見出し画像

{ピスコラ}これまでに作成したピストンコラージュ曲まとめ

※本稿内にて、現在では一部不適切と思われる表現やノリが含まれますが、書かれた時代背景をそのまま再現して記載します。

ピストンコラージュとは

ピストンコラージュ(以下、ピスコラ)は、開発室Pixel(代表作『Cave Story - 洞窟物語〈2004年〉』 )の開発した無償の作曲ソフトウェアです。

このピスコラを使用すれば手軽に8bit曲が作れる上に、サンプリング機能も付いていたりと、フリーソフトウェアとしてはかなり優秀な作曲ツールだと思います。

今では使う機会はめっきり減ってしまいましたが、筆者も10代の頃に大変お世話になりました。

それではまず作業の前に、とりあえず宿題をば…

(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..



洞窟物語について

2004年にリリースされ、その後ニンテンドー3DSやニンテンドースイッチに移植された開発室Pixel製インディ―ゲーム『Cave Story - 洞窟物語』のBGMは、開発者のPixelさん自身がピスコラで制作されました。

そもそも自作ゲームのBGMを作るために、ピスコラが開発された模様です。

▲ニンテンドースイッチ移植版『Cave Story+』


そんなこんなで、筆者もご多分に漏れず、2006年頃よりピスコラ曲の作成を開始し、ピスコラ投稿専門サイトに曲を投稿しておりました。

べ、別に
あんたのために作ったんじゃないからねっ!(完


『Radical Dreamer (2007年)』

出典:エンターブレイン主催2007年秋コンテストパークweb受賞作

2007年夏に10代までの作曲をピスコラで編曲したアルバムです。

ファミ通の攻略本でおなじみのエンターブレイン主催のデジタル作品コンテストに応募し、なんとか入賞作に選出されました。


1.Radical Dreamer

17歳の頃に作曲し、その2年後にピスコラで編曲。
焦燥感あふれるアグレッシブな曲に仕上がりました。

曲名は名作RPG『クロノ・トリガー』のその後の物語を描いた『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』より拝借いたしました。


2.I Believe

16歳頃の作曲をピスコラで編曲。
8bitとJ-POPの融合という異色の曲でした。

作曲を始めて3年が経った16歳の頃に「結局のところ耳触りのいい曲は全て同じコード進行になる」という問題に直面し、「だったらベースラインでその曲の固有となる個性を求めればいいのでは」と思いつき作曲しました。

曲名は「J-POPにありがちな題名」という皮肉的な意味合いに。

曲の最後に入るヒグラシの鳴き声は、早朝に窓の近くに止まったヒグラシの鳴き声を運良くカセットテープレコーダーで録音したものです。

ひと夏の思い出……(完


3.Little Boy / Oxytocin

17歳の頃に作曲したポストロックをピスコラにて編曲しました。2コーラス目から登場する副旋律のフルートが主旋律を食っておる……この曲で使用したギターのコードフォームは、下記で紹介する「撲殺天使ドクロちゃんコード」です。

後半に登場するエレピの半音階で上下するクリシェが特徴的。曲末尾のOxytocinと名付けた環境音楽はLittle Boy本編を逆再生させたもの。胎児が胎内で聞く音のような仕上がりに。
ある意味、胎教音楽……?

脱線しますが、オキシトシンの多い人の特徴を調べてみた。

戦意や性欲、恋愛に対する強い情熱、稼ぐ力はそう高くないけれど、人の話をよく聞き、なごやかでやさしい。あまり他の女性に目移りすることもなく貞操をまもる。一緒にいるとほのぼのとして落ち着く。オキシトシンの分泌量の多さは、肌のきめ、髪のツヤ、見た目のかわいらしさにも反映されます。

オキシトシンが多い人の特徴は?

