地元の、地元による、地元のための…DCI

今日も JANOG52 Day1 の話題から備忘録を。

DCIという、また新しい単語について。
この業界に限ったことではないですけれど、古い酒を新しい革袋に入れてるなと感じることがしばしばあります。この「DCI」というのも実はそのひとつだと感じています。DCIとは狭義あるいは直接はデータセンター間接続を意味する単語ですが、これは当社が創業したころ、地域情報基盤投資の一環で「地域にIX」を考える人たちの間ではほぼ必修科目のようになっていた「MAN (Metropolitan Area Network)」の一部、特定重要施設を結ぶ部分と考えれば良さそうです。

先日「都市部の通信量が飽和したので、対策として地方へ迂回させる」プランが進められている話を取り上げました。DCIはそのプランの一部を構成していると考えられます。

私たちも創業時「札幌にIXを設けたい」という目標の一環で当地のMANの設計や実装などを仲間たちで連日議論したものでした。札幌界隈をみればそこそこの消費者規模を持ち著名なデータセンターも立地し逆に対外接続(アップリンク、バックホール)は独立した島であるがゆえに貧弱で投資するにしてもほかの地域に比べ高額にならざるを得ず、圏内情報基盤を強化するとアップリンクは費用対効果を勘案しながらいっそう精緻に整備され、高度に運用されなければならないことになります。
上記の日記にも書いた「強靭化」「冗長性」もこの「DCI(あるいはMAN)」の運営主体の事業範囲として期待されるところになるかと思います。

当地北海道の場合、もっともひとびとの目につくデータセンターが石狩市にあること、また冷涼な気候を活用した「次世代」データセンターが空知や道東など札幌圏からかなり距離のあるところで企画されていること、など、まず相当の「距離」をカバーする必要があり、また、そのためでもあるのですが、「平時は独自に東京へ直接つないだ方が経済的」な地域を”非常時の利点”だけではない理由でDCIに取り込めるか、地元の知恵と熱意が問われるところだと思います。

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