ナカマを減らしてませんか

事業の拡大を見越して、組織が大きくなる準備をする、そうした素地を作る、というのは大事なことです。これほど起業がフツウではなかった昔に実際に目にしたこともありますし、ネットバブル以来起業がフツウになってからもSNSなどを通じて多く見聞きしてきましたが、事業の急激な伸長に対して無思慮に人員増加で対応すると一定量のところで組織は自壊する場合が多いようです。
組織構造の検討はソフトウェア開発に似ています。スケールアップ/スケールアウトにどの程度まで耐える設計にするか、コストをかけるか(=準備に投資するか)。それらは事業ごとに最適解が異なるでしょうし未来に対する投資なので結局は事業責任者がどういった理念・姿勢で臨むかということに依るとは思います。事業責任者はここ数年でコロナ禍やウクライナ紛争のような「予測しない・しても仕方のない」事態が起こって投資の旬を外してしまう経験をしていてこうした「準備」的な投資に虚しさを感じている向きも少なくないかもしれませんが、こと組織のことですから、この不作為で犠牲になるのは「ヒト」なので、しっかり考えておきたいものです。

基本的には「いかにナカマを増やしていけるか」、その増殖がスケールするようなデザインは何か、ということだと考えています。原則論ですからもちろん枝葉の部分ではもっと考慮しなければならないことはありますが、現場で何かトラブルが起こったり迷ったりしたときには「ナカマを増やす構造・ルールに照らして、正しいか」と考えると良いのではないかと思います。
逆に実際の執行の局面では「ナカマを増やす原則」に反した行為が、実はしばしば発生しているものです。事業執行の現場では近視眼的にはナカマを増やすより優先されて見えることが多くあるからでしょう。そうした「矛盾」に短絡的に行動せず「誘引因子」に抗して適切な解法を見出す努力を管理者、従事者ともに取り組んでいかなければなりません。

「ナカマ」もさまざまありますが、事業・商売に「敵」はおらず「ナカマか、そうじゃないか」ですから、ナカマをアンチにしないといことに細心の注意を払いながらナカマじゃないひとをナカマにする、ということを執行現場では徹底してもらって、事業管理者はいかにそれをスケールさせるかを考える、ということでしょう。
とにかく「ナカマを減らす」ようなデザイン・行いは厳しく戒められるべきでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?