資本主義ってこういうことかと

生まれた時から「資本主義」の社会に生きていて資本主義という言葉を耳にしてきたし学校でも表面上教わるので資本主義についてはとくに腹落ちさせることもなく「なんとなーく」わかったままほったらかしにしてあるひとが多いのではないかな。
経営者なんかをやっていると否応なく思い知るタイミングというのがひと月に一度くらいはあるものですけれども、先日もそうした思いをする話を聞きました。

札幌という町は、とにかく「大都会」と「豪雪」が同居する町です。
「大都会?ちゃんちゃらおかしい(笑)」というひともいると思いますが、年間降雪量5mと人口200万人圏内人口330万人、面積が東京23区の約2倍、いやその半分が「山しかない」南区だろというならそれを除外したって東京23区にほぼ等しい面積というのが札幌市です。一昼夜に40cm積もることはひと冬に一度はありそれでも翌日にはまぁなんとか日常を取り戻す町です。
これは確かにすごい。
で、これが「資本主義の話」とどんな関係が?

札幌では公共事業の入札に「除雪の加点」があります。
もちろん、私たちの業界の分野ではありませんが、土木系の案件にはあるそうです。
土木系といってもそれぞれ細分化されていて専門にされている分野は違うんです。よく知られているのは建設土木でしょうか。河川、橋梁、道路、上水、下水、電気、通信、…いろいろあるのです。
いまや、みなさんそれこそITを駆使して応札額で差がでることはほとんどないそうです(設定された最低落札額を外すことはほとんどない)。
そうなると「業者の持ち点」で落札業者が決まるということになるのですが、そこで「除雪をやっていると加点」です。
じゃぁ「除雪ができる(除雪実績を持ち得る)業者」ってどんな業者でしょうか?
自前で除雪部門を抱えている業者か除雪を下請けに外注できる業者かのいずれかです。
除雪というのは「冬にしか発生しない業務」なので、自前で持てば夏季は遊休か別な事業を充てるだけの「多様性」が要ります。
それを嫌って外注すればそれは高額になります(競争原理=市場主義経済原理も働きますし)。
いずれにしても、財務体力の要る話です。除雪実績のために「財務諸表」が傷んで「減点」されてしまっては本末転倒でしょう。

「除雪業者が、公共事業案件の専門業者を、次々に買収して、応札していく」というシナリオだってあり得るのです。
が、この調子でいけば「あぁ、そことかあそことか、大手の建築土木屋さんが専門業者を吸収していくんだろうなぁ」というシナリオが想像されてしまいます。
これって私には「通信業界の中のソフトウェア開発業」を思い起こさせるところがあり、あぁなるほどなぁと思いました。
たしかになんら強制力は働いていないので「自由」なのです。いわば「その方向を志向して」「向かうか向かわないか」だけなのですね。

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