需要は急速に回復しているのですが…

屋外設置を想定した電源一体型 無線LAN AP 製品の開発と製造を事業としています。
感染症騒動の直前はオリンピック東京開催へ向けてお引き合いも活況でした。
感染症騒動が始まって、既存のお話も沙汰止みになり新規のお話もぱったりと途絶えましたが、今年になって「直前」と同じ程度の忙しさではないかと感じています。
一時期、こちらの日記にもしばしば書いていた「半導体供給の混乱」も、総じて回復してむしろ過剰供給になり半導体メーカーが苦境に立っているとお聞きしています。
ですが…通信機器業界からすると「?」としか思えません。
このギャップはどこで生じているのでしょうか。

いくつかの仮説はあるのですけれどリアルタイムで判断ができるほど良質な情報を持ち合わせていないところは自分自身に残念な気持ちになります。
ともかく。通信機器向け半導体にはとても限定的な資源しか充てられておらず引き続き供給不足は深刻な状況のように見受けられます。
無線LAN規格(IEEE802.11シリーズ)の製品はITU系の機器に比べて「世代同期」が緩いため息の長い(設備寿命の長い)製品となりやすい、とはこちらでも何度か記しました。それが裏目に出ると、ITU系、いまでいえば「5G」の半導体製造がメーカー業界では「ブーム」になってしまい、もともとが供給力不足なので802.11系の半導体の供給が停滞する要因になったりしているようです。
この「5G」の需要勃興期に感染症騒動が重なって、802.11ではahやaxという規格に期待が持たれていた期間は、とてもがっかりでした。

冒頭記したように、いま、最終製品(通信機器)需要が回復してきているのに、迅速な開発も供給もままならない、というのはたいへんもどかしい。
こういうときに「身近」に相談できる相手、呼応してくれる業界が失われてしまった国内産業の切なさを感じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?