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「誰かのせい」と言った時、そこから進むことはない。

趣味に全力を捧ぐオタクの話をしたいと思う。

これは私がその当時 本音を話せなかったことを吐き出すnote。


ライブは全通。

遠征も行く。

チェキもたくさん積む。

オタク同士のコミュニティでも人当たりのいい対応をする。

推しから好かれている(少なくとも邪険にされてなさそう)。


そういう強いオタクは、優先順位の一番に「推し」がいる。

そして自分のリソースを推しに全集中させる。

それが彼女彼らにとっての当たり前だ。


ある日の話だ。

推しの生誕祭のタイミングでその現場の強いオタクが相談を持ちかけてきた。

いわく、目障りなオタクがいる、推しからも嫌われてる。だけどTO面の行為をしようとしてる。そいつの行為を阻止してほしい、と。

私は思った。

「どうでもいい。」

推しが拒絶しているのならばアイドルサイドが出禁にすればいいだけだろう。

なぜ、一人のオタクがその領域に手を突っ込んで自治しようとしているのだ?

分からない。

分からないからアイドル、強いオタク、嫌われてるオタクの三方から話を聞くことにした。


言い分はこうだ。


アイドル「言動が嫌い。すぐ勘違いするし繋がろうとするし自己中だし、たまにしか顔出さないくせしてデカい顔する。」


強いオタク「推しに嫌われてるし、たまにしか来ないくせして生誕祭でたくさんプレゼント渡したり、チェキたくさん撮って鍵閉めしようとしたり、良い想いをしようとしすぎ。あまりにも都合が良すぎる。仕事で行けないと推しに言ってるみたいだけど、俺は仕事もやりくりした上で全通してる。そんなの言い訳だから。」


嫌われてるオタク「推しがたくさんプレゼント欲しい、たくさんチェキ撮って欲しいって言ったから実際にそうした。たまにしか来ないのは仕事に休みがないから。」


三人と話して一番印象が良かったのは正直嫌われてるオタクだった。

彼の願望がものすごく素朴だったから。

繋がりたいとか結婚したいとかガチ恋したら誰でも思うようなことだろう。

俺のこと好きだから推しは俺に良くしてくれる、という幻影をずっと見せ続けられ(自分で勘違いしてはいるのだが)そのまま発言をするが故、実際に推しからは裏で悪口を言われている。

勘違いするような人だからきっと空気も読めないのだろう。

ただ、アイドルなんてもともと勘違いさせる商売だったろう。

そんな人に「お前は正しくない。嫌な奴。」と思ったところで何になるのだろう?

推しも強いオタクも「何を言ってるんだ?」と思った。

私に相談を持ちかけてきてる時点で「人のこと支配しようとしすぎ」と思った。

嫌なら嫌と、私に言ったことを直接その嫌われてるオタクとやらに言えばいいと思った。


何を変にこじらせてるんだ。

シンプルなことだろう。

「私はお前が嫌いだ。お前が良い想いをすることも気に食わない。お前から消えてくれ。」

って言えばいい。

私に持ちかけられた相談の本音はこれだったろう?


誰よりも頑張っている自負があるオタクほど結果を出さない人を見て「頑張りが足りないからだ。そんなの言い訳だ。」と欠点ばかり指摘する。

その実、自分が積み上げてきたものを守ろうと必死になって威嚇している。

自分が一番であることが当然だと主張する。

一番効率の悪い楽しみ方をして得をし、効率の良い楽しみ方をして得をしようとするオタクを糾弾する。

後者を人がやろうとするのは分かりきってたことだろう。


私は頑張ることを否定しないし、頑張ったことは素直に素晴らしいと思う。

だが、振りかざすのだけはいただけない。

それを盾にするのもいけない。

頑張ることが当たり前。それをしない人間は落ちぶれて当たり前。

そんな正しさがあったのだろう。

正しさは「人のせい」と言わせてしまう。

「人のせい」と言った時、そこから進むことはない。


どんな人間にも思いやりを持て。

人々が悪人だと思うような人間でも、自分とは友達になれるかもしれない。

友達の前で悪人になる人はいない。


あと、私がつくづく思うのは

オタクは変に手を突っ込んで運営がやるようなことにも手を出すな。

アイドルは嫌なものは嫌だと言え。相談するのはオタクではなく周りのスタッフやメンバーにしなさい。


アイドルは自分の都合の悪いオタクに対してきっと

「四の五の言わずに金だけ出せ。」

「四の五の言わずに現場だけ来い。」

と思うことだろう。そう思うのは仕方ない。

ただ、自分のメンタルや行動に悪影響が出るのならば、そんな都合のいいことを思ってる暇なんてない。


というごくごく当たり前なこと…🤦

※この話はフィクションです。

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