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ロードトリップ 6日目

イエローストーンナショナルパーク

さて今回の旅の大目玉、イエローストーンに向かう。運の悪いことに、今回私たちがここを訪れる1週間半ほど前、イエローストーンで大規模な洪水が起こった。イエローストーンもかなり広いので、まずは洪水がどのエリアで起きているのか把握に務めた。結果、今回わたしたちが訪れる予定のあたりは何事もないことがわかった。今回泊まる予定の宿にも確認の連絡をし、特に異常はないとのことだった。しかしながら、イエローストーンナショナルパーク側は洪水が起きてから全ての入り口が封鎖することを決定し、いつ入場可能になるのかわからない状態だった。念のために代案も考えていた私たちだったが、今回の旅を開始した頃に入り口が解放されることとなり、訪れることができることにみんなで喜んでいた。

ただ、入場は制限されていた。しかも特殊な方法で、仲間の何人かは「わけわかんないことやってくるあたりさすがアメリカだわ〜」と言っていてちょっと笑ってしまった。
今回適用されていた入場制限は、車やバイクのナンバープレートの一番右側にある数字を使ったものだった。イエローストーンを訪れる日にちが偶数だった場合、車体のナンバープレートの一番右側の数字が偶数であれば入場を許可される。逆も同様で、奇数日には一番右の数字が奇数であれば入場可能だ。わたしたちは幸い2日イエローストーンのためにとっていたので、入場できるのは確実だった。レンタカーのナンバーが偶数だったことと、イエローストーンに着いたその日が偶数日だったこともあり難なく入場することができた。

実際にイエローストーンのHPに掲載されていた入場規制についての説明。


グランド・プリズマティック・スプリング

最初に向かったのはグランド・プリズマティック・スプリング(grand prismatic spring)だった。よく絶景を紹介する本に写真が載っていることが多い、あの虹色の池みたいな風景。旅のメンバー全員一致で、絶対に行きたいねと言っていたところだ。車を降り人だかりに向かって設置されている歩道のようなデッキを歩く。向きが変わって時折肌に触れる風が湿気があって熱い。
グラント・プリズマティック・スプリングの手前に別の熱水泉があり、そこにたどり着いた。一面透き通ったブルーの熱水泉が広がる。たちのぼる湯気は泉の色と同じブルーで、とても幻想的だ。できないことは重々理解しているけれども、思わず飛び込みたくなるような透き通り具合。綺麗。

時期によっても変わってくるが、およそ41°C〜121°Cくらいらしい。

ブルーの熱水泉をすぎて目に飛び込んできたのは圧倒的存在感のグランド・プリズマティック・スプリングだ。見事な虹色!自然が作り出した色とは到底思えない。あちらこちらからたちのぼる湯気もそれぞれいろんな色で、ここはピンクなのに向こう側はブルーだったりする。この熱水泉に生息するバクテリアによって色が発生するらしい。いや、それでも自然物とは信じ難い。誰かが大きな絵筆と大量の絵の具をもちだして、一筆で虹を描いたようにしか見えない。自然の力ってすごい。

オレンジの道のようにも見える。

グランド・プリズマティック・スプリングの周辺には、小さいサイズの熱水泉もいくつかある。デッキを歩いていると次から次へと見つけられるのだが、そのどれもがそこからグツグツと熱湯が煮えたぎっていて、普通に生きていると忘れがちだけれども、地球って生きているんだなあなんて思ったりした。

近づくと熱気を感じるとともに、グツグツと沸騰している音までよく聞こえる。


オールド・フェイスフル・ガイザー

グランド・プリズマティック・スプリングを後にし、車に乗り込んでパーク内を移動する。次の目的地はオールド・フェイスフル・ガイザー(old faithful geyser)だ。日本語で間欠泉(かんけつせん)というらしい。日本語でも聞き慣れない言葉だ、難しい。
この間欠泉、噴出時刻がかなりの確率で予測できるとのことで、35分〜120分おきに1分半〜5分間ほど噴出する。噴出すると思われる時刻が近づくと、歩道のデッキやベンチに人だかりができ始め、みんな今か今かとその時を期待しながら待っている。大勢の人が一点の同じ場所を見つめるってかなり面白い現象だなあと思う。

「ちょっと湯気くらい出してみますか、笑」みたいな間欠泉の心の声が聞こえてきそうな感じで、噴出口からもくもく湯気がたちのぼる。「おおっ?!きたか?!」とその場所にいる全員の注目が一気に集中する。しかしながらそんな人間たちを嘲笑うかのようにその後は一向に噴出する気配がなくなる。もったいぶって感動をより良いものにしようという魂胆か。さすが間欠泉、魅せ方を熟知している。(なんの話だこれ…笑)

少し風に流され輪郭がぼやけていた。

申し訳程度の湯気の噴出から5分ほど待っただろうか、ついにその時がやってきた。少し湯気がたちのぼったかと思えば、すぐに一気に噴出が始まる。空に向かって一直線に白いすじが上に伸びていく。幸い風向きが良かったおかげで濡れずに済んだが、それでもしぶきを肌に感じる瞬間が何度かあった。
噴出が終わるとその場にいた人たちからは拍手の嵐。地球の自然現象に拍手喝采するってなんだか不思議な感覚だ。でも気持ちはめちゃくちゃわかる。地球に対しての尊敬の念を込めて拍手を送った。

魅力たっぷりのイエローストーン。当初は2日間かけてまわる予定だったのでもっとハイキングなどもしてみたかったのだが、洪水による入場制限のためイエローストーンへ行くのはこの1日だけとなってしまった。しかし、この1日に見たいものを全て見ることができたので大満足だった。

翌日は代案として考えていたグランドテトンナショナルパークへ。



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