変化する企業、冒険的性格、内包する矛盾

株式会社、という仕組みはできてから400年以上の歴史があるとされています。
企業統治、を見ると出資と経営の分野は、歴史相応の検討が加えられて進歩があったのかもしれません。一方で執行組織のそれはやっと目が向けられるようになったのか、急激に変化しているように感じます。

古典的な「会社(企業)」の定義によると、執行組織は「請負的性格」の従事者「のみ」で機能するもののようですし、実態としてもそうだったのでしょう。
「企業」の「企」が文字通り持つ「企画」の意味どおり、短期・単発の「事業」が企業の設立目的だったのかもしれませんね。合目的的に作って役割を終えると解散する、そういうものだったのかもしれません。
中にはその事業が持続的・普遍的なものもあっていつしか企業とは「存続するもの」と位置付けられたのかもしれません。「雇用の保証」はそうなれば一面決定的な意味を持つようにも思えます。
また、企業が持続性・普遍性を具えることを「要件」とすることで、持続的な売上を確保する「営業職」というものを執行組織は必要とするようになった、かもしれません。
(このあたりの経緯も興味深いですが、今日はこの辺の”分析”は本題ではないのです。「前置き」長いですが笑)
今日触れておきたいのは、現代の企業(執行組織)にはこの営業職に代表されるような「請負的に保証されない」執行機能を具えるよう、必然的に求められているということ、またそこは「いまの制度設計ではある程度矛盾を抱えている」ということです。

この「制度設計」は立法の課題ですし、社会通念の側面もあるので、一企業経営者の立場ではいかんともしがたい、時間が解決していくのを待つしかないものなので、現行制度の中でできるだけのことをしていくしかないのではあります。
冒頭触れたように、執行組織内のあり方は400年の株式会社の歴史を考えると「激変中」と見ることもできるので、期待しつつ適応し続けようと思います。

さらに、当事者である「執行組織を構成するひとびと」にも丁寧に説明して実情をご理解いただく努力を、経営者・執行責任者はすべきなんだろうと痛感している、という備忘録です。

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