余剰

休暇が取りにくい、ということがあるとするとそこに二つ背景があるということを考えてみます。
ひとつは「余剰人員の欠如・不足」「負荷の高さ」、もうひとつは「属人性」です。

余剰人員の不足、についてひとつ報道を引用しておきます。

「ステークホルダー」には一定数、事業の意義にはほとんど関心がなく投機的・金融的収益のみを求める立場の方々がいます。そうした視点からすると「利益の向上」のために最も最初に経営管理に求めることが「余剰の整理」ということになります。
余剰、というとちょっとニュアンスが違っていて、時間軸としては「現在」「超短期的視野」で収益にならないもの、例えば「投資的支出」も余剰扱いです。
引いた記事で企業側が発した「当社が示した構造改革などが残念ながら十分に理解されていない」というコメントが象徴的です。
さて市場・消費者としての立場ですが、花王といえば日用雑貨の大手メーカーです。日々の暮らしでなんらか頼りにしていないひとっているでしょうか。厳密にはインフラ企業ではありませんがかなりエッセンシャルな機能を担っている企業ではないかという気がします。この株主は、日々の暮らしを花王製品に頼っている立場や社会に「儲かるものに注力しろ」「もっと化粧品に経営資源を向けろ」というわけです。
市場・消費者、とくに花王の顧客はどういった形で企業を応援したものか、そろそろ考えないと小売店の商品棚から花王の日用品が消えてしまうかもしれません。

日用品の「事業規模感」というのはすごいもので、「年間7億個ならできるが4億個ではできない」というレベルです。自分の事業を考えて、そりゃあたしかに「半分近くにまで減ってしまっては」事業継続を考えるのですけれども、4億個っていう絶対数を考えると…とは思いますが販売数が上昇している局面で市場価格と製品収益が最適化されてしまっているような日用品ではほんの少しの減少でも大ダメージなのでしょうね。
で、「紙おむつなんてなんでもいいじゃん」ってなるかもしれませんがそうでもないのです。それは装着する本人も介助する家族・保護者にとってもQOL上の大問題です。
ですが、残念ながら日用品全体から見れば「特殊な消費者」の「一時期」の需要、超マイノリティです。見捨てられても仕方がない…とは思うものの切ないですよね。
そうして「非効率」「低収益」なものを企業が「最優先で見捨てる」という姿勢を続けていると市場・経済はどうなってしまうのか、ちょっと考えないといけません。

経営・執行管理者には「適切な余剰を守る」責任があるのかもしれません。
(属人性について書くと、想定以上に長くなってしまうのでまたあらためて)

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