働き手不足が顕在化してきているかもしれない
出張などでしばしば空の移動を利用します。航空会社のサービスやその背景にある事業のありようには関心を持っていて参考にさせてもらっています。
(いえ、もちろん大手通信企業のそれはつねに注視していますけれども笑)
先日のネパールポカラでの飛行機事故でも明らかですけれど、航空業界はその事業のあり方ひとつでひとの生命に直結する、一方で営利事業としてコストと提供価格の折り合いはつけなければならない、提供価格は決して安くはないので顧客の要求レベルは高い、などなど。顧客・市場の受け止め方も時々刻々変化する中で、舵取りはたいへんだろうなぁと思いながら観察しています。
航空旅客業は運行上ルールも手数もたいへん多いという印象です。旅客や従事者の健康・命を守るために必要に応じてチェックをするということによるのだと思います。
「セキュリティ」を専門の一部とする私たちにはたいへん参考になります。
ここ一年ほど、イレギュラーなことへの対応に苦慮なさっている感じがします。
先日、あるところで「セルフチェックイン、セルフバゲージドロップ」を観察していたのですが、システムそのものが不具合を起こしていて、過半数のゲートでバゲージドロップを受けられない状態になっていました。
ことの顛末を見ていると、リスタートで回復する程度のものだったようですが、あのシステムはいくつかのゲートで「検査レーン」を共有しているようで、共有グループのどこかが「権利」を握ったまま状態遷移を起こせずにいると、グループの残りはすべて「タイムアウト」するような作りになっているようでした。
つくりはともかく、チケットカウンターのスタッフの方が、その「異常」に気づくのが遅かったのがそのインシデントの場合は問題でした。そもそも人数が二人程度しかいない上に混雑する旅客の整列処理やセルフチェックインの操作説明の対応、などに追われていて「動いているはずのシステムが動いていない」ことに気づく余裕がないのです。
旅客自身は、とくに「タイムアウト待ち」が異常に長いことなど気づくわけもありません。エラー表示なっても「復帰するものだ」と思ってやはり待っていしまいます。(その場合「係員を呼べ」と表示すべきかもしれないですね)
航空旅客の運行には天候をはじめとして不確定な要素が多くあり「第一選択」ではない手順になることもままあるのではないかと思いますが、感染症騒動以前に比べると対応の迅速さや次善選択肢の量・質が低下しているように思います。
これはこと航空旅客業だけに限らないのではないかな、という気がしています。
「従事者不足」ではありますが、人力に頼らずに回していくならシステムにもう少し「配慮」「洞察」が必要なようです。
ソフトウェアはがんばらねばなりません。