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リスキリング 何それ?美味しいの?

北風と太陽のお話が好きです。みなさんご存知だと思いますが、旅人の上着を脱がすことを北風と太陽が競う話です。結果はもちろん太陽の勝利なのですが、なぜ北風は上着を脱がすことができるの思ったのでしょうか。常識的に考えて、寒ければ脱ぐわけないじゃんと思うわけです。

多分北風には成功体験があったのではないかと想像します。例えば木は冬を迎えて北風で葉を落とします。これを見て北風は「俺には相手を動かす力がある」と思うのです。
しかし実態は違います。北風を受けて寒くなってきたことを知った木が「自ら」葉を落としたのです。

全ての行為は内発的なものです。外部から影響を受けたとしても、動くかどうか最終的に決めるのは自分です。だから相手が動くかどうかは相手の立場になってみなければ分かりません。
海の波の研究をしていた学生の時、先生が良く言っていました。「波の気持ちになってみたらわかるんじゃない?」

どうすれば波の気持ちになれるでしょうか。波の場合は物理現象ですから、それを表現する方程式を覚えればいいのです。今でも海辺に立つと、偏微分方程式が見えてきます。
これを一般的に言い換えれば、よく学ぶことです。相手のことを学んで良く知る。知りもしないことに対しては何もできません。学ぶことが相手を、世の中を動かす条件です。

このことを今流行りの言葉で言えば「リスキリング」でしょう。過去の成功体験に依らず、新しい知識を身に着ける。
ところが、これまで述べてきたように「リスキリング」は当たり前のことのはずなのに、何故か今もてはやされています。これは過去にあぐらをかき、学ぶことを怠ってきたと白状するようなもので、ちょっと恥ずかしいですね。

しかし現状を認めることが全てのスタートです。大いに「リスキリング」しましょう。「リスキリング」という言葉が当たり前になるか、それとも消えていくのか、これが今後の世の中を決める試金石になるのではないかと思っています。

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