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Awich, “8” (2017)

日本のHiphopシーンを牽引するAwichのスピリチュアルかつ多国籍な一面を表現した名作。

先日渋谷のラブホ街を歩いていたらAwichの大きなライブ広告看板を見つけて、今回は彼女のアルバムレビューをしてみようと思った。

沖縄生まれ、アメリカで結婚して、日本帰国の矢先に夫が銃殺される。。。そんな壮絶な過去を持つ彼女。今の時代のヒップホップの枠で、そんなストーリーを話すのは嘘のようで、でも偏見を持っているわけではないが、いかにもラップをするためにセッティングされたかのような境遇だ。。。

彼女の曲を聴くと、英語と日本語と沖縄語が混ざっていて、私自身バイリンガルで育った人はアメリカにいた頃に多く出会ってきたが、そういった多国籍な人の表現をリアルにしているなと感じた。

私がアメリカの某音大にいた頃、英語と日本語を話すけど、どちらもネイティブの7割くらいしか話せない子がいた。言葉と思考はリンクするって言うけれど、その子と会話すると何とも不思議な感覚を持った人だな〜と感じた記憶がある。脳内に英語と日本語という区切りがあって、一つの物事を考えるにしても両方の引き出しを出し引きしているような。。。ある意味雑多であり、一方それが故にその組み合わせ次第ではとてもユニークな思考になる。

そんな風に、自分の率直な心情を、脳内の英語と日本語の引き出しから組み合わせながら紡いだ詩は、かなり聞き応えがある。

またこういったパワフルな女性のラップはジェンダーレスな側面も見せてくれる。こういう強気な雰囲気は個人的に好みです笑

彼女のインタビュー を見ると、CoccoやCharaを聴いて育ったんですね。スピリチュアルな表現にもしっくりきます。これからもどんどん派手に活躍していって欲しいアーティストの一人です。

2022/2/7(Mon) 2022年音楽レビュー#12

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