お、おう……なるほどなー。


4.War and Peace

「戦争と平和」が本アルバムの隠しテーマでした。

このアルバムの制作に至った経緯は、自身が長崎被爆三世であり、広島平和記念日生まれなことに由縁を感じ、若気の至りながら10代最後の編纂として作成に踏み切ったしだいでした。

なぜピスコラで作ってしまったのだろう……。

筆者は神戸生まれですが、兵庫出身の伯母は東京に嫁ぎ、その娘である東京都民の従姉はアメリカ人と結婚。祖父は沖縄出身、父は長崎出身、実家を出た兄は大阪府民。従姉はニューヨーク州と横浜を往来。日本列島から新大陸にまで親戚がいることがふしぎでなりません。あとは道民を絆すことが出来れば日本民族コンプリートが実現したのに。

――閑話休題。

曲を作りながら「なんてショボい曲なんだ。もうダメだ!\(^O^)/」と挫けそうになりつつも、試行錯誤をかさねることおおよそ数週間。

〆切当日の8月15日に無事アルバムが完成し、急いで最寄りの郵便局から速達郵送。消印有効だったので速達でなくても良かったのですけども。

_| ̄|○

そうこうして、筆者が生まれて初めて作曲で源泉徴収書をいただいた感慨深い出来事となりました。


BGM素材サイト開設~閉鎖までの経緯

作曲を開始した2000年から7年後の2007年3月4日。ようやく念願のBGM素材サイトを開設しました。2005年からのバイトに慣れてきた頃のことです。

そこでようやく13歳~19歳までに作成したRPGツクール用BGMを配布しました。これは13歳から作り始めたmidiファイルの供養のためでもありました。

運営の開始直後、ピスコラ使用者や同人サイト管理人の方々と絵チャットで交流し、ピスコラ総合リンク集を作ったりしました。当時はフットワークの軽い10代同士だったから、気軽に相互リンクを増やせたのだろうなと。

開設の翌月にはBGM提供作がエンターブレイン主催のコンテストに受賞。その後はサイトのアクセス数も2万HITを記録。それに触発されてピスコラで編曲したアルバムを同コンテストに出品したら2007秋受賞の運びとなりました。それまで一日のアクセス数は100人ほどでしたが、入賞により一日のアクセス数が1,000人を記録しました。

常連さまから「すてきなさくひん」「このステルス作家め!」とweb拍手からお褒めの言葉をいただき感無量でした。「エレピの音がいい!くやしい!」とは同胞のピスコラユーザーからのメッセージ。同じツールを使いながらも人の曲を聴いて落差に落ち込むのは自分だけじゃないんだなと……。

そうこうして、就職や「RPGツクール用のBGMを作りたい」という作曲当初の目標達成にともないサイトは閉鎖いたしました。

もう少し続けるべきだった…サーセン
(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..

コンテスト応募用アイコンに使用した粗雑な写真


『Thak you for PxTone Collage!』

制作期間2006年~2007年 + 2013年度!
2007年に初公開したピストンコラージュ曲の再配布です。

以下、簡易な全曲解説!


1.工事中

10年前に作成した新曲です。
工事現場で録音した騒音を曲に取り入れてみました。

(´・ω・`)o彡゜ずどどどーん!


2.moves your feet

2007年3月、BGM素材サイトの運営開始にともなって作成した曲です。

イントロは三連符から始まり、途中で8ビートに変化するキワモノ。
今振り返ると十代の頃の方が発想が柔軟でしたね。

3分ゲーコンテスト出品作「SAME CUBE」のBGMとしても使用していただけました。「BGMが神」とゲームの感想に書いてもらえたり、わりと好評だったので嬉しかった思い出があります。


撲殺天使ドクロちゃんコード

moves your feetで使用したギターのコードフォームは『撲殺天使ドクロちゃん』のBGMを聴いて会得したお気に入り。なぜだか主題歌の印象しか残らない作品だけど、BGMも意外といいのよ。

「本屋で『撲殺天使ドクロちゃん』を購入するため本棚に向かったら、近くにいた女子中学生も買おうとしていて興味津々に見つめられた」という掲示板の報告が今も印象に残ってます。

また、2010年に作曲した「大正デモクラシー」でも、この「撲殺天使ドクロちゃんコード(勝手に命名)」を使用しました。

(`・ω・´)🎸秋は過ぎ去り、春は未だ来たらず。ならば今此処でギターを掻き鳴らせ!唸るトレモロピッキング!!ドゥルルルルルルルル!!!

