安全のために「仮想化」する

インティマシ―コーディネーターという職業がある、と先日教えてもらいました。

「俳優」「演者」というのはシナリオを疑似体験する人たちです。
実は以前から気になっていたことがありました。「子役」の方です。
世の中には子どもがしたつらい体験やそれを含む話を、世に問うために作品がつくられるということがありますね。メインテーマがそれではなくても、例えば大河ドラマなどでも親と死別する子ども、戦争体験をする子どもなどにもひとりひとり子役が配されます。シナリオ的には小さなエピソードかもしれませんが、配役ひとりひとりにとっては「欠けがえのない自分の人生」、その疑似体験です。実の親の死よりも先に「役どころ」でそれを体験してしまうかもしれません。
原則論を言うとインティマシ―コーディネーターという方々はそういう「望ましくない、危険な体験」から俳優さんたちを守る仕事のようです。
そういう職業の方がいて良かった、と心の底から思いますが、日本にはまだ2人だそうで、さらに認知や配慮が拡がっていけばと思います。

そして、情報処理産業に関わる人ならば誰でも考える、と思いますが、演者をアバターにしてモーションキャプチャーですべての役どころを別撮りし後で合成するなら、演者は「追体験」からは解放され、声を当てるだけ(アニメーションの手法)さらに声もAI音声にできれば、追体験するひとがなくてもクリエーターが求める「再現」ができる、そうなってくれると信じたい。
いえ、もちろん「人間力のシゴト」としての俳優業には最大の敬意を忘れません。
「傷つく、危険な仕事」であるが故に尊いのかもしれません。が、建設業にせよ、モータースポーツアスリートにせよ、従事者の安全のために職場が改善されることは絶対に必要なことです。
そうしたことに、すでにIT・ICTが活かされつつあるのだなぁと感じた話でした。

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