昔見た風景

ソフトウェア産業でいうとAI分野が活況なのは多くのヒトの知るところかと思います。
「AI分野」というだけでは解像度が低すぎるのですけれども、今日書き留めておきたい話題は解像度が低いままで良いのでそれについては別な機会に。
今朝書き留めておこうと思っているのは「かつて見た風景」です。

インターネット商用化黎明期、当社のような駆け出しの「インターネット関連技術の開発会社」にも多くの仕事の依頼がありました。
まだ「イノベーター」や「アーリーアダプター」の市場・需要だったでしょう。ですが小さな技術屋グループであれば十分に成長を示せる「数字」は挙げられる需要がありました。経済界からすると新分野の詳細のわからない会社だったでしょうけれど、数字さえ上がると企業・事業として注目はされるものです。
仕事も楽しかったですし、稼ぎもたって、若い胸に「インターネット普及」の志があって、社会実装に少しでも寄与するという思いで次々開発仕事を請けていました。
が、言ってみれば他社の事業のお手伝いばかりをしていて、自分たちの事業モデルの実現・確立は後回しになっていました。
あとからそれに取り組んで、振り返るとけっこうたいへんだったなぁと思います。
AI分野で、報道などで取り上げられている「デキる会社」の活躍を見て、感心・敬服する一方、同じ轍を踏まないよう老婆心ではありますけれど気に掛ったりします。

他人事、ではなくていまも私たちは「事業を通じて」社会に貢献することを念頭に置かねばなりません。作業を通じて、ではないのです。「執行」は、作業が事業に貢献するようデザインされるよう意を払い、事業管理と執行管理が共同して事業がつねに社会に貢献するようデザインしなければなりません。
つねに点検が必要です。
私たち自身が、同じ轍を踏まないように気をつけないといけないのです。

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