「大正デモクラシー」曲解説
撲殺天使ドクロちゃんコード(フォーム)

moves your feetと、後の大正デモクラシー(Dドロップチューニングなので若干フォームが異なりますが)等で使用したコードフォームは、上記「Bm(11/b13)」「C(9/#11)」「D(9/11/omit5)」「Em9」の4種類です。原曲はこれに加え、1弦2fを押さえるフォームも登場しますが、それはご都合により割愛しました。

C(9/#11)

音楽における著作権はメロディと歌詞に発生しますが、コード進行やリズムパターンに著作権はありませんので、気に入ったコード進行は常に書き留めて自分の曲に取り入れましょう。コード進行や展開の引出しが多い作曲家は、それだけ膨大な数の音楽を知っているということです。

その代わり個性は損なわれると思うので、その辺は自己責任でオネシャス!


▽参考:外部記事


3.Pico-Peco Hammer

2006年某日。初めてピスコラ投稿サイトに投稿した四つ打ちの曲です。途中で移調した後も、ウワモノのフレーズはずっと同じ音程のまま、という変化球。ノリのいい曲ながら、途中で唐突に泣きのメロディが登場します。

(`・ω・´)ノ"ライラライラライ!


4.My Sweet Home

十代半ばの作曲。シャッフルビートが当時のマイブームでした。

ピスコラ投稿サイトのチャットで「ピアノの弾ける人の音使いだ!」と褒めてもらえた曲。しかしながら実をいうと鍵盤楽器は弾けません!

一緒にチャットでやり取りしたピスコラ開発者のPixelさんは、とても謙虚で誠実なお人柄の方でした。


5.Enemy

ミディアムテンポの00年代USロックのような音使いが特徴的。
この頃から少し強引な転調が多かったですな。


6.Deep-sea

奇を衒いながらもEDMっぽい音使い。
途中のディミニッシュコードがナウい。


7.あやしい

十代半ばに作曲したmidiファイルを元にピスコラで編曲しました。
うむ……確かに題名(ファイル名)の通り、あやしい雰囲気。


8.ネガティブマーチ

イントロ部分の行進曲は、作曲を開始した13歳頃のmidiデータが原案。

三拍子になる箇所からチャーチモードスケールでいうフリジアンスケールになります。当時読んだ『涙たちの物語』のとある長編にインスピレーションを得て作曲しました。

13歳の頃に初めて楽譜の読み方と音楽理論、耳コピの方法をネットで知り、midiシーケンサーを使用して作曲を始めました。

当初の目標は「RPGツクール用のBGMを作りたい」程度のものでした。


9.キミトツキノシズク

十代最後の思い出「2007年PisColla!主催『第三回ピストンコラージュコンテスト』素材賞曲。

『キミトツキノシズク』歌詞
君と踊りたい
空が落ちて
最後まで涙流す
涙 僕にない言葉
君と最後まで 月の雫

君と踊りたい
だけど時間だから
今度また踊ろう
キミトツキノシズク

「キミトツキノシズク」歌詞

「なんだろう、このポエムは……(作者談)」
拙作ながら初めての作詞だったのもあり思い出深い曲になりました。
歌声は英語のテキスト読み上げとボコーダーで作成。
そこはかとなく英語訛りなのはそのためであります。

まだ音声合成ソフトの普及してない時代でしたが、この数ヶ月後に初音ミクがリリースされました。当時サイトの常連様に「ミクに歌わせてほしい」と言われながらも、辞退したのが悔やまれます。


ピスコラアレンジ曲

空色デイズ (cover)

『天元突破グレンラガン』主題歌。中川翔子「空色デイズ」のピスコラによる8bit風アレンジです。当ptcopファイルは2007年に作成しました。

上記の記事を読み、そういえばその昔に空色デイズのptcopを作成したことを思い出しました。


それから17年の歳月が経ちましたが、まだネット上で活動されている方々もいるようで、しみじみと思うしだいです。

お互いにもう十代の頃のフレンドリーなノリには戻れないわけで、なつかしく思う一方、前を向かなければいけないと考える日々であります。

クラナドは文学、人生はFate…


おわりに

今回はこれまでに作成したピストンコラージュ曲を紹介しました。

RPGツクール用BGM素材サイトの要となるmidi素材については、後日またいつの日か記事にしたいと思います。

それでは、ごきげんよう!


▽関連記事