仕様書は基本こっちでつくるもの

今日はいったん「シリーズ」から離れた話題にします。
「仕様書」

家屋、のことを考えてみましょう。いわゆるマイホーム。
要件は施主からあれこれ出ます。極論すると施主からしか出ません。施主の専断事項です。では仕様書はどうでしょうか。
仕様書は設計士、あるいは施工会社が作るものです。専門用語満載で書かれています。施主が定義した要件では抽象的過ぎて実際の工事ができないです。
工事業者は竣工・引き渡しの基準、工事契約の最重要条件として仕様書を必要とします。施主も業者も、契約行為のなかで自らを守るために欠かせません。

基本的に、施主には仕様書を作成する技術・技能もなければ責任もありません。
独自に設計士を依頼することはできますけれど、それはやはり「委託」行為です。
何が言いたいかというと、私たちの業界でたびたび顧客が仕様書を作ることを当然とする風を目にすることがあるのですが、それはたいてい行き過ぎた期待だということです。
顧客側に「それ専門の発注部署」があってそこには「仕様策定・記述力」があるということは「稀」、仮にあったとしても受注側でつねに仕様をまとめる姿勢がなければ「事業」とは言えません。

インターネット関連産業は多くがコモディティへと移行しつつあります。例にあげた「家屋」よりもさらに身近かもしれません。
「依頼する・請ける」という信頼は、事業の立てつけももちろんですが、日々の執行の中で築かれます。
仕様書は発注側に書いてもらって当然、と思っている業者・技術者の方、すぐに考えを見直してみるべきかと思います。

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