当面業務をこなすだけではないこと

企業の「執行」に求められていることを、執行に従事するひとすべてに周知し分担して全体として網羅的に取り扱ってもらう責任が執行管理者にはあります。
執行に求められていることの中には「事業モデルの実現」も含まれていると考えられます。これは取締役らとの共同作業の色合いが濃い業務になるかと思いますが、執行の善し悪しがモデル実現の成否を左右するものでもあります。

先日もここで記したように、「モデル」は完成するということはありません。事業体が存続する限り「付加価値の積み増し」をすべくモデルを模索し、その準備と実現のために実際に行動していく、執行組織にはそういう役目もあります。
「常勤(社内)取締役」の仕事のひとつがこの執行組織の機能の管理監督とも考えられます。
この、モデルを取り扱う業務というものに充てられている時間・手数・資金は十分でしょうか。いえ、十分と言えなくても充てられていて、であるがゆえに常に問題として指摘されているなら、まだ手掛かりがあるかもしれません。もしかすると、小さな、兼務の多い執行組織ではこの執行課題は、その存在も意識されておらずしたがって取り扱われていもいないため「問題すら存在しない」かもしれません。
こうした事業体は「茹でガエル」です。

専任を配置できればそれに越したことはありません。
小さな執行組織だと「(一般論として)専任を配置できないなら(兼務を)おかない方がマシ」ということもコトによってはあります。ですが、この件については異なる、と考えています。兼務であっても、成果を出すのに時間がかかる見込みであっても、不断の取り組みが重要な執行課題です。この課題、とくに終盤の「詰め」の局面になるまでは、持続的に取り組むことによって非線形・離散的に進捗するものだと考えられるからです。
そのため、とかく執行組織内にも線形に成果があがらないことに対して、とくに兼務であればなおさら士気が下がることもあるでしょう。
難しいマネジメントが求められますが、そのきわどい稜線こそが分水嶺です。
挫けずに尾根筋を歩かねばなりません。

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