IT商材の販売をシステムに、スケーラブルに

現在、主力商品がエンドユーザー向けルータに特定機能を提供するソフトウェア ”NT4ov6ツールキット” https://www.nextech.co.jp/business/nt4ov6kit/ なので、その事業環境のことが脳裏から離れることがありません。
考えるにつけ、回線、プロバイダの選択肢によって暗黙に規定される宅内構成からくる制約の不自然さ、窮屈さに課題を感じずにはいられません。
どうしてこうなったのか、と考えてみると、そこにIT・ICT商材の販売の難しさがあるように思います。

ちぐはぐさを感じるのは、いわゆるHGW(ホームゲートウェイ)の扱いです。
経緯から言えば、先に4over6機能が実装された、いわゆる「量販(家庭用)ルーター」が消費者に受け入れられて一定のシェアを確立していたなら、もしかすると(VNE・ISP・回線事業者が連携して)HGWにソフトウェアを無償配布する「フレッツジョイント」を開発する動機は起こらなかったかもしれない。そこには、短からぬ数年の猶予があったように思います。
その間、なぜ「4over6機能対応量販ルーター」は一定の普及をみなかったのか。

「いまとなっては無償で得られた機能に、量販ルータにお金を払ってわざわざ入手した俺、何を買ったのか?」
振り返ってみると、現状先行して量販ルーターで4over6機能を手に入れたエンドユーザーは有償であった代わりに宅内のネットワーク構成・品質・仕様を次も自由にアレンジできる、ということでしょうか。
そうには違いないのですが、これがつまり「出費に値すること」だと納得していただくこと、それが「販売行為」なんだろうと。
実際、これは重要な出費だったろうと思います。いまからでも遅くない。私たちの業界の言葉でいう ”Capability” を取り返した方が良い。

さて、いっぽう。
IT・ICT商材は、消費財であっても「受託案件的な提案」を必要とするように思います。
セールススタッフ、とくに他業界から移られた方には驚かれるかもしれません。
消費財の営業であれば商材のうちのいくつかは判で押したように同じルーティンで、統計的確率論、あるいは地道な方法論で数字を挙げられるものがあると思いますが、この業界で四半世紀、見渡してみてそういった商材は「皆無」なのかもしれないと思い始めています。事業家としては商材をそうした性質のものにまで昇華させたいと思いつついまだなし得ないところ、セールススタッフには申し訳ない気持ちです。
現状は、その特性と向き合って「提案」をこなしながら「ルーティン/システム化」を進めること、いずれも重要です。

しかし、なぁ、これではなかなかセールスがスケールしないしスタッフが安心して働けないぞ…わかっちゃいるんだがなぁ。

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