顧客と作る世界観、事業の信義、ソフトウェアが主役のビジネスモデル

先日、北海道ニュートピアデータセンター研究会のイベントがありそのパネルディスカッションで会長の北大名誉教授 山本強 先生のお話し、スライドにたいへん印象的なことが描かれていました。

従来のインフラは「ハードウェアが下、ソフトウェアが上」ですが、いま(これから)それは「ソフトウェアが下、ハードウェアが上」つまりソフトウェアの方がよりエッセンシャル、不可欠になるという模式図です。
従来「ソフトウェアの時代」とここに書いてきている私にとってはたいへんな追い風を感じるできごとです。

一方、対照的な話。

「決済手段」の「覇権」はあきらかに「選ばれるサービス基盤=ソフトウェア」の話であって、デバイス普及はその「手段」であり「目的」ではなかったのです。
デバイスあるいはライセンスの販売収益を求めて普及を阻害するのはまさに本末転倒、だと当事者の方々が一番わかっていたでしょうに。
そしてその最たる被害者は「顧客」だということ、Felicaの未来に共感して示されたライフスタイルに身を投じたのにはしごを外される形になってしまいます。
Felica=おサイフケータイを信じて暮らし方を合わせてきた方々ほど、ANAの搭乗方法の件、wena3の件、などなどFelicaの「退場」を感じているでしょう。Felica業界の方々は、この「雪崩(なだれ)」現象を留めることができるのでしょうか、そうする気があるのでしょうか。事業の信義が問われるところだと思います。
ライセンスを含むハードウェアの売上に事業収益を依存するカタチが「ソフトウェアの時代」にそぐわない、事業主体の理念・意図が問われる象徴的なできごとだなぁと見ています。

対岸の火事ではありません、私たちの事業でも重々考えなければならないことです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?