電力と通信容量限界による処理所在の制約の未来

気象台の発表によると、当地は桜満開だそうです。
関東東北の名所のようなソメイヨシノの息をのむような光景ではなく、色とりどりの桜のモザイクで慎ましい光景ですが、当地も桜の風景が増えたなぁと思います。
桜の満開は観測史上2番目の早さだそうです。これも温暖化でしょうか。

当業界が温暖化に関係するところだと排熱と電力消費の課題があるかと思います。
根は同じ「電力」からですが、同じ量の情報処理や通信をしたときにできるだけ「排熱」になってしまわないようにすることと、できるだけ使用する電力を下げることは別な取り組みになるかと思います。

四半世紀ほど「データ通信」の世界にいますが、これまで長く伝送に困るほどのデータ量の持ち主は文字通りの「天文分野」の方々。建築業界の図面、土木業界の写真、も大きなデータでしたが天文分野は桁が違いました。しかし、いま「AI」の学習に供するデータがそれに近い状況になりつつあって、データの伝送と処理に消費するエネルギーを考えると「所在」を意識せざるを得なくなってきているようです。
んー、これをネットワーク社会の進歩の皮肉というか本末転倒というか。
ともかく現実と向き合わなければなりません。
いままで「集中と分散」のパラダイムは振り子のように触れてきたのですけれど、相応に理屈(合理性)があったのですが、今回は「情報通信」「情報処理」的な理由はあまりなくて「発生地」「消費地」への依存度が大きいかもしれません。いったん「地点」がわかれば合理性は組み立てられるのですが「地点」がどこに生じるのかは当業界の理屈の外にあってわかりにくい。かなりアンテナを高く張る必要がありそうです。

逆に、「膏薬と理屈は…」よろしく、どこに「巨大データセンター」を作るにしても、付随する「大規模・広域DCI」、「発電設備」を作るにしても理由は付けられるのでしょうけれども、経済合理性とは申しませんが、その地その地で地域経済としっかり噛み合うカタチで事業持続性に配慮したものが設けられていくと良いなと思います。
そして「データの大きさ」のゆえに「近隣で処理せざるを得ない」というようなシナリオで地方にも情報処理産業、就業機会が広がらないものかなと夢想したりします。

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