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野菜市場価格の予測 2022年7月

野菜の2022年7月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。

※1 過去(6月まで実績)と将来(7月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。

※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。したがって小売価格とは異なります。

※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)として表示しています。


6月の実績

※6月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。

①ブロッコリー

6月の予測範囲298~392円/kgに対して実績は上旬から中旬にかけて400円以上を維持していました。下旬にかけても変わらず,6月30日の429円/kgでした。大きく予測を外してしまう結果となりました。

②レタス

レタスの6月予測価格113~169円/kgに対して実績は上旬~中旬は予測上限レベル推移しましたが,下旬にかけては下落傾向となっています(5月30日:128円/kg)。平均的に見れば予測範囲内となりました。

③キャベツ

キャベツの6月予測価格70~86円/kgに対して上中旬の実績は90円前後の推移となりましが,下旬は下落しています(6月30日の価格も74円/kg)。上中旬の予測との乖離幅が大きく,精度は良くありませんでした。

④ほうれんそう

ほうれんそうの6月予測価格388~504円/kgに対して実績は予測範囲上側で推移しました(6月30日:503円/kg)。予測範囲内になんとか収まった形にはなりました。

⑤なす

なすの6月予測価格285~345円/kgに対して,上旬・中旬は予測範囲内で推移しましたが,下旬にかけて急落しています(6月30日:271円/kg)。月末の大幅な気温上昇により出荷数が急激に増えたためだと推定されます。予測精度としては良好でした。

⑥きゅうり

きゅうりの6月予測価格175~259円/kgに対して,実績は予測範囲中央付近の推移とりましたが,なすと同様に月末にかけて急落しています。(5月30日:176円/kg)。予測精度としては完全に予測範囲内での推移となり,良かったと言えます。

6月予測結果の検証

精度良く予測できたのは,レタス・ほうれんそう・なす・きゅうり,低かったのはキャベツ,ブロッコリーでした。

6月の気象条件としては,全国的に上旬~中旬にかけてはくもりがちで気温が低かったですが,下旬は各地で異例の早さで梅雨明けし猛暑に見舞われました。梅雨が明けてしまったことから降水量は東北以南で平年よりかなり少なくなっています。

6月の各品目の値動きを見ると,まず露地中心の品目については,5月よりも価格は下がる予測としていましたが,実績は5月から横ばいでした。これは,6月上旬の低温・低日照により生育が遅れたことが理由であると考えています。施設栽培中心のなす・きゅうりについてはほぼ予測通りの値動きでした。
そして下旬にかけては猛暑と言っていいほどの気温上昇から,生育が急激に進んだため野菜全体の出荷量が増えています。結果として果菜類を中心に価格が急落しました。

6月の予測精度は5月に比べると低くなりました。平均すると大体合っているのですが気温を中心に月内変動が大きく,それに連動した価格の変動を追えてはいません。予測精度を上げるためには,予測期間を短くする必要がありそうです。

7月の予測

予測手法が持つ誤差に加え,次月の気象条件を予報値でインプットするため,誤差要因はさらに広がります。

本予測値をご利用した結果については責任を負いかねますのでご了承お願いします。

変動の傾向(最新6月30日との比較)
①ブロッコリー:429円/kgと比べ下落 ↘ 
②レタス:128円/kgと比べ上昇 ↗ 
③キャベツ:74円/kgと比べ上昇 ↗
④ほうれんそう:503円/kgと比べ大幅上昇 ↑
⑤なす:271円/kgと比べ上昇 ↗
⑥きゅうり:176円/kgと比べ大幅上昇 ↑ 

以下(有料150円)は変動範囲の具体的金額と推移図を掲載しています。


①ブロッコリー
 341~415円/kg

②レタス 
 115~169円/kg

③キャベツ
 80~94円/kg

④ほうれんそう   
 556~666円/kg

⑤なす
 285~345円/kg

⑥きゅうり
 226~306円/kg


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