新卒採用の表情

この記事が実際に放送されたときには、中小企業当事者のインタビューがあって「中小企業の採用は”賃金”以外の要素も大きい」といった趣旨のことを仰っていました。記事ではなぜかそこには触れていません。
私もそのご意見には同感です。ブランド力、といえば聞こえは良いのですけれども、企業自身の自助努力によるものかと言えばそうとばかりは言えず、少々公正さには欠けるように思います。「採用」関連事業者業界による少々作為的な「過熱」「企業に対する過剰な商材化」の結果が、企業価値の実態から乖離した不均衡、中小企業の過小評価、ひいては事業・職種の不合理な評価といった予断を生んでいるのではないかと感じます。
「うまく回る」分野で「採用する側事業者と、新卒採用サービス事業者」間でマッチポンプ的に市場が膨らみ、そちらの市場価値だけは上昇して乖離が進む、こうしたことに対して中小企業、とくに「地味な」、であるがゆえにエッセンシャルな事業体は広報・PRをしっかり行っていくことが今後さらに重要でしょう。

冒頭紹介した記事のインタビューでお話しされていた中小企業の方も、賃金水準が同じなら大手に人材をとられてしまう、採用のためには賃金水準を大手以上にしなきゃならない、と言外に仰っているのです。
ともかく、中小企業は方々に自らの事業のお話をして共感を大きく広げていくことがたいへん重要なのだということですね。黙々と眼前のシゴトをして背中を見てくれ、というわけにはいかない、と。口下手にはたいへんな世の中です。

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