それ以上にそもそも転生パーティーだ)
その場しのぎの人形(紫水キキの人形。戦闘復帰もそうだけど、地味に石繋ぎの導師のために墓地から動かしたい)
記憶漏出(「勇往邁進」…)
〇アーティファクト
緋色のダイヤモンド(入れざるをえまい)
天球儀(ひよクロのメンバーっぽい色をしている)
〇土地
山・平地・沼・磨かれたやせ地・興隆する絶壁・忘れられた洞窟・進化する未開地(眠り)

まさかの白黒赤。キャラを作るだけだと6人もいるとどうしてもバラバラになってしまうので、石繋ぎの導師をキーに墓地から動かすことを意識したりしている。アンコモンがちょっと入ったりしたがまぁこれくらいは良しとする…いや、この事は初回から言っているのだけれど、やっぱり強いカードが使える事の魅力はある(これはモダンや統率者で遊んでいる時に強く感じていたのでこのデッキに反映されたところはある)。パウパーは結局は縛りプレイなのでは…そんなことに悩んでいた矢先、別の事が起きる。

設定の消失について

774inc.にあった「あにまーれ」「ハニーストラップ」「シュガーリリック」「緋翼のクロスピース」が発展的解体され、「ななしいんく」というブランドに統合されたのは3月21日の事だ。なんとデッキを作った全てのユニットがなくなってしまったし、これは率直に言ってVパウパーを作っていくうえでは随分と困る事になった。いわば世界観や設定が意味を持たなくなると、カード選びが大変になるからだ。

もちろん、彼女たちはパフォーマンス上そういう設定を無きものにした訳ではないけれど、例えばあにまーれという(比較的治安の悪そうな)喫茶店という設定は今後には活かされないだろうし、そうなると「君たちは酒場で出会った」というカードを使っている理由は今後は分からなくなる。

ただ、何度でも言い直したい事だが、Vパウパーのデッキづくりは同人作品を作るのと同様の、推しを理解し表現する事として成立していると確信できている。逆に言えばVパウパーのデッキは同人作品としての「動きがあるキャラクター」である。「ななしいんく」である前の状態で、彼女たちは残っているし、「あにまーれ」の中で働き、馬鹿ほど食べる月野木ちろるもデッキには居る、居つづけている。そういう意味での、概念を保持しかつ動かすことが出来るという意味で、デッキは過去の夢を見る。

紡げるときにデッキを紡ぐことが、過去を残すという形の未来への夢だ。作れるときに作らなくてはならない。

新しい形に未来を見る:V統率者

ところで、これまで作ってきた774inc.のデッキについて、「ななしいんく」という形の統合があっても過去の夢として残しておくべきとは言ったが、一方でそれはそれとして統合された「ななしいんく」のデッキはあってもいいのではないかという意見はあろうし、そういう前向きさをもって彼女達を応援したいという気持ちは自分にもある。しかし、これまでのデッキだけでクリーチャーはとんでもない数になるし、それに加えて未作成の元Vアパメンバーがいる。もういい加減通常のデッキサイズでは厳しい。

加えて、初回から悩んでいる事ではあるが、レアやアンコモンでないと表現できないキャラはいるし、居るとシナジーという形でデッキに活気が出る(紡げるストーリーが増える)

この二つの悩みからMtGファンはもうお分かりだと思うが、おそらくVパウパーで出来ない事は「V統率者デッキ」で作るべきなのだろう。これは多くのVtuberやエピソードを、それも割と無作為に放り込むことが出来る。問題は統率者だが、5色統率者を入れておけばよかろう(「アラーラの子」とか「概念の群れ」辺りがVtuberっぽい気もする)。

そもそも「Vパウパー」がパウパーを意識していたのは、レア・アンコモンを自由に解禁するとデッキパワーが揃わないという問題があったからだが、多人数となる統率者戦においてデッキのパワーが弱い事は「放置される」という意味であり、パワーバランスの差があっても案外プロレスをやる分には何とかなる(もちろん即死などには手も足も出ないが、そもそもそれはV統率者に限った話ではない)。今まで組み合わせ的に入れにくかったカードもとりあえず入れてから考えることが出来るので、レア・アンコモンを解禁したうえでV統率者デッキを作ると決める方が、Vパウパーよりももっと気軽に組み立てを始められるかもしれない(始められるだけでなかなか終わらないのが難点だが)。

(なかなか新しい配信者を追っかけている時間も無くて)そもそもVパウパーのデッキをこれ以上作る余裕もなかったのだが、新しい形を考えることが出来た。そうだ、V統率者という未来がある。

過去に対しても、未来に対しても、まだ多分やる事はある。引き続き推しをMtGで再現する夢を追い続けていきたい。

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。