「方言」の周知 ― 理念の浸透のために

言葉って難しい、というのは誰もが一度は思うことではないでしょうか。
日本語、という共通の語彙・文法を持つひと同士でも、頭に思い浮かべていることを言葉にしてそのまま伝えられるということは少ないのではないでしょうか。
経営理念、事業理念、社是(執行理念)などというものは、だから、繰り返し、多面的にお話をして従事している方それぞれの中でできるだけ正しい像を結んでほしいと考えています。下の図は「群盲象を評す」という諺のイラストです。

https://www.countand1.com/2012/04/blind-men-elephant.html から引用

お話をする際に、どうしても組織それぞれに方言のようなものが生まれてしまうものではないでしょうか。できるだけないに越したことはないのですが…。
今日はその一端を再確認したいと思います。

私は「事業」と「業務」と「作業」を使い分けています。
「事業」は「事業家」のすること、で、ほかの二つとは少々異質です。どう異質なのか、はまた機会をあらためて述べることにします(当事者対象にだけ、説明するかもしれませんが)。
ほかの二つは「執行」に分類されることで、それらの境界は微細に見ると不明瞭ですが、「成果」や「到達点」を基にするものが「業務」、「行為」に主にするものが「作業」と使い分けています。
「従事」とは、社内で私が使う文脈ではとくに断りがなければ執行に従事することということになります。
ほかと異質、と述べた「事業」が並べられているのは、執行組織内で私が使う単語でほかふたつと同じ文脈でほぼ同じ頻度で思い起こされることになるから、です。
執行組織は「執行を通じて(のみ)」「事業」に貢献しますから、作業が業務に、そして業務が事業に、着実に貢献する構造になっていなければなりませんし、折々その点検にあってはこの構造をしっかり理解し改善すべきを改善することが執行管理者には求められると考えています。
ですので、当社にあってはこの「語彙」の共有は重要です。

余談を言えば、上記の話に感じる「独りよがりな、言葉の再定義」のようなものは、おそらく上記の話で「業務」という単語が指す概念を表す適切な単語、を「業務」で代用してしまっているから、なんだろうとは思いますが、そこは「方言」を押し通すことでかえって「一体感」が生まれるのではないか、ということをほのかに期待しているものでもあります(笑)。